事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2013年11月号~総務部長

2013-11-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Hanzawaimg01 2013年10月号「人事委員会」はこちら

給料が削減されて3回目の給料日。みなさんいかがお過ごしですか。この削減が、紆余曲折のはてに来年3月まで継続する建前であることは前にもお知らせしました。同様に、それ以降どうなるのかはさっぱりわからないとも。

現在、この問題については労使のあいだで壮絶なやりとりが続いており……と他人事のように言っていますが、13日に県庁で行われた総務部長との交渉に参加してきましたのでちょっと報告。

県の総務部長といえば、知事・副知事につづく県庁ヒエラルキー№3。この職には霞ヶ関のキャリアが出向していることが多く……

ああああやっぱりやばすぎてネットにはとてもとても。ところが、今日の読売地方版にはなんと18日の知事の会見を受けて

「9月分から職員給与を平均7.2%引き下げているが、今年度限りとする方針だ」

とベタ記事で。これが単に書き飛ばしかスクープかは微妙。後追い記事はあるかな?

画像は「出向」がらみで半沢直樹。実は一度も見ておりません(笑)。土下座は嫌い。

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「清須会議」 (2013 東宝=フジテレビ)

2013-11-18 | 邦画

20130701_02_04 さすがに、独白形式の原作よりもはるかにコクがあり、三谷映画のなかでもっとも出来がいいと思う。

役所広司、小日向文世、佐藤浩市、寺島進といった実績十分のくせ者俳優たちが期待通りの熱演。妻夫木聡はバカ殿を気持ちよさそうに演じているし、ちょっとネタバレだけれどさすが武田信玄の娘らしい腹黒さを見せた剛力彩芽を初めていいと思った。邪悪な役をやればいいんだよね彼女は。

あて書きが得意で、しかも歴史オタクである三谷にとって、キャスティングから天国のような作業だったろう。武将に勝手なキャラ付けをかませるのだから。

物語の芯は、毛深く、脂性で、洗練とは無縁の男である柴田勝家(役所広司)と、裏工作によって会議をひっくり返す寝技の男、豊臣秀吉(大泉洋)の激突。

柴田には盟友である丹羽長秀(小日向文世)がつき、秀吉には黒田官兵衛(寺島進)という有能なアドバイザーがいる。利にさとい池田恒與(佐藤浩市)はふたりの間をゆれ動き……

時代が、戦地の男から奸智の男に傾斜していく過程のお話なので、役所広司としては損な役どころ。しかしそれを差し引いても大泉洋のすばらしさが圧倒している。

愛敬のかたまりであることと、腹の底にどす黒いものをかかえていることの両立を、これほどみごとに演ずることができるとは。お得意の大宣伝攻撃(今回もかましてますねえ)のためだけに彼をキャスティングしたんじゃないと納得。

歴史好きの三谷幸喜のことなので、登場人物のルックスを肖像画に近づけているのがおかしい。明智光秀ははげチャビンだし、織田家は鼻、木下家は耳が強調されております。

三谷作品恒例の特別出演は「ステキな金縛り」の更科六兵衛そのまんまで登場する西田敏行が「それを言うか」なセリフで笑わせてくれるんだけど、あの“黒い人”は山口智充じゃないんですか。ネットでもさっぱり出てこないので不安。見間違いかなあ。

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八重の桜~第四十六話「駆け落ち」

2013-11-17 | テレビ番組

Sutematsu_oyama_in_evening_dress 第四十五話「不義の噂」はこちら

前回の視聴率はめずらしく的中して12.8%。でも視聴率オタクとしては、裏番組の「イッテQ!」におけるイモトのマナスル登頂がいかにすごかったかを読み切ることができなかったので、むしろ大健闘の数字かと。すごかったらしいですもんねえ。

今回のメインは徳冨蘆花と久栄の駆け落ち騒動。しかしそう見えて実は八重が“母親”としてどう動くかがドラマの柱だ。

庇護者としてふるまっていた久栄から離反される八重。常に正論しか語らない人はどうしてもこうなる可能性が大きい。しかし、はねっ返りの娘に苦労してきた佐久(風吹ジュン)からすれば、さまざまな動きは想定内……なるほど。母親というのはさすがに強いもんですなー。

病に倒れるみねのことも含めて、母親はいろいろなことを真っ正面から受けとめなければならず、格好をつけがちな父親とは覚悟が違う。妻といっしょに見ていなくてよかった。

格好、でいえば久栄との駆け落ちを中途半端にあきらめる徳冨蘆花はしんどい。人間の本当を描きたいと願った彼は、しかし久栄の本当を振り捨てて東京に出て行く。

のちに彼が書いたのが「不如帰」。それが“本当”だったかは微妙。明治人に小説をフィクションとして受けいれる素地があったか、あるいは日本人は様々なことを見立てることが通常だったので、モデルとされた山川捨松(画像)はそのことで苦しんだらしい。

