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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「パシフィック・リム」Pacific Rim (2013 WB)

2013-08-21 | 洋画

Pacificrim2 ギレルモ・デル・トロが怪獣映画を撮る。

もうこれだけで期待に胸がブレストファイヤー。絶対に見逃すものかと心に決めた。

ところが、期待が先走りすぎてどんどん不安になってくる。だって、“あまりにもこちらがこうなってくれたらいいと思うような”展開になるので。そこまでリクエストにお応えしてくれなくても……

それに、ストーリーにはやっぱり無理がある。

・太平洋沖の海底に異次元とつながる裂け目ができて、そこから怪獣がわらわらと登場ってのはどうも。グリッドマンじゃないんだからさあ。

・怪獣を迎撃する巨大ロボの操縦は二人一組。うん、合体はウルトラマンA(こちらも男女合体ですよっ)やバロム1でおなじみだしな。でもお互いをシンクロさせる“ドリフト”にもうちょっと芸があってもよかった。

・その巨大ロボの操縦士がひとりケガをしたからといって、司令官みずから命をかけて出撃するってのはどうなの?日本の特撮ものが大好きなギレルモよ、日本の特撮ものの欠点(玉砕覚悟)までまねしなくていいのに。

・ピンチになると「冷凍攻撃だ!」「“ソード”を使え!」「エルボーロケット!」って、なんでいちいち技の名前をクチに出すんですか(笑)。それにそんな文字どおり奥の手があるんなら最初から使えよ。日本の特撮ものの欠点~(以下同文)。

……しかしそんなことは途中からどうでもよくなった。わたしたちが想像するよりもうワンランクもツーランクも巨大な怪獣をほんとうに出現させ(それくらいの迫力)、迎撃ロボットはきちんと使いこまれた質感があり、マニピュレイターにはちゃんと油がさしてある。

ギレルモのことだから「パンズ・ラビリンス」の“あいつ”とそっくりな怪獣ももちろん登場、おまけに怪獣より怖いルックスのロン・バールマンが最後に……あああ天国です。

献辞が捧げられている本多猪四郎監督(旧朝日村出身)、毛唐もついにゴジラの心がわかる映画を撮るようになったんですよ。天国で観ていただけましたかー。

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明細書を見ろ!2013年8月号~削減決定。

2013-08-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

World_war_z1920x1080730x400 2013年6月ボーナス号~「未曾有の人」はこちら

報道その他でご存じのこととは思いますが(いや、油断はできない)、あなたの給料は、来月から減ります。確実に減ります

その理由はこれまでお伝えしてきたように、国が地方にまわす交付税を削減してしまったからで、さあ問題はその額です。ちょうど明細書がお手元にあるでしょうから計算してみましょう。職によって削減率が違っています。

◆校長(教育職4級)………………9.77%

◆教頭(教育職3級)………………7.7%

◆教諭、養護教諭(教育職2級)…4.6%

◆講師、養護助教諭(教育職1級)4.6%

◆主事(行政職1級)………………4.6%

期間は来年の3月まで。その額は、管理職や行政職をのぞけば、いちばん左上の

【給料・議員報酬・報酬】

欄の額を1.04で割り(教育調整額4%が含まれているから)、上記の削減率をかければわかります。たとえば2級120号給の人を例にとってみましょう。この人の給料欄には

【413088】

と印字されています。これを1.04で割ると

【397200

削減率の4.6%を乗ずると

【18271】

これが減額されるわけ。7か月間。ぬぁあああにぃ!と怒るのもわかりますが、いちおう事務だよりなのでこれだけは言っておかなくては。

◆事務主査(行政職5級)…………7.7% ぬぁあああにぃ!

さて、それでもこれはだいぶ譲歩された削減なのです。交付税の削減とひとくちに言いますが、小中学校の教職員給与は、実は1/3が国費。その関係もあって計算はめんどくさい。でもざっくりと表現すれば、山形県については約57億円が減額されたと言われています。

