その128「MIU404」はこちら。
わたしのマイベストミステリ2020に輝いた(誰もうれしくはないでしょうが)「抵抗都市」の続篇。
日露戦争において日本が敗れ、二帝同盟という名のもとにロシアの属国となっている歴史改変もの。
外交権すら奪われた日本国民の屈託が、主人公の刑事が逮捕した犯人をロシア側に渡さざるを得ない状況によって象徴されている。
前作との違いは、ロシアの側も革命の予感のためにガタついていること。そして日露両国のありようが、犯罪捜査とシンクロしているあたり、うまい。国家も、警察もその同盟はあやふやなのである。
地理や乗り物に徹底してこだわった(本郷通りはクロポトキン通りという名になっている)あたりも味わい深い。ウクライナ情勢とのあまりのシンクロぶりは、佐々木さんも予想できなかっただろう。
その130「ドクター・デスの遺産」につづく。
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