法事に出る父親を送って余目へ。迎えに行くまでの時間で観ることができる映画は……あ、鶴岡まちなかキネマの「クレアモントホテル」がぴったりだ。祝・開館一周年!おー、駐車場がほぼ満杯ではないか。
「『クレアモントホテル』をお願いします」
「12時20分の回ですね?」
「え。」
しもーたー。今日から時間が変わっているんだった。
「す、すいません。今からでも『パイレーツ・オブ・カリビアン』入れます?」
ということで大ヒットシリーズ最新作を期せずして見ることになりました。
スペインのカディスがオープニング。3Dならではのショッキングシーンで観客に「お久しぶり」とごあいさつ。舞台をロンドンに移して、今度は英国王とジャック・スパロウの奇妙な会談で笑わせ(やけにふたりともスイーツにこだわるのがおかしい)、怒濤の脱出劇。
イギリスとくればあの人でしょ、という特別出演に苦笑。今度のエージェントに、Mはずいぶんと優しいぞ。おまけにパブではまたしても親父役でキース・リチャーズが。おいおいセリフが長い。字幕版だったらハラハラしたかも。ジョニー・デップがこれまでより小ぎれいになっているのも笑わせてくれます。
そして、スペイン・イギリス・海賊が三つどもえで『生命の泉』へのレース開始。三者の目的がそれぞれ違っているのが渋い。ストーリーはこれまでよりずっとシンプル。お宝(聖杯、人魚の涙、お約束の地図)の争奪戦。
ディズニーランドのアトラクションのように、闘いは常に不安定な足場で行われ、ハンス・ジマーのテーマソング(大好き)とあいまってゾクゾクさせてくれる。特に人魚の襲来は屈指の名シーン。
“このシリーズが常に大ヒットするのは、面白すぎないから”→ドラマなど二の次で見せ場の連続でしのぐ……という法則は今回破られたので、興行成績はどうなるものだか。もっとも、峰不二子的役柄のペネロペ・クルスはデップに「これが最後だなんて思わないでよ!」って言ってますけど。
元同僚が娘さんと次の回を観るためにロビーで待っていた。
「どうだった?」
「これまででいちばんだったよ」
元同僚以上に、娘さんが期待に目を輝かせていた。いいことしたな。一周年記念のスイーツもいただいたので、まちキネの宣伝にわたくしも貢献させていただきました。