だから県は(他の多くの県がやったように)、国の削減幅に見合った削減提案を行いました(6月28日)。

この提案はだからかなり現行のものとは違いました。

◆削減幅がそれぞれ4.77%、7.77%と大きい(9.77の部分はいっしょ)。

◆期末勤勉手当を5%削減する。

◆給料の減額によって、それに付随する手当(教職調整額、へき地手当、へき地手当に準ずる手当など)も連動して下げる。

きわめつけはこれ↓

◆条例の施行が遅れても(年度をまたいでも)9か月間の削減を行う。

……おいおいいくらなんでも、ということで労働組合とのバトルが開始されました。以下次号。

※当初提案そのままだった場合、さっきの2級120号給の人の削減額は

【18946】

になります。あんまり変わらないじゃないかって?よく考えてみてください。決着したのは18271円×7=127897円。当初提案は18946円×9=170514円プラス教職調整額&へき地手当&ボーナスのカットなんですよ。いかに大きな差か。

画像は「ワールド・ウォーZ」パシフィック・リム

きちんとした社会人なら、この夏「風立ちぬ」を見て結核文学とゼロ戦の融合という宮崎駿の離れ業を味わうか、「終戦のエンペラー」で昭和史の裏面に考えこむかでしょう。でもろくでもない学校事務職員が選択したのは大予算ゾンビ映画と円谷もびっくりの怪獣映画でした。

いいんだいいんだ。特に「パシフィック・リム」は、山形県が生んだ怪獣映画のマエストロ本多猪四郎監督(旧朝日村出身)に捧げられているし、ゴジラのスーツアクターだった中島春雄(中島精肉店出身)の地元なんだから応援しなくては。

2013年9月号~「削減スタート。」につづく

Pacificrimmovie

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山椒大夫を検証するPART4

2013-08-19 | 映画

E0265867_17515746 PART3はこちら

いたいけな兄妹が十年たってどうなっているかというと、妹は純粋なままだが、兄はすっかりやさぐれていて、どうせここからは逃げられないんだと自棄になっている。理想主義者だった父親とはかけ離れてしまったのだ。

で、この山椒大夫にこきつかわれる人間たちにはさまざまな考察があり、彼らは課税を免れるかわりに賦役を負うという意味ではっきりと奴隷。では山椒大夫の方は?どうやらサンショという言葉にヒントがあり、差別がからんだ歴史的背景があるようだ。

だから原作では安寿と厨子王は心理的、社会的要因で囲い込まれているわけだが、映画では物理的に柵で囲われていて逃げ出せない、と絵解きしている。しかも脱走を図ると焼きごてを額に押し当てられる残虐ぶり。あまりにも因業な父親に絶望し、兄妹にやさしかった山椒大夫の息子、太郎は姿を消す。

ある日、佐渡からやってきた少女が、歌を口ずさんでいる。

♪安寿恋しや、ほうやれほ

厨子王恋しや、ほうやれほ♪

安寿が娘を問い詰めると、これは佐渡の流行り歌だという。ある遊女が唄っていたものだと。母親だと直感した安寿は、脱走を決意し、兄に話をもちかけるが、やさぐれ厨子王はのってこない。

しかし、脱走を図ったを、痛めつけたうえに捨ててくるという汚れ仕事を命じられ、ついに逃げ出す決意を……遅いです厨子王

ここからがこの映画のキーポイント。安寿は、兄の命を救うために、自分は後から追うと先に行かせる。実は彼女はつかまることを覚悟しており、追っ手を攪乱したあとに湖に入水する。

その純なる献身の心を象徴するかのように、このシーンの美しさはとてつもない。撮影の宮川一夫は、奥行きを出すために手前の竹に薄墨を塗ることまでしている。

「安寿と厨子王」の物語は、典型的な貴種流離譚の体裁。高貴な生まれの人間が、艱難辛苦の果てにその高貴さを取り戻す流れだ。しかしそのための犠牲というには安寿の死はいかにも重い。これが子ども向けのストーリーでもあるというのが信じられない。むかしの子どもは、物語の咀嚼力が強かったのかなあ。以下次号

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八重の桜~第三十三話「尚之助との再会」

2013-08-18 | テレビ番組

20110912_1647906 第三十二話「兄の見取り図」はこちら

前回の視聴率はやはり少し下がって13.9%。そんなものかな。

さて、今回はどんなときも自分のどりぃむに向かって突き進む強い女性である八重をめぐるお話。

日本初の公立女子高等教育の場である女紅場の舎監となった彼女は、予算増を府知事に直訴する。いくら顧問の妹とはいえいいのか(笑)。彼女から逃げた槇村は山本家のおとなりで牛鍋をつついていたりする。なんかこのあたりは、政治的苦況を逃れるために失神する三条実美とシンクロしていておかしい。篠井英介はこの役をやるためにいるような人なので笑える。

