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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る~最終話「古畑任三郎の最高傑作はなにか」

2009-06-20 | テレビ番組

第一話 「死者からの伝言」 中森明菜
第二話 「動く死体」 堺正章
第三話 「笑える死体」 古手川祐子
第四話 「殺しのファックス」 笑福亭鶴瓶
第五話 「汚れた王将」 坂東三津五郎
第六話 「ピアノ・レッスン」 木の実ナナ
第七話 「殺人リハーサル」 小林稔侍
第八話 「殺人特急」 鹿賀丈史
第九話 「殺人公開放送」 石黒賢
第十話 「矛盾だらけの死体」 小堺一機
第11話 「さよなら、DJ」 桃井かおり
第12話 「最後のあいさつ」 菅原文太
第13話 「笑うカンガルー」 陣内孝則
第14話 「しゃべりすぎた男」 明石家さんま
第15話 「笑わない女」 沢口靖子
第16話 「ゲームの達人」 草刈正雄
第17話 「赤か、青か」 木村拓哉
第18話 「偽善の報酬」 加藤治子
第19話 「VSクイズ王」 唐沢寿明
第20話 「動機の鑑定」 澤村藤十郎
第21話 「魔術師の選択」 山城新伍 松たか子
第22話 「間違えられた男」 風間杜夫
第23話 「ニューヨークでの出来事」 鈴木保奈美
第24話 「しばしのお別れ」 山口智子
第25話 「消えた古畑任三郎」 
第26話 「古畑任三郎 VS SMAP」 SMAP
第27話 「黒岩博士の恐怖」 緒形拳
第28話 「若旦那の犯罪」 市川染五郎
第29話 「その男、多忙につき」 真田広之
第30話 「灰色の村」 松村達雄
第31話 「古畑、歯医者へ行く」 大地真央
第32話 「古い友人に会う」 津川雅彦
第33話 「絶対音感殺人事件」 市村正親
第34話 「哀しき完全犯罪」 田中美佐子
第35話 「頭でっかちの殺人」 福山雅治
第36話 「雲の中の死」 玉置浩二
第37話 「最後の事件」 江口洋介
第38話 「すべて閣下の仕業」 松本幸四郎
第39話 「今、甦る死」 石坂浩二 藤原竜也
第40話 「フェアな殺人者」 イチロー
第41話 「ラスト・ダンス」 松島菜々子
第42話 「古畑中学生」 山田涼介

……壮観だなあ。

さて、今回は題して「古畑任三郎の最高傑作は何か」。“古畑任三郎を全部観”て、どの作品が、そしてどの俳優がよかったかを勝手に断定(レギュラー陣はのぞく)。

まずは主演女優賞。

「死者からの伝言」の中森明菜が演じた小石川ちなみは、「男はつらいよ」のリリーに匹敵するキャラだし、「さよなら、DJ」の桃井かおりがつぶやいた「エリちゃん、痛い?」もすばらしい(このセリフ、なんとアドリブ)。沢口靖子の「笑わない女」もいいが、あれは演技じゃなさそう(笑)。結局、役を楽しんでいる、という点で「しばしのお別れ」の山口智子が抜きんでている。旬の役者が、そのキャリアのピークでしか演じられない役でもあったわけだし。

つづいて主演男優賞。

これは迷う。「間違えられた男」の風間杜夫、「殺人特急」の鹿賀丈史、「ゲームの達人」の草刈正雄、「若旦那の犯罪」の梅野泰靖、ガルベスくんの田中要次(笑)……いずれも名演だ。しかしその上をいくのが「黒岩博士の恐怖」の緒形拳ではないだろうか。全国の科学者たちが、あれを観てアルコールランプでスルメを焼いたに違いないぞ。でも名優として歴史に残っている緒形拳よりも、悠然たる連続殺人犯を演じた「動機の鑑定」の澤村藤十郎の方に授賞したい。って何様だオレは。

