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儀式が終わり、神主さんをかこんで氏子たちは(その瞬間から仮殿となった)公会堂で宴会。
「ご神体って、なんだろのー」
結局わたしたちはそのご神体を拝見することはできなかったので。
「なんだんがなあ(なんなのかなあ)」
「鏡だろ?」とわたし。
「鏡ぃ?オレは石だど思う」
「剣でねーがなー」
わたしたちは三種の神器か何かと混同している。
「なんだよおめーら見たことないのか」近所のおっさんは自慢げ。
「あるわげねーじゃん。……あんな?」
「子どものころ、ちょっと開けで見だ」罰当たりだなー。
「で、なんだったな」
「人形だっけ。細身の。ほれ、オークニヌシノミコトみでーだ格好の」
「へー」
基本的に、ご神体を拝めるのは神主さんと氏子総代だけなんだとか。その、神主さんととっぷし話すことができたのでご紹介。この人、実はわたしの親戚なのである。
「ご神体ってのはね、その神社の成り立ちでそれぞれ違うんだ。それに、分かれたり統合したりするもんだから、すごいのになると三つもご神体があるところも。」
へー。
「伊勢神宮が二十年ごとに建て替えるのってのもさ、確かに金のかかる話だけど、そうしないと宮大工の技術が継承できないってこともあるんだよ」
なるほど。わたしたちは数世代に一度遭遇するだけの神社の建て替えも、神道という業界にとってはルーティンなわけだ。お勉強になるなあ。