蘆花と蘇峰の兄弟は、苗字の表記まで徳富と徳冨として違っているように、かなりの葛藤があったようだ。わたしの商売としても富と冨の違いにはかなり気を使う。そこにどれだけの本当があるのかはわからないけれど。

実は八重にとって何の動きもない回だったので期待していなかったんです。でも、うまくしのいだなあという感じ。これ、本音です。マナスルもないことだし、視聴率は13%台後半と読みました。函館に旅行したときに紹介された、新島襄密航(あ、渡航だったかな)の場所がドラマにふたたび出てきたのはうれしかった。

第四十七話「残された時間」につづく

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天童の夜

2013-11-16 | 事務職員部報

県事務研ごくろうさまでした。

ま、わたくしの天童の夜とはこのようなものでしたが。

Ncm_0490






















いやいや、このような学習もちゃんとしておりましてよ。

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結局はこういうことでもあったわけですが。

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「42~世界を変えた男~」 (2013 WB)

2013-11-14 | 洋画

42 1945年、それまで“法律”ではなく“慣例”によって(だから強固に)メジャーリーグから排除されていた黒人選手。しかしブルックリン・ドジャースのGM、リッキー(ハリソン・フォード)は、ある意図をもってチームに黒人選手を入れようとする。

選ばれたのは黒人リーグで3割5分の打率を誇った若者……かの有名なジャッキー・ロビンソンのお話。なんかもう、いかにも感動させられそう。「ナチュラル」「フィールド・オブ・ドリームス」「マネーボール」など、野球映画にはさんざん泣かされてきた経験もあるし。で、号泣です。簡単な客。

戦勝にわき、まだドジャースの本拠地がブルックリンにあり、男は帽子をかぶり、女性は手袋を、そしてみんな聞き取りやすい英語を話した幸福な時代。しかしそれは同時に、白人専用のレストランやトイレが存在した、人種差別があからさまだった時代でもある。ジャッキーは

「やり返す勇気ではなく、やり返さない勇気を持て」

というリッキーの言葉どおり、プレーを通じてチーム、観客の偏見をはね返していく。

初めてドジャースのロッカールームに入り、そこに用意された自分のユニフォームを見つめるジャッキー。きっと裏返すと42という背番号にしみじみするんだよな、という予想どおりのベタな展開。そして予想どおりであるからこそ、めちゃめちゃに感動してしまった。フランチャイズのエベッツ・フィールドで、観客からの罵声と歓声にかこまれるシーンでは震えがきましたよ。

実話だから、あまりに劇的にならず、実際のスコアどおりに展開しているのだろう。だから逆に、第一打席の結果など、なるほどとうならされる。なぜリッキーが黒人選手を入団させようとしたかの本当の理由にも納得。「性犯罪特捜班」のステイブラー、クリストファー・メローニが、女関係の派手な監督を演じていてうれしい。

日本におけるアメリカの占領政策がうまくいったのは、野球のおかげではないかという説もある。民主主義を、わたしたちはベースボールで学んだ。心の底に野球が刻まれているからこそ、野球映画はもの悲しいのだろう。

そのベースボールを変えてくれたひとりの黒人のおかげで、黄色いイチローや黒田の活躍がある。野球好き必見。映画ファン必見!

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日本の警察~その63「人質」 佐々木譲著 角川春樹事務所

2013-11-13 | 日本の警察

415tk2ljo0l_sl500_aa300_ その62「教場」はこちら

道警シリーズ最新作。

某政治家(どう考えても鈴木宗男がモデル)の娘が経営する郊外のレストランで、小島百合たち客数名が監禁される。もっとも、犯人たちは逃亡の心配をまったくしない。それはなぜか……。

冤罪について警察、検察は謝罪できないというダークサイドを描く意味で「笑う警官」チームの出動の意味が(笑)。

異端の存在だったはずの佐伯たちが、事件をどんどん解決するうちにまわりから一目置かれるようになっている。これは作者としても痛しかゆしなのでは?

その64「刑事のまなざし」につづく

人質 人質
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-12-17
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明細書を見ろ!2013年年末調整号

2013-11-12 | 明細書を見ろ!(事務だより)

1777_2 2012年年末調整号はこちら

初冬の候、みなさまにおかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げ……てなフレーズが似合う季節は、事務職員にとって年末調整の時期。みなさんがんばって調整してください。

今年は細かいことはなにも申しますまい。というのも、税制も申告書の書き方もほとんど変更点がないからです(正確には、東日本大震災の被災者や、低炭素住宅購入者への控除がありますが)。来年の4月に消費税の増税を控え、国としてはどうか国民に税金のことを意識しないでいてほしいと思っているでしょうしね。

教職員をお得意様にしている某保険会社から、初旬に図書カードを贈呈された人が多いことでもおわかりのように、11月は生命保険の月。自分の保険を見直すいい機会でもあります。まあ、よけいなお世話ですが。