そしていよいよ作品賞。

「その男、多忙につき」の馬鹿馬鹿しいオチ、「殺しのファックス」における“ピー音”へのこだわり、「今、甦る死」の殺人犯の動機が最後にグイッとあらわになる瞬間、そして意外に楽しめた「古畑中学生」……傑作も駄作も多かった(笑)古畑任三郎全作品のなかで、わたしがベストに推すのはやはり「動く死体」だ。なぜ殺人犯が殺したあとにお茶漬けを食べたのか、舞台の演出家出身である三谷幸喜の本領がここにある。文句なし。

さて、これからの古畑任三郎もちょっと想像してみよう。スピンオフ「古畑中学生」が低視聴率に終わったので、「古畑高校生」「古畑浪人生」(^o^)「古畑大学生」……って線は消えたかも。再開するとすれば、フジテレビと共同テレビはよほどの仕掛けをかましてくるはず。それまで、もう二回ぐらいは「古畑任三郎を全部観る」ことができそうだな。

【古畑任三郎を全部観る おしまい】

刑事コロンボを全部観る”につづく。

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洪水の前の前

2009-06-19 | 国際・政治

Ldp06 総選挙がどうあがいてもまもなくやってくる。
麻生内閣は、ジリジリと支持率を下げながら、時間切れが近いこともあって、麻生下ろしの動きは主流になっていない。
対して民主党は、人気の面では岡田におよばないにもかかわらず、鳩山が押せ押せで突っ走っている……ように見える。

でも、よく考えてほしい。
はたして民主党に支持が集まっているのか?
要するに自民党に嫌気がさしているだけじゃないんだろうか。
だから民主党にまたエラーが出たら、一気に形勢逆転ということに……少なくとも麻生はそう内心思っているはず。
厚労省のスキャンダルで、どの時点で民主党の議員の名を出すか、誰かさんが熟考しているに違いない。

小沢スキャンダルの二番煎じといわれないタイミング。
しかも選挙直前で選挙民への影響がいちばんでかいあたり。
頭のいい人間たちが、どんな手段を用いてくるのか、お手並み拝見だ。

それにしても、毎週毎週出てくる内閣支持率に一喜一憂している現状ってひたすらさみしい。
マスコミも、自分の影響力を誇示するようなマネは下品だと思わないのだろうか。
“あまりにもわかりやすい政治”こそ危険だと、あの5年間でみんな学習したはずではなかったのか。

もっとわかりやすい例が小池百合子ですわね。
先日の読売政治欄の片隅にこんな記事が。

基地対策委員長 小池氏辞任意向
自民党の小池百合子・元防衛相は党国防部会防衛政策検討小委員会がまとめた提言内容を不服として、党基地対策特別委員長を辞任する意向を固め、党執行部に伝えた。

……例によって駄々をこねているわけだけど、彼女らしい嗅覚で泥船から逃げだそうともしているんだろう。
おみごとなり小池(^o^)

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宅配レンタルPART4

2009-06-18 | 社会・経済

Usavich02 PART3はこちら

 宅配レンタルの最大のメリット。それはもう品揃えの豊富さだ……と最初は思っていた。世の中にあふれる映画やテレビドラマのほとんどをレンタルできるっ!とテンションが高まったのは一瞬。意外に「該当作品はありません」が多いのだ。これはつまり、DVDレンタルという市場がそこまで成熟していないのと、マイナーな作品なら、借りるより買う人が多いことが影響しているんだと思う。

 わたしがこれまでディスカスで借りたのはこんな作品だ。

・「6羽のかもめ」Vol.1~9(倉本聰)

・「ウェディング」「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(R.アルトマン

・「霧の旗」(山口百恵版……まもなく特集します)

・「ウサビッチ」(娘にリクエストされたアニメ。すげー面白い)

・「古畑任三郎」3rdシーズン

……あ、十分にマイナーでしたね。ディスカスに加入していなかったら、これらの作品はきっと死ぬまで観ることはかなわなかっただろう(だったら買えよ)。

 加入して三ヶ月ほど経つが、宅配レンタルとのつきあいは長くなりそうだ。なにより、店舗レンタルと二者択一ではなく、さほどマイナーではない作品なら、さっさと店舗に行って借りてくればいいだけの話なのだし。

