little italy Stephen Bishop
PART1「まだ罪がないほう」はこちら。
「私が総務相の時に電波停止はないだろうが、将来にわたってまで、法律に規定されている罰則規定を一切適用しないということまでは担保できない」
ご存じ、高市総務相の電波法関連の発言。行政のトップとして、法律を遵守しますよと言っているのだから何の問題もない……はずがない。この部分を“言わないことで政治家の矜持を示す”ことをもうやめてしまっているあたり、怖い。
この人は「朝まで生テレビ」で出て来た(違いますか)人で、当時からこの強気さはいったいどこから来るのだろうと思っていた。テレビのなかでも自由な言論の場だと思われていた番組から出て来たのに。
現内閣は常にこうやって報ずる姿勢をコントロールにかかる。下流域に集中攻撃をかけるというか。これまで、もっとも露骨にそれをやったのがナチスドイツであることは承知なんだろうか。政治家の側ではなく、わたしたちの方が。
「何の科学的根拠もなく、誰にも相談せず、その時の環境大臣が1ミリシーベルトまで下げた」
環境大臣の発言。これはちょっとひどい。根拠がないのはこっちの発言の方だし。
丸川珠代という人もご存じのようにマスコミから出て来た人だが、おそらく彼女は環境行政を完遂したいということよりも、敵を倒したい欲求の方がはるかに強いのだと思う。敵の失点を指摘するためならなんだってやるぞと。
これは、不幸な事態だ。彼女は反原発などというたわごとをかます連中はすべて愚か者だと心底思っているのだろうし、そう思っていても別にかまわない。そういう人なんでしょうから。
しかし彼女を環境大臣にしておくことだけはまずい。国の不幸がこうやってやってくるのを、おそらく現首相はかまわないと思っている。だって彼こそが「敵を倒したい」という欲求が最優先する人間であることが明々白々だからだ。彼女だけでも更迭しろよせめて。「悪相になったよなあ」職場では丸川大臣にため息が。
本日の一曲はチャカ・カーンとのアンサンブルがすばらしいスティーブン・ビショップ「リトル・イタリー」。
2016年3月号「レベル」につづく。