その2はこちら。
ここからは面倒なので役名ではなく、俳優名でいきます。
フェローたちのバックグラウンドは以下の通り。
・新垣結衣は恵まれた家庭に生まれ、成績優秀。ということで家庭的な部分はほとんど描かれず、だから医療的な悩みは彼女を中心に描かれることが多い。
・浅利陽介は普通の家庭の出身で、地元の秀才として医師をめざすことにプライドをもっている。しかし性格的に弱く、スキルも不足。柳葉敏郎に転院を命ぜられたりする。
・戸田恵梨香ははねっかえりの性格のために父親(清水紘治)と衝突してばかりいる。その父親が彼女の身の回りの品を一生懸命に磨くシーンは泣ける。愛されているのである。
・悲惨なのはフライトナースの比嘉愛未で、恋人が筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したため、彼との関係と、自分が医療従事者であることの相克に悩んでいる。白衣の天使だって、自分がかわいい。
ついでだから言っておくと(ついでに語れる話ではないが)、先日の、ALS患者への委嘱殺人はまことに奇妙な事件だった。問題が、安楽死云々とは微妙にずれているような気がするのだ。わたしはどんな場合でも延命につとめるべきだとは考えない。世間の考え方も次第に安楽死に理解を示し始めていると感じる。
けれど、今回のケースは、死を“請け負った”医師たちの上から目線がどうにも気になる。使命感にこりかたまり、まるで自分たちが神であるかのようだ。医師は神ではないという問題に常にぶちあたるコード・ブルーを、あのふたりは見たのかなあ。
あ、フェローの話のつづき。実は主役の山下智久がもっとも悲惨かもしれない。父も母もなく(あれ、リリー・フランキーは?)祖母(島かおり)によって育てられた彼の病院へ、その祖母が認知症のために入院する。以下次号。