もうこれだけで期待に胸がブレストファイヤー。絶対に見逃すものかと心に決めた。
ところが、期待が先走りすぎてどんどん不安になってくる。だって、“あまりにもこちらがこうなってくれたらいいと思うような”展開になるので。そこまでリクエストにお応えしてくれなくても……
それに、ストーリーにはやっぱり無理がある。
・太平洋沖の海底に異次元とつながる裂け目ができて、そこから怪獣がわらわらと登場ってのはどうも。グリッドマンじゃないんだからさあ。
・怪獣を迎撃する巨大ロボの操縦は二人一組。うん、合体はウルトラマンA(こちらも男女合体ですよっ)やバロム1でおなじみだしな。でもお互いをシンクロさせる“ドリフト”にもうちょっと芸があってもよかった。
・その巨大ロボの操縦士がひとりケガをしたからといって、司令官みずから命をかけて出撃するってのはどうなの?日本の特撮ものが大好きなギレルモよ、日本の特撮ものの欠点(玉砕覚悟)までまねしなくていいのに。
・ピンチになると「冷凍攻撃だ!」「“ソード”を使え!」「エルボーロケット!」って、なんでいちいち技の名前をクチに出すんですか(笑)。それにそんな文字どおり奥の手があるんなら最初から使えよ。日本の特撮ものの欠点~(以下同文)。
……しかしそんなことは途中からどうでもよくなった。わたしたちが想像するよりもうワンランクもツーランクも巨大な怪獣をほんとうに出現させ(それくらいの迫力)、迎撃ロボットはきちんと使いこまれた質感があり、マニピュレイターにはちゃんと油がさしてある。
ギレルモのことだから「パンズ・ラビリンス」の“あいつ”とそっくりな怪獣ももちろん登場、おまけに怪獣より怖いルックスのロン・バールマンが最後に……あああ天国です。
献辞が捧げられている本多猪四郎監督(旧朝日村出身)、毛唐もついにゴジラの心がわかる映画を撮るようになったんですよ。天国で観ていただけましたかー。