 それにね、宅配レンタルにおいてかなりのシェアをアダルト系が占めているのは想像できる。店舗の、あの暗い一隅に入りこむのは勇気がいるが、しかし宅配ならポチッでOK。わたしが若いころなら日活ロマンポルノ全制覇!ぐらいはぶちあげていたかも。

 いや、もはやロマンポルノがAVに駆逐されたように、まどろっこしいDVDなどに世間は見向きもせず、ひたすら即物的なネットデータに取って代わられようとしているのかもな。それはそれで、時代なんだろう。DVDがポストに届くだけでは我慢できない時代が、もうすぐ来ようとしているのか。TSUTAYA、GEO、どうする。

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宅配レンタルPART3

2009-06-17 | 社会・経済

Dvdtop PART2はこちら

 メリット、デメリットを比較検討し、熟慮の末、わたしは宅配レンタル最大手(じゃないな、日本最大“級”ってことは)TSUTAYA DISCUSに加入することに……すいませんウソです。「一ヶ月無料!」というフレーズにつられてついポチッとしてしまったのです。

 なぜ延滞料が発生しないのかはこんな理屈。わたしが選択したのはもっとも一般的な、月に8枚までのコース。想定しているのは「一週間ごとに2枚ずつ(DVDは必ず2枚セットで送られてくる)×4週間」モデルだろう。でも人には都合というものがあるので、7泊8日で2本の映画が観られない場合も。店舗レンタルなら、そんなときは観ないで返すか延滞料を支払うシステム。でも宅配なら「次のDVDが来るのが遅れる」だけ。でも月額は変わりないので1枚あたりのコストは上昇しますよというわけだ。よく考えてあるなあ。

 さて、そのコスト。わたしのコースは8枚まで月額2000円弱。ということは1枚あたり約250円だ。店舗の場合はほとんど100円のときしか借りないわたしなので(どんだけビンボーやねん)、コストだけを考えれば、これは確かにお高い買い物をしていることになる。

 他にも“ジャケ買い”のように、手にとってみて「これ、面白そうかも」と衝動レンタルすることもないわけだ。作品名や人名で検索する便利さもある代わりに。

それに実際に届いてみて驚いたのは、ハードケースに入っているいつもの姿ではなくて、ほんとに小さな定形郵便物で薄いソフトケースに入ってきたことだ。なんか、調子狂う。

 最大のデメリットは、観たいときにすぐに観られないことだろうか。TSUTAYAのサイトにログインし、ポチッとしてから自宅に届くまで、少なくとも二日はかかる。前に借りていた作品の返却を確認してからだから、タイムラグはもっと大きい……

 と、デメリットを挙げ終えたところで、今度はメリット系にいきましょう。

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宅配レンタルPART2

2009-06-17 | 社会・経済

59011866329473 PART1はこちら

 宅配レンタルのメリットとデメリットを特集しているサイトがあったので、ちょっと引用させてもらおう。
 まずはメリット。

●店に直接行かなくてよい

延滞料が要らない

●ちょっと恥ずかしいタイトルも気にならない

●映画を探すのが楽

●レビューを見ながら探せる

●好きなときにレンタル→返却

●料金も手ごろ(基本プランなら約¥2000/月)

●品数が多いので実店舗にない商品も見れる

 そしてデメリットは……

●今すぐ見たいときは見れない(宅配には大体2~4日かかる)

●借りなくても月額かかってしまう。(借りないときは休止も出来る→その間は料金がかからない)

●基本プランだと同時に2枚までしか借りれない(追加料金で増やせる会社もあり)

●自動発送だと借りるものを確定できない

……これ以上つけ足すことなどないくらいだが、ちょっと自分を例にとって解説してみようかな。なにより田舎のTSUTAYAとGEOの品揃えに不満を感じつつも、宅配レンタルに手を出したらとめどがなくなるんじゃないかと恐れたわたし。会員になっているTSUTAYAのサイトをそぉーっとながめてみる。不思議だった「延滞料なし」とはどんな意味なのかも知りたいので。

