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YouTube: Bruce Springsteen - The River
PART3はこちら。
石油資源のない日本が、二酸化炭素削減もあって(どう考えても後付けの理屈)原子力に頼ろうとした気持ちはわからないではない。でも、わたしが子どものころからあふれるほどの宣伝費をかけて(学校にどれだけ原発推進パンフレットが配られたことか)原子力礼賛を“しなければならない”ほど、実は理屈のたたない話でもあった。
まず、事実上唯一、原爆を投下された国に原発を根づかせようとしたあたりが無理筋。だから地元の自治体や国民に徹底的に原発安全神話をたたきこむ必要があったし、なにより大きな不幸は、電力会社自身もその神話を信じこんでしまったことだ。
そして、わたしがこだわるのは“順序”。
消費税が導入されたとき、そりゃあ卑怯だろうと思った理屈がある。消費税によってこれだけの税収があります、反対派の方々はどうやってこの税収を確保するつもりなんですか?と(旧)大蔵省の職員が「朝まで生テレビ」で主張していた。
わたしは消費税増税は仕方ないと考える人間だけれど、この主張はやっぱり順序が違う。消費税導入を見越して他の税を軽減したのに、それをどう補償するのか、は理屈としておかしい。同じことが原発がらみにも言えて、太陽光などの自然エネルギーはまだまだ不安定で、電力を下支えする能力はないとしても、自然エネルギーの開発に向かうべき予算を食いつぶして原発を推進してきたくせに、原発がなければ日本が立ちゆかないとの主張は順序が違うだろう。
原発をすぐに全部廃炉にしろと言うつもりはない。それだと、利権集団だけでなく地元民にも影響は大きいだろうし。しかし少なくとも自然エネルギーによる発電比率の数値目標をかかげ(もうやってたっけ)、商売として成り立つ方策をすすめるべきだし、その方が日本の経営者たちの大好きな「将来性」ってやつに富んでいるではないか。
最後にマスコミにひとこと。電力会社の広告費は確かに圧倒的。でも、めげずに冷静な報道をつづけてほしい。正力松太郎によって原発が日本に根づいたのだから(佐野眞一「巨怪伝」参照)、読売が及び腰なのはしかたない。でも朝日は?うーん、あそこもむかし、社説で原発を容認してたしなあ……
このシリーズ最後の一曲はブルース・スプリングスティーン「The River」若かった妻の、濡れた身体の想い出が男を苦しめる……こんな歌が爆発的に売れた80年代。