男たちはパワーゲームに淫していて、自分たちが廃したはずの藩閥意識からどうしても逃れられない。土佐と佐賀には政治を任せられないとする大久保利通がその代表のように描かれていて、そう話は簡単ではなかったはずだがとちょっと不満。

征韓論が無理筋なのは西郷も理解していた、という「翔ぶが如く」を経過したあとだからもうひと工夫あってもよかったか。

無理筋といえば尚之助との再会は苦しい。未来に向かう八重との結婚が誇りだったという尚之助は、浅草で寺子屋のお師匠さんになっている。教え子に変な妄想を抱いていないといいけど。

「もう、ここに来てはいけません」

と突き放す元夫。号泣する元妻……ここはさすがにしんどいところでは、と思ったらとなりで見ていた妻は感動している。

「この人はね、死ぬのよ。もう長くないの」

すげー脚本を書いてますうちの奥さん(笑)。まあ、戊辰以降は謎の多い人だから間違いとも言い切れないのでしょうが。

江戸幕府を倒した元勲たちは、仲間割れし、多くは強引な形で歴史の表舞台から消えていく。しかしその前に、自分の身の丈はここまでだ、と自ら隠遁していった人も多かった。ニヒっちゃうわけね。おそらくは勝海舟の心の底にもそのニヒリズムはあったはず。だからこそ彼は新島襄のどりぃむに……

さあ世の女性たちは今回のメロドラマをどう受け取っただろう。視聴率的にはやはり13%台でしょうか。

第三十四話「帰ってきた男」につづく

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山椒大夫を検証するPART3

2013-08-17 | 映画

Sanshothebailiffimg02 PART2はこちら

ひとつ気づきませんか。原作では安寿が姉で厨子王が弟という設定。でも映画では兄と妹ということになっている。これがどう影響するかというと、

の庇護によって脱出に成功する弟」

よりも

の自己犠牲によって命を長らえる兄」

の方が悲劇性が増すと計算したのではないだろうか。それとも、成長した安寿役に香川京子を選んだのが影響しただけかな。

一行はしかし宿をみつけることができない。しかたなく野宿の準備をしているところへ巫女の姿をした老婆があらわれる。演ずるは毛利菊枝。ここが凄いんですよ。

笑みをうかべる彼女は人買いの一味。だから親子を見て「いい獲物だ」と喜悦の表情をうかべる。その笑いが微妙で怖いったら。むしろ母子を別々に舟に拉致する野卑な男たちの方が単純で安心できるくらいだ。俳優になんの指導もせず、満足するまで何度でも演技させた溝口健二の真骨頂がここに。

作品の背景となった時代には、もちろん人権などかけらもなかった。人命が圧倒的に軽く、消耗品あつかいだったことを差し引いても、巫女の邪悪さはきわだっている。

かくて母は佐渡へ、兄妹は丹後に売り払われる。女中は川に落とされて絶命。絶望の時代。しかしほんとうの地獄はそこから待っていた。母は遊女として籠の鳥となり、兄妹は肉体労働者として山椒大夫(進藤英太郎)に搾取されまくり。

そして、十年がたつ。

厨子王は津川雅彦から花柳喜章に交代。ぜんぜん知らない役者だったけれど、新派の人みたいだ。もっさりした感じなので、子役時代の津川とフィットしていないのはご愛敬。

安寿は先ほども紹介したように香川京子。ため息がでるほどの美しさ。こんな美女に機織りをさせておくほど山椒大夫には見る目がなかったわけだ。この作品における香川京子は、長澤まさみをもうワンランク綺麗にした感じ。女優を美しく撮ることでも溝口健二は一流であることを証明している。以下次号

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「ワールド・ウォーZ」 World War Z (2013 パラマウント)