これ、簡単なことだった。要するに「返さなかったら次が来ない」だけの話なのである。

具体的なシステムは次号で

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明細書を見ろ!09年6月号~通勤の謎PART2

2009-06-16 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Map05 PART1はこちら

さて、通勤距離の測定には3つの方法があります。

①クルマのトリップメーターによる実測。

②地図上をキルビメーターとよばれる機器をころがして計測する地味なやり方(教育事務所はこの方法をとっていました)。

電子地図ソフトによるバーチャルな計測。

 先月お伝えしたように、山形県は職員が計測した①をもとに②で確認して手当を支給してきました。ここに登場したのが③です。全国的にみると、次第に地図ソフトで得られた数字を重視する方向にすすんでいます。

 ところが。

 先月行われた県監査委員事務局監査において監査委員はこう指摘しています。

【通勤手当について、届出距離と認定の距離がマップファンの距離と同じであることが不自然である。】

 なんだそりゃ。ネットで出た数字と届の距離が乖離していることを指摘してきたこれまでは何だったんだ。

……つまりこういうことでしょう。いかにネット計測の精度が上がったとしても、山形県はやはり「自己申告による距離を認定権者(今は学校)が確認をする」このルールは変えるつもりはないと。電子地図ソフトはあくまで最短距離を計測する補助にすぎないと監査委員は考えているわけです。

※もっとも、某教育事務所では、職員の同意があればネット計測で出た距離をそのまま認定してもかまわないと解釈しています。県内でも判断はわかれているのです。

それに、実は地図ソフトを利用して公的な作業を行うのは著作権法上問題があり、ライセンス料を支払わないで使用するのはいかがなものかという論議もあります。

 さて、問題は「はたして正しい距離とは何か」。7月の給料日を待て。

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宅配レンタル

2009-06-15 | 社会・経済

Dvdrental01  前から気にはなっていた。大物俳優やアーティストを起用して「ポストに返却」だの「延滞金なし!」だのと積極的なパブリシティ展開をしている宅配DVD(or CD)レンタルのことを。

会員数は激増しているらしいし、確かに便利な存在だろう。でも既にかなりの数の店舗を展開しているわけだし、自分の首をしめる結果になるのでは?とも。

 顧客にとっては、いいことだらけである。

1.特に田舎の店舗は品揃えが悪いため、観たい聴きたい作品がないことが多い。その弱点を克服できる。

2.ビデオ屋が街のいたるところにあった時代と違い、店舗数は減少しているので、宅急便で届き、ポストに返却するシステムは(これも特に田舎では)便利。

3.捻挫して気づいたけれど、痛めた足を引きずってビデオ屋の棚の間を回るのはかなりしんどい。障害者や高齢者など、在宅傾向が強い人にとっては必須。特に高齢者は映画の黄金時代をすごした人たちなので、新たな顧客層を掘りおこしたといえる。

……まずは品揃え。田舎の棚はひどいもんです。たとえば「古畑任三郎を全部観る」シリーズをやるためにどれだけ苦労したか。わたしが会員になっている店はTSUTAYA2軒、GEO2軒。そのなかで古畑が全部そろっている店はわずか一軒だけなのである。田舎の人間は、品揃えが悪いことが当然だと思っているせいで「あの作品が観たい」と意識してビデオ屋に行くことはめったになく、「あるものから選ぶ」というなさけない気持ちで行くしかなかったのだ。

 店舗数減少の問題はもっと深刻だ。ビデオ屋はGEOとTSUTAYAの寡占化がすすんでいる(ほぼ半分がこの二店でしめられています)。最大の理由はVHSからDVDへの移行にめちゃめちゃ金がかかることだったらしい。大資本がひかえていないと、DVD、そしてBlue-rayへ品揃えを取っ替えることは至難の技。だから寡占化はこれからも進むと見てまちがいはない。となると、どこも似たり寄ったりの棚になってしまうわけだ。以下次号

