事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第十一回「祝言」

2016-03-20 | 大河ドラマ

第十回「妙手」はこちら

前回の視聴率は16.2%と最低を更新した。同時に、BSの方は徐々にアップしているとか。つまりは、間口は狭いけれども見ている人には支持されているということでしょう。

離れていく人の気持ちもわかる。始まってからこのドラマはどす黒いオヤジたちの権謀術数ばかりを描いている。だから日曜夜に穏やかな時間を過ごそうと思えばこれほど不向きなドラマもない。まあ、現実にはDASH村スペシャルと、日曜夜に久しぶりに復帰した(局を違えて)明石家さんまのバラエティの成功が裏にあったのだろうけれども。

さて「祝言」。側室に迎える梅(黒木華)とのウエディング・パーティのお話。きり(長澤まさみ)とのラブコメ、母の薫(高畑淳子)と祖母のとり(草笛光子)がからんだ嫁姑問題がメインの、いわば舌休めのピーナッツのような回かと思ったらとんでもなかった。

わたしは感動すらした。

それは、側室の場合はふつう祝言は行わない(そりゃそうだ)のに、行うことによって自分を殺しに来た幼なじみの室賀正武(西村雅彦)を排除するというトリックのせいではない。

室賀を実際に斬り捨てるのは、弟を愛する兄信幸(大泉洋)で、せめて弟には真相を知らせないために死亡フラッグが大漁旗になっている妻(長野里美)に大芝居をやらせる周到な脚本のためでもない。

邪悪な仮面劇が、しかもそれが自分の祝言の席で行われていることに、怒れない主人公という存在がすばらしいと思ったからです。

自分もまた父親と同じ血が流れていることをさとり、その血と終生つきあうことになることを覚悟して涙する信繁。真田幸村を主人公にするうえで、真田三代のお話を書くうえで三谷幸喜がこれで行こうと決めた回だったんですよね。だからこそラブコメや橋田壽賀子なみのホームドラマの意匠を借りたんだと思います。

まじで感動しました。やるなあ。視聴率?うーん、ラブコメ的な雰囲気が好感して16%台後半に復帰と読みました。どこまで行くんか真田丸……

第十二回「人質」につづく

コメント (4)
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