2013年6月ボーナス号~「未曾有の人」はこちら。
報道その他でご存じのこととは思いますが(いや、油断はできない)、あなたの給料は、来月から減ります。確実に減ります。
その理由はこれまでお伝えしてきたように、国が地方にまわす交付税を削減してしまったからで、さあ問題はその額です。ちょうど明細書がお手元にあるでしょうから計算してみましょう。職によって削減率が違っています。
◆校長(教育職4級)………………9.77%
◆教頭(教育職3級)………………7.7%
◆教諭、養護教諭(教育職2級)…4.6%
◆講師、養護助教諭(教育職1級)4.6%
◆主事(行政職1級)………………4.6%
期間は来年の3月まで。その額は、管理職や行政職をのぞけば、いちばん左上の
【給料・議員報酬・報酬】
欄の額を1.04で割り(教育調整額4%が含まれているから)、上記の削減率をかければわかります。たとえば2級120号給の人を例にとってみましょう。この人の給料欄には
【413088】
と印字されています。これを1.04で割ると
【397200】
削減率の4.6%を乗ずると
【18271】
これが減額されるわけ。7か月間。ぬぁあああにぃ!と怒るのもわかりますが、いちおう事務だよりなのでこれだけは言っておかなくては。
◆事務主査(行政職5級)…………7.7% ぬぁあああにぃ!
さて、それでもこれはだいぶ譲歩された削減なのです。交付税の削減とひとくちに言いますが、小中学校の教職員給与は、実は1/3が国費。その関係もあって計算はめんどくさい。でもざっくりと表現すれば、山形県については約57億円が減額されたと言われています。
だから県は(他の多くの県がやったように)、国の削減幅に見合った削減提案を行いました(6月28日)。
この提案はだからかなり現行のものとは違いました。
◆削減幅がそれぞれ4.77%、7.77%と大きい(9.77の部分はいっしょ)。
◆期末勤勉手当を5%削減する。
◆給料の減額によって、それに付随する手当(教職調整額、へき地手当、へき地手当に準ずる手当など)も連動して下げる。
きわめつけはこれ↓
◆条例の施行が遅れても(年度をまたいでも)9か月間の削減を行う。
……おいおいいくらなんでも、ということで労働組合とのバトルが開始されました。以下次号。
※当初提案そのままだった場合、さっきの2級120号給の人の削減額は
【18946】
になります。あんまり変わらないじゃないかって?よく考えてみてください。決着したのは18271円×7=127897円。当初提案は18946円×9=170514円プラス教職調整額&へき地手当&ボーナスのカットなんですよ。いかに大きな差か。
画像は「ワールド・ウォーZ」「パシフィック・リム」
きちんとした社会人なら、この夏「風立ちぬ」を見て結核文学とゼロ戦の融合という宮崎駿の離れ業を味わうか、「終戦のエンペラー」で昭和史の裏面に考えこむかでしょう。でもろくでもない学校事務職員が選択したのは大予算ゾンビ映画と円谷もびっくりの怪獣映画でした。
いいんだいいんだ。特に「パシフィック・リム」は、山形県が生んだ怪獣映画のマエストロ本多猪四郎監督(旧朝日村出身)に捧げられているし、ゴジラのスーツアクターだった中島春雄(中島精肉店出身)の地元なんだから応援しなくては。
2013年9月号~「削減スタート。」につづく。