日系二世であるジャニー喜多川が、GHQ関係者として日本に持ち込んだのがまずは野球であり(ジャニーズは少年野球のチームから生まれた)、そしてショービジネス。つまり、ジャニーズとは第一にアメリカそのものだったという記述に賛同する。
だからこそ、日本への誤解もあり、奇天烈なグループ名や、コミックソングすれすれの曲の多さが理解できる。所属タレントをあまりにもおしゃれな存在にしないあたりの案配はおみごと。
そこからはみだしたのがSMAPであり、だから彼らはジャニーズへの批評として大きな存在だったわけだ。
この書が出たのは2016年。SMAPの解散騒動の渦中。その後、彼らは離散し、なんと嵐までが……そして、ジャニー喜多川も逝ってしまった。これからあの事務所はどうなるのだろう。わたしはハングリーな滝沢秀明を後継者にしたことを妙手だと思うが。
さて、音楽的な部分についての考察は著者がDJなのでさすが。ただ、どこかに違和感は残る。おそらくジャニーズとはどんな批評もうけつけない部分があり、だからこそ強いのだと思う。あそこのタレントが次々に意思を持ち始めたことに懸念を抱く向きも多いようだが、わたしはさほどの影響はないだろうと思う。
ん、そうでもないのかな。嵐という巨大な存在がなくなると、少なくとも音楽業界での影響力は低下するだろう。ちょっと心配。心配する義理はないけれども。
今回の亀梨和也や山下智久への扱いには批判も多い。ちょっと言わせてもらうと、同じようなことをやった手越には何も同情しない。タレントに道徳を求めないわたしの判断基準は彼らが魅力的かどうか、話はそれだけです。がんばれ修二と彰。