環境破壊と戦争のために水没しつつある世界。退役軍人のニック(ヒュー・ジャックマン)は、かつては拷問の道具だった記憶(レミニセンス)潜入装置を使い、記憶を再現する商売で糊口をしのいでいる。ある犯罪者の捜査に協力し、記憶を探っていると、そこにはニックにとってのファム・ファタル(運命の女)の姿が……
水浸しのマイアミという設定がまず泣かせる。水しぶきをあげて疾走する列車は「千と千尋の神隠し」のようだし、乾いた土地が金持ちに占有されているという世界観もSFではおなじみのものだ。タンクのなかで水(羊水的なツール)にひたり、深層心理にたどり着くのはケン・ラッセルの「アルタード・ステーツ」を想起させます。
しかしこれらのSF的意匠をはぎとってしまえば、この映画はきわめてまっとうなハードボイルドミステリだ。
生活に疲れた探偵が、性悪かもしれない美女を探す過程で理不尽な暴力に遭遇する。卑しい街を行く孤高の騎士。ヒュー・ジャックマンはまさにはまり役。おまけに彼を愛する助手の女性が射撃の達人というのも憎い。
製作は兄のクリストファー・ノーラン作品で脚本を書いていたジョナサン・ノーラン。脚本と監督はジョナサンの奥さんのリサ・ジョイ。冒頭のつぶやきがラストに効いてくるあたり、この夫婦は周到。
運命の女を演じたのはレベッカ・ファーガソン。凄腕の助手はタンディ・ニュートン。どちらも美女でなければ成立しないお話なのでこのキャストは正解。で、この二人はどちらも「ミッション・インポッシブル」でヒロインを演じている。トム・クルーズはそのあたりしっかりしてるもんなあ。
さて、このお話にどんな決着をつけたかと言うと……うわ、そう来たかあ。なぜ、「記憶」というタイトルにしたかが判明し、観客はしみじみ。もちろんわたしもしみじみ。
「インセプション」的なのかと勝手に
思っていましたが、ハードボイルド小説を
読むような展開が心地よかったです。
「フロントランナー」は庄内では未公開なので、
「グレイテスト・ショーマン」以来の
スクリーンでのヒュー・ジャックマンの
演技を体感。佇まい含めやはり良いですね!
まさかこんな展開に。
グレイテスト・ショーマンをわたしは
どうしても見れなくて、だけどこの
作品でヒュー・ジャックマンとレベッカ・ファーガソン
がふたたび共演してるわけだ。
なんで俺、あの映画が見れないんだろう、
微妙な出来でした(笑)
というには主人公がヘタレではないかと(笑)
それからねえ、レベッカ・ファーガソンは
確かにきれいなんだけど、もっときつい顔の
女優を選択するべきだった。
理想はクリスティン・スコット・トーマス的な。
ああマニアかしら。