豊田有恒が、日本のSF黎明期において重要人物であったころは(くどいようだけど)SF者ではないわたしですら承知している。ただ、本人は韓国を知っているからこそだと怒るだろうが、近年は右翼的な発言も多いので、存在として敬遠していた。
彼が8マン(エイトマン)やスーパージェッターなどのアニメの製作に携わった経緯を読むと、かつて筒井康隆が雑誌「面白半分」などで回顧していた黎明期のSF作家たちの交流に、アニメという存在が欠かせなかったのだなということを再確認させられる。
その豊田ももう80才を超え、異端児だった筒井康隆は文壇の大御所となり(「騙し絵の牙」の國村隼はどう考えても彼がモデル)、星新一や小松左京は鬼籍に入った。今のSF界ってどうなっているんだろう。今でも、アニメと親和性が高いことだけは想像できるのだが。