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港座通信~台町

2009-06-14 | 港座

Thegreatescapep_2  ……「犬神家の一族」特集はこちら

復活祭においでいただいたみなさんに、サービスチケットをさしあげています。これは、港座の、街の映画館の復活を支援する意味で、裏面に掲載された店舗からワンドリンクフリーなどのサービスを提供していただくものです。ぜひ、ご利用ください。

また、今回の上映会に数多くの協賛をいただきありがとうございました。“映画館らしいスタイル”で協賛していただいた方々を紹介しますのでお楽しみに。

そして、港座の復活を支援するために、励ましのお電話や浄財をいただいたことに、会のメンバーは感激しています。復活と宣言するには、まだまだいたらない点が数多いことと思います。ひきつづき、ご支援をお願いします。

※終了しました復活祭!
たくさんの方々においでいただいて感謝感謝。
動員的には、ネガティブな予想をしていた会員のそれを大きく上回り、しかしポジティブな予想をしていた会員(わたしわたし)の予想は下回った。
興行成績は以下のとおり。

「犬神家の一族」……×(立場ねーなオレは

「大怪獣ガメラ」……△(ちっちゃい子が泣き出したりしたけれど、好評だった。子どもを映画館に連れてくる場が提供できたのは素直にうれしい)

「麦秋」……◎(妻のお母さんを送迎しましたー)

「第三の男」……○(「地下道のシーンがいいのよ!」と力説する人がいましたよ)

「ニュー・シネマ・パラダイス」……○(例の“キスの嵐”のシーンはもぎり裏のモニター画面で観てました。学校事務職員がこの映画に5人もかけつけてくれた。「事務職員って映画好きなの?」オレにきかれてもなー)

「素晴らしき哉、人生!」……○(キャプラ映画はうける。実感)

「汚名」……○(妻が来てくれましたー)

「十二人の怒れる男」……△(かなりハードな映画だからしんどいかと思ったら、ディープな映画ファンがきてくれたようだ)

「赤いハンカチ」……◎(上映開始前と終了後、もっともお酒が売れたのはこの作品でした

そして

「ローマの休日」……!!!

あくまで、印象ですけどね。それにしても「ローマの休日」人気には驚いた。二回上映してどちらもほぼ満員なのだ。おかげで次回も上映する約束をして観客をなだめる事態にまで。

うーん、とわたしは考えこむ。ふるい映画だから上映コストも安く、会にとってはありがたいことだが、これだけ圧倒されるとはなあ。

それにしても、上映終了後、「よかったわー」と喜んでくれるお客さんたちを相手にするのは至上のよろこびだった。なるほどショービジネスは一度はまったらやめられないわけだ。何度も足を運んでくれるお客さんもいて、めちゃくちゃにうれしかった。読者もいっぱい来てくれて、しかも協賛金まで出してくれた読者もいて多謝。

さて、問題は二回目。7月24日(金)、25日(土)にどんな作品を用意するのか……仲介業者とのやりとりでオーナーはかなりしんどい思いをしているようだし、今のところ確定作品は「ローマの休日」一本のみ。
「大脱走」や「ショーシャンクの空に」は有力ではあるけれど……決まったらさっそくお知らせします。

港座オフィシャルブログはこちら↓

http://minatoza.exblog.jp/

上映会のオープニングイベントはYBCのサイトで一週間ほど観ることができるようです。↓

http://www.ybc.co.jp/news/

第二回上映会「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」篇につづく

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「6羽のかもめ」CX 倉本聰脚本

2009-06-11 | テレビ番組

Intgzomeisxx_200800002104_001 倉本聰が、大河ドラマ「勝海舟」の収録の際にNHKおよびその労組と大もめした恨みつらみをぶつけた伝説のテレビドラマ。倉本の著書「さらばテレビジョン」にその経緯はくわしい。しかしそんな事情を知らなくても、これは確かに魅力的なドラマだ。分裂をくりかえした劇団が、“けいこ場を確保するために借金をして住居と共用のビルを建てる”という設定が効いている。芸能界の裏側をあばくと同時に、この設定のおかげでホームドラマとしても機能できるわけだから。

