その31章「さすらいの航海」はこちら。
史上最長の在位を誇ったエリザベス女王。しかし彼女の人生は平坦ではなかった。不貞をはたらく息子、ほとんど王室を追われるように離婚した嫁が壮絶な事故死……というようなお話ではありません。
こちらは初代のエリザベスをあつかったもの。歴史知らずのわたしにとっては、なかなかの歯応えでした。
まず、いくらヘンリー8世の娘とはいえ、王位継承者には姉がいたし、父親は男子を王位につけたかったから(そのためにイギリス国教会をつくって何度も離婚したのだし)エリザベスが女王となる可能性は低かったというのが意外。ここにからんできたのが宗教改革だったと。プロテスタントだったエリザベスに追い風が吹いたわけだ。
処女王(ヴァージン・クィーン)として知られる彼女だけれども、心の中には恋愛感情や嫉妬も渦巻いていたのがわかる。まあ、演じているのがケイト・ブランシェットなのでそのあたりは絶妙に描かれています。あの人はどんな役でも演じてみせる。
ケイトとジェフリー・ラッシュが共演し、そこにクライヴ・オーウェンやジョセフ・ファインズやリチャード・アッテンボロー、そしてエディ・レッドメインやダニエル・クレイグまで登場するのだから豪華なものだ。あ、強引だけどダニエル・クレイグはエリザベス1世と2世の両方と共演したわけだ(ロンドンオリンピック開会式)。
さて、エリザベス1世の人生における最大のイベントはスペイン無敵艦隊との海戦。あ、こういう展開だったのかと戦記物としても面白い。お勉強になりました。ああおそらく多くの社会科教師が「違うだろ!」と怒ってるんだろうなあ。
33章「ベン・ハー」につづく。
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