朝イチで「Mank/マンク」を見て大満足。さあもう1本見るぞ。
「もうお腹いっぱいじゃない?」
と妻は渋るけれど、「シカゴ7裁判」は見逃せない。例によってほとんど事前情報はないけれども、エディ・レッドメインとサーシャ・バロン・コーエンが共演しているというだけで期待は高まる。
オープニングにNの一文字。これは「Mank/マンク」も同じ。わたしの世代だと日活かよと思うのだけれどこちらはNetflixのマーク。ネット配信はどんどん製作にからんでるんだなあ……しかしこの作品の場合は、パラマウントが製作したものの、主要都市の劇場が閉館しているために全米公開を断念。Netflixに権利を売った経緯がある。
お蔵入りするよりもはるかによかったし、アカデミー賞候補になったことでこんな田舎でも公開された。わたしにとってはラッキー。
そう、こちらもすばらしい作品でした。妻も大満足。「見て良かったわぁ」
1968年の民主党大会。シカゴで行われたその集会のまわりで反戦を訴えるさまざまなグループが気勢を上げ、警官隊と若者たちが激突。多数の負傷者が出る。8人(7人ではなくて)のリーダーたちが逮捕されるが、その裁判は明らかに不公平なものだった……
政治的な題材をあつかっているけれども、徹底して娯楽作品でした。あのラストに泣けない人はいないだろう。予定どおりに公開されていたらバイデンVSトランプの大統領選もあって話題になったはず。まあ、トランプ支持者たちはきっとこのリベラルな映画は見ないんでしょうね。分断。
主役ふたりがすばらしいのはもちろんだけど、傲慢な裁判長のフランク・ランジェラ、人権派弁護士のマーク・ライランス(あまりにルックスが違っているので妻は「ブリッジ・オブ・スパイ」の彼だって気づいていませんでした)もいい。そしてあっと驚くキャストが用意されています。
んでまたセリフがすばらしいんだ。裁判長が弁護士に向かって
「君はわたしが人種差別主義者だと言った最初の人間だ」
と激昂したら、もうひとりの弁護士が
「わたしが二番目です」
こういうのにわたしはしびれる。「アメリカン・グラフィティ」を意識したエンディングに粛然。傑作。