わがままな大御所女優(おそらくは杉村春子あたりがモデル)犬山モエ子に扮するのが淡島千景。「麦秋」を特集したときにも思ったけれど、この人はほんとうに美人であり、コメディセンスも抜群。劇団員がみんな帰省してしまい、ひとりマンションに残ってブランデーを飲むあたりの哀しくておかしいたたずまいは彼女ならではだ。現代劇に出演するのがめずらしかった高橋英樹、若いときだからどう見ても桑田佳祐に見えてしまう長門裕之、70年代のアイドルといえばこの人でしょ、の栗田ひろみがそれぞれ好演。わたしが「シルバー仮面」などでファンだった夏純子もなつかしー。

そしてこのドラマが遺作となった加東大介がつくづくといい。役者稼業から足を洗い、マネージャーとしてテレビ局と劇団の間で苦労する大正生まれの戦中派……病が進行しているものだから、最終回のあたりははっきりと死相がうかんでいる。しかし役にほれこんで病院を抜け出して演じきった役者魂がすばらしい。倉本はこのように、緒形拳、田中絹代、加東大介、大友柳太朗に死に花を咲かせている。

Natsujunko02 にしても、全26回が普通だった昔のドラマを見通すのは、たいへんではあるけれど楽しかった。役者のチームワークがどんどんよくなっているのが肌で感じられるし、中条静夫が演じたテレビ局の中間管理職があまりにおかしい(「困っちゃうんだよなーまったく」)ものだから、役がふくらんでいく経過が歴然。これはもちろん、加東の病をフォローするためでもあったろうが。

三十五年前の世相もなつかしい。みんながみんな盛大にタバコを吸うし、皮肉まじりでありながらもどこか男尊女卑の雰囲気も残っている。時代は、はっきりと変わったわけだ。思いっきりディレクター役の演技が固い蜷川幸雄が、演出の大御所になってしまうぐらい時間がたっているのだからそれも当然か。矢崎滋も、髪がフサフサしてるしねえ。

※「勝海舟」には忘れられないシーンがある。渡哲也が病気で降板し、あとをついだ海舟役の松方弘樹に、友人役の江守徹が囲炉裏端でしみじみ語る。

「これまでのことをさ、福沢とかいうヤツがいろいろと批判しているらしい。でもな……」

大河ドラマとは、“偉人”を総出演させることで成立していると思っていたので、こんなツイストに中学生だったわたしはいたく感激した。ドラマってこんなこともできるんだと思いましたよ。

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「チェーン・ポイズン」 本多孝好著 講談社刊

2009-06-10 | ミステリ

Chainpoison01 講談社100周年記念出版第一弾。
「MISSING」「ALONE TOGETHER」「MOMENT」以降、不調をきわめていた本多の復活がまずはめでたい。死を望み、猶予として一年間を生き続ける女性と、そんな彼女の生を追う雑誌記者(この時点でちょっとひねってあるのだが)。ミステリとしてはもちろんだが、自殺に向かう人間の心理をとにかく丁寧に描いていてうまい。作品のキーとなる人物(ネタバレになっちゃうかなあ)が絶望のことを「贅沢なフィクション」と表現するあたりも実は伏線になっている。娘の死によって、遺された家族がどう衰弱していくかはリアルです。わたしが言うんですからまちがいありません。

「私も、たとえば高校時代の自分は嫌いじゃないが、高校時代の自分が今の私を見たら、間違いなく殴りかかってくるだろうね。どうしてそんな薄汚れた大人になったんだって」

「それに対して、どう答えるんです?」

「どうも答えやしないよ」

と俺は言った。

「殴りかかられたら黙って殴られて、それから黙って殴り返すだけだ

……セリフのうまさも本多らしい。長らく寄り道をしてきた彼だけど、ミステリ色を強めることでこれだけの作品が完成するのだから、推理小説作家として突っ走ってほしい。叙述トリックも今回はいい感じだぞ。がんばれ本多。はたらけ本多

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