映画監督、深作欣二をめぐるムック本。
「仁義なき戦い」「仁義の墓場」などの代表作はもちろん、失敗作という評価が定着している「復活の日」(原作小松左京でオリビア・ハッセーが出ています)「宇宙からのメッセージ」(スターウォーズの日本公開がだいぶ遅れたので、そのあいだにひと稼ぎしようと東映は考えたのだった)のような作品もきちんと紹介されている。
深作といえば有名なのは、撮影が深夜に及び、役者もスタッフもへとへとになることだ。それだけ、彼は粘りまくる。おそらく働き方改革がすすんでいる(らしい)現代の映画界ではありえない撮影法だろう。
それに、作品のためなら多少の犠牲は仕方がないと考えていたらしい。たとえば、「魔界転生」のラストの炎上シーンなど、その熱さはたいへんなものだったとか。
検証のために見てみました。うわー、これ特殊撮影じゃなかったのか。あまりの熱さに逃げ出した役者もいたらしいが
「歌手(天草四郎役の沢田研二)ががんばってるのに役者が逃げてどうする!」
無茶しますフカサク。
彼が亡くなってからだいぶ経つ。関係者は露骨にフカサクと松坂慶子、荻野目慶子の……えーと、そういうことを証言している。もう、そのあたりはあけすけに語ってもいい頃合いだということなんですかね。