2013-08-16 | 洋画

Worldwarzimg01 かつて「バイオハザード」を特集したとき、ゾンビフィルムの特徴をまとめてみた。

1.ヴァンパイアムービーのノウハウを継承できる

2.特に、さっきまで仲間だった人間が一転して襲ってくる恐怖を描くことができる

3.アンデッドだから、笑っちゃうぐらいグロテスクなメイクをしても可

4.同じくアンデッドだから、いくら殺しても倫理的な反撥を逃れうる

5.ジャンルムービーなのでビッグスターを使わなくてもすむ

6.必然的に製作費が安くあがる

……ところがこの作品はいくつかの点で違っている。そら恐ろしいほどに違っている。なにしろ主演がブラッド・ピットだし、製作費は2億ドルもかかっているのだ。

しかも、とにかくアンデッドたちの動きが速く、「生ける屍の死」を嚆矢とする“不自然であるがゆえにユーモラスで、しかも怖い”というゾンビ像から遠く離れている。

特にすごいのがエルサレムにおける高い塀によじのぼるシーン。わらわらわらとゾンビが集合し、人間(じゃないけど)ピラミッド型にゾンビ山が築かれていくのには笑った。モデルは明らかに蟻。「天空の城ラピュタ」のムスカのように「人間(じゃないけど)がゴミのようだ」と上から目線で語りたくなってしまいます。

金がかかっているからゾンビをすばやく描くことができたのか、速いゾンビを描くために製作費が高額化したのかは判然としないが、ゾンビ映画を違う地点にまで引き上げたのは確か。ただし、「ゾンビランド」のようにジャンル自体をパロディ化しているわけではなくて、あくまでストレートな恐怖譚にしているので油断しないように。

もっとも、「母なる自然は連続殺人鬼でもある」とご託宣をならべる若き学者が、あっという間に死んでしまうなど、多少のオフビートさはブラピの作品らしい。エルサレムの描写に政治的意図を感じる人もいるでしょうしね。

局地戦に矮小化されがちな作品が多いなかで、確かに「世界大戦」を名乗るだけのスケールを誇り、考え抜かれたサバイバル術などもさすがの出来。一級の娯楽作。にしても、いちばん不思議なのは誰がブラピをゾンビ映画に出演させたかだな。あ、プロデュースはブラピ自身か。お好きだったんだね(笑)

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山椒大夫を検証するPART2

2013-08-15 | 映画

Soseki PART1はこちら

この「安寿と厨子王」をベースに、文学作品として昇華させたのが森鴎外の「山椒大夫」。わりにオカルティックなところ(仏像のおかげでケガがみるみる快癒するとか)もあるお話を、“献身”というテーマのもとに飾りをそぎ落とした作品になっている……んだそうです。お恥ずかしい話だけれど、わたしは読んでいません。鴎外はどうも小難しいんだよなあ(青空文庫でようやく拝読)。

その鴎外が主眼としている「献身」とはどんなことかというと、姉の安寿が弟を逃がすために自己犠牲になる部分。山椒大夫の手下に拷問を受けて死んでしまう彼女の心に普遍的価値があると踏んだようだ。

さて、今度はその鴎外バージョンの安寿と厨子王の物語を、大映で映画化したのが世界の溝口健二。これが、傑作。

格調高いタイトルのあと、よくわからない輪のようなものが映る。いったいこれは何だろうとあとから調べたら、平安時代以前からある寺の礎石ということだった。つまり、これは大昔のお話ですよという宣言であると同時に、寺があとで大きな意味をもってくる伏線でもある。無機質なオブジェがなにごとかを語りかけてくるようだ。開巻から、うまい。

越後の山道を歩く一行の描写。高貴な一族であることがわかる。母親の玉木(田中絹代)、兄の厨子王(加藤雅彦、のちの津川雅彦)、妹の安寿、そして女中の姥竹(浪花千栄子)の四人。子どもたちは「父上に会える!」とはしゃいでいるが、母と女中は陰鬱な表情だ。

この、まったく笑顔を見せない能面のような田中絹代がすばらしい。声も低く抑え、まもなく始まる悲劇を予感させる。撮影前、田中は溝口から肉食を禁じられていたとか。あいかわらず無茶しますこの監督。

道々、父親(清水将夫)がどうして遠くにいるのかが明らかになる。太守として善政をしいていた彼は、理不尽な課税を拒否して(領民からはリスペクトされるものの)、将軍からにらまれ、左遷させられたのである。以下次号

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山椒大夫を検証するPART1

2013-08-14 | 映画

Sanshothebailiffimg01 「『山椒大夫』って、どんな話なんですか」

「安寿と厨子王だよ。聞いたことないかなあ」

「ぜんぜんないです」

「こどもの頃に絵本で読まなかったかあ」

うーん、若手の認識にはびっくりだ。なかには

「このタイトルですけどね、おれ読めないんですけど」

「……」

『あんじゅとずしおう』とはこんなお話だ。

永保初期(11世紀末)、陥れられて西国へ追放となった奥州陸奥国の大守、岩城判官正氏のあとを追って旅立った妻は佐渡へ、安寿姫と厨子王丸の姉弟は丹後へ売られてしまった。

