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のっけに「キノフィルムズ」と出たのでスクリーンを間違えたのかと思いました。木下工務店グループって洋画の配給にも手を出したのか。
製作はサミット。準メジャーといったところ。予算を食いまくるであろう戦争映画は単体ではしんどかったのか、中国資本など多数の会社が出資してできあがった作品なのがオープニングだけで明らかに。大変だったんだろうなあ。
こちらのニミッツ(♪いざ来いニミッツ、マッカーサー♪の人ね)はウディ・ハレルソン。「ゾンビランド」「ラリー・フリント」「猿の惑星:聖戦記」などで奇矯な役がお得意だったけれど(なにしろお父さんが殺し屋だったってのがすごい)、近年は「LBJ」でジョンソン大統領も演じているのではまったキャスティング。
ハルゼー中将はデニス・クエイド、ドゥーリトル中佐にアーロン・エッカートと渋いところをそろえている。
日本側も周到だ。山本五十六に豊川悦司、山口多聞に浅野忠信、そして南雲中将に國村隼である。それぞれ、外国映画で実績を積んでいることと演技力でオファーされたのだろう。
この日本のキャストでわかるように、2019年版の取り柄は敗軍である日本側のこともきちんと描写してあること。
ミッドウェイ海戦における南雲中将の有名なミスについても、序盤に
「あの人はもう一度失敗する」
(真珠湾攻撃が不徹底だったことから)と浅野忠信に言わせているなど、考えた脚本だ。まあ、ちょいと不自然な描写もあるけれど(走る昭和天皇、なんて日本映画ではまずアウトだろ)、満足できる展開でした。そのあたりがマイケル・ベイの「パール・ハーバー」との大きな違い。
監督のローランド・エメリッヒはドイツ人なので、アメリカへの愛憎は複雑なものがあるのだろう。その点もこの映画に幸いした。それに、この人はとにかく破壊するのが大好きなので、ドッグファイトや空母への攻撃などを祝祭のように撮っていて、建前としての反戦なんて毛ほども感じさせない。でも見終わってこれだけは伝わった。
戦争って、つくづくめんどくせーと。