第38回「唐入り」はこちら。
時の最高権力者が床に伏している。助けを呼ぼうとする彼を、次の最高権力者となる女性がさえぎる……今回の展開は、去年の「鎌倉殿の13人」最終回を多分に意識したものになっています。古沢さんの三谷幸喜へのオマージュでしょ。
茶々(北川景子)は秀吉(ムロツヨシ)に向かって宣言する。秀頼はあなたの子ではない……わたしの子だ、と。家康にとってのラスボス決定の場面。
今日は酒井忠次(大森南朋)の最期も描かれた。もうほとんど目も見えなくなっている彼の最後の海老すくい。そして最後の“出陣”。
妻を演じた猫背椿が「ご苦労さまでした」と静かに頭を垂れる。秀吉=茶々との壮絶な対比。いやしかしクドカンのドラマで常に笑わせてくれた猫背さんの端正な芝居を、ロングショットで描いた演出はおみごとでした。
秀忠登場。演じているのは森崎ウィン……はて、どこかで聞いた名では。なんと「蜜蜂と遠雷」のあいつかあ!“あの4人”のことを、映画を観た人なら誰でも応援したくなるはずで、どうやらみんな確実にステップアップしているようでめでたい。
秀吉は例によって猿芝居の連続。石田三成がめざす“合議による政治”など微塵も信じていない。豊臣の世など自分限りで終わってもかまわないと放言。大きな権力を握った人間にとって、これほど甘美な誘惑はないのかもしれない。
ムロツヨシは今回、三段階ほど死相に近づいていく。江川悦子さんの特殊メイク炸裂。さあ来週は誰が退場していくだろう。
第40回「天下人家康」につづく。
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