姉弟は残忍な山椒太夫に酷使されながら逃亡の機会を見つけたが、弟を逃がすため安寿姫はつかまって殺されてしまう。無事のがれた厨子王丸はのち京に出て養子となり、やがて父の罪も許されて、丹後・越後・佐渡領域をいただいた。

そして丹後におもむき、山椒太夫を死罪にした厨子王丸は、佐渡へ旅立ち、母を訪ね歩いた。道端で鳥追いの老女が “安寿恋しやホウヤレホウ厨子王恋しやホウヤレホウ鳥も情あるものなれば追わずとも去れやとうとうに“と歌っていた。それは、なつかしい母の変わり果てた姿であった。

~上越市ホームページより~

えーと、正直に言うとわたしもストーリーはすっかり忘れておりました。確か舟が出てくるんだとか、老婆が最後に出てくるはずだとか、断片しかおぼえていない。えらいことは言えません。

さて、この物語は中世に成立した伝説をもとに子ども向けにアレンジされたもの。だからさまざまなバージョンがあるようだ。

それにしても意外にスケールの大きな話。陸奥(平安時代は青森~岩手~宮城~福島を包括していた)から新潟へ、新潟から丹後(京都北部)、最後には佐渡にもどる展開。絵本の印象だとちまちましたお話だと思っていたのだけれど。

それに、よく考えたら佐渡だの拉致だのって、このお話はあまりに……以下次号

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お盆2013

2013-08-13 | 日記・エッセイ・コラム

2012年版はこちら

Ncm_0436 さあ恒例の牛と馬。今年は茄子の出来がよくなくて、果たしてご先祖様が乗れるレベルのが穫れるかハラハラ。でもなんとかかんとか。

サカキ、人参、とうもろこし等を使用しております。今年はお箸がちょっとこしゃくな形だったので、牛の脚がガンダムっぽくなったあたりを気に入ってます。

2015年バージョンにつづく

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八重の桜~第三十二話「兄の見取り図」

2013-08-11 | テレビ番組

Ne2bsv55ko 第三十一話「離縁のわけ」はこちら

前回の視聴率は予想以上にアップしていて15.4%。世間は「半沢直樹」フィーバー(死語)だけれども立派な数字。

戊辰戦争以来、八重の額には青筋が入りまくり怒りまくりだったので、新展開を視聴者は待ち望んでいたということだろうか。

でも今回も青筋はいってました。会津がまだ逆賊扱いであることに納得できず、兄嫁の存在がどうしても許せないことも相まって。

このまま凶悪な小姑VS貞淑な兄嫁という展開だと、みんなどんびきするはずなのでハラハラ。ああ、うまくまとめましたね最後には。史実はあまりこの部分は忠実に描かないことにしたのかな。正解だと思います。もしもこのままだったら、会津の名誉を回復する兄の見取り図は成立しても、家庭内の見取り図は……。

学問によって身を立てよとする覚馬の方針に、西郷隆盛の問いに答える知識がなかったことで八重は納得。会津の本陣において、容保(幻影)に頭を下げる際に、男性である兄よりも三歩下がらなければならない会津の(同時に日本全国の)女性の地位を絵で見せたこととあいまってうまい。

岩倉使節団(烏帽子をとると小堺一機はすっかりいつもの小堺で笑えます)とアメリカの交渉の通訳として新島襄登場オダギリジョー(じょうが多すぎ)。木戸孝允と大久保利通の衝突を醒めた目で見ている。木戸からは官僚にならないかと誘われまでする。そうか、こんな形で歴史に登場するんだ。世が世なら国外脱出者だから大罪人なのにね。

次回からは女性の寄宿舎篇に。なんか、おじさんとしては期待しちゃうけどそんなパターンにはならないですわね、ってどんなパターンだよ。視聴率は少し下がって14%台と読みました。それとも、半沢直樹とお盆のおかげで在宅率が高くてもっと上がるだろうか……で、来週のタイトルは?え、「尚之助との再会」?!うわー。

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