PART8はこちら。
ネオンが濡れた路面に反射し、パチンコ屋という欧米人にはおよそ理解できない空間が異世界であることを強調。まさしく、ブレードランナーにおける未来のサンフランシスコと現代の大阪がシンクロしている。だから刺青を入れたガッツ石松はレプリカントだし、不案内な大阪を逍遙するニックはデッカードだ。
佐藤のアジトを急襲し、ガッツに頭突きをかまして(知ってるのかマイケル。この人が世界チャンピオンだったのを)生ぬるい日本のやり方を批判するニック。ついでに現場からドル紙幣を抜く。アメリカ流?それを横目で見る松本。
観客はここで、ああニックはアメリカでも同じように汚職に手を染めていたんだなと思う。しかし彼はチャーリーとおでん屋に行き、おでん皿の上でその紙幣を燃やす。
その燃え方でニックは確信する。この事件は偽札がからんでいて、おそらく佐藤がイタリアンレストランで奪取したのはその原版であろうと。
府警では松本が剣道の稽古をしている。彼はニックが金を盗んだと思っていて、冷淡だ。手合わせをするふたり。もちろん松本が剣道としては圧勝するが、しかし最後の最後でニックが松本をやりこめる。
「抜いたら殺せ」
つまり武道としてどれだけ美しくあるかが日本的であり、あくまで勝負にこだわるのがアメリカ流だと。これはラストへの伏線でもある。
誤解がとけた日米の刑事たちは、カラオケバーにくりだす。あのマイケル・ダグラスとあの高倉健とあのアンディ・ガルシアがカラオケ!ここは笑わせていただきました。以下次号。