ということでみなさんにやってもらうのは

◆去年記入した平成25年分扶養控除申告書の内容をチェックする。

◆平成25年分保険料控除申告書を記入する(証明書を忘れずに)。

◆住宅ローンがある人は、住宅借入金控除申告書を記入する。

◆平成26年分扶養控除申告書を記入する。

例によってわからなくなったら事務室へ(○島の方々は電話を)。息子の所得を把握しきれず、所得税を追徴されてしまった事務職員を信用できれば、ですけれど(泣)。

11月26日(火)まで、事務室にお願いします。

201308131117941n ※年末恒例とくればミステリのベストテンも。今年は梓崎優の「リバーサイド・チルドレン」と、長岡弘樹「教場」(校長文庫にあります。山形在住のイケメン作家なのでぜひ)の一騎打ちと読みましたが、さて。

2014年バージョンにつづく

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「虐殺器官」 伊藤計劃著 早川書房

2013-11-11 | 本と雑誌

Img_479854_3130816_0 人口筋肉によってカバーリングされた機械、脳の一部を麻痺させることによって罪の意識から逃れる暗殺者、核兵器が実際に使用されてしまったことで、ヒロシマの常識(核は使わないことに意義がある)が通用しなくなった世界……魅力的な世界観にまず圧倒される。

なにより、特定の国において血で血を洗う虐殺が横行するようになる理由がすばらしい。いかにもありそうだし、現実に誰かが研究をしていそうだ。

人間の生死にきわめて意識的な小説。作者の伊藤が闘病しながら執筆したことと無縁ではないだろうが、これがデビュー作とはどんだけ凄いんだか。しかし彼は長篇3作を遺して逝ってしまった。そのDNAを円城塔が継ぐとしても、いかにも惜しい……

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
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八重の桜~第四十五話「不義の噂」

2013-11-10 | テレビ番組

20697 第四十四話「襄の遺言」はこちら

前回の視聴率はついに10.0%まで降下。これまで、視聴率のデータはビデオリサーチ社のサイトでチェックしていたんだけど、もうドラマ部門のトップテンからも外れています(ここに入るといかにもリサーチ的アンケートを要求されるので気をつけてね)。

妻は「日本シリーズのせい?でもBSや再放送があるじゃない」その部分はカウントされないんだということが不満のよう。横綱である大河ドラマはそこを受けとめなくては。

新島八重の生涯で、この部分をこなすのは至難の業であろう兄嫁放逐の回。どう転んでも視聴者どんびき。考えようによっては、だからこそ脚本家の腕の見せどころ。で、きわどい出来です(笑)

時栄の不義は、山本家と同志社にとって大きな打撃。なにより覚馬と時栄の娘、久栄にとってつらい。だからこそ八重が時栄をわざと激しくなじり、時栄は前妻への嫉妬をあからさまにすることによって……アクロバットだなあ。

よく考えてみれば、この理屈は同志社存続と山本家の体面のために二十年も覚馬に仕えた“嫁”を使い捨てにしたことと矛盾はしない。45分間はうまく騙しおおせたと言えるかもしれない。だいたい、キリスト者として個人の幸福を追求することと矛盾する主張を、当の主人公が言わざるをえないのだからハードルは高い高い。

それはしかしかまわない。問題は、このアクロバットをドラマが支えきれていないことの方だ。時栄の「生身の女」であることの艶めかしさは谷村美月がうまく演じている。でも、久栄の方はどうだろう。明らかにミスキャスト。母の不倫を糾弾するには、無垢な娘性(ほんとにこんな言葉はないです)に欠けている。谷村美月とほぼ同級生である門脇麦のキャスティングは、お好きな方にはたまらないだろうけれども、以降の展開のために仕方がなかったのかなあ。

もはやこのドラマの恒例となった『門前での別れ』において、だから今回はグッとくるものがないのでした。

さあ視聴率。もうあの大騒ぎは終わったし、そろそろ最終回も近いので13%前後と読みました。なんだかんだ言って世間は不倫のお話は好きでしょ。だからこんなタイトルにしたのは見え見えですよNHK!

第四十六話「駆け落ち」につづく。ああまたこんなタイトルを……

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「霖雨」  葉室麟著 PHP

2013-11-09 | 本と雑誌

Rinu ふたりの私塾の経営者がいる。ひとりはこの小説の主人公、広瀬淡窓。穏やかな知識人で人望もあり、入塾希望者がひきもきらない。もうひとりは大阪の、あの大塩平八郎で、世の誤りを正すために行動を起こすべきだと塾生を煽る。

葉室は広瀬の生き方(役人の介入にひたすら耐える。やまない雨はないと)が派手さはないけれども大塩の過激さを上回ると結論づけたいようだ。もちろんふたりはお互いを強く意識しあうのだけれど。

でもわたしはもうひとり、みんなに憎まれながら役人に協力する豪商の生き方が興味深かった。この人(広瀬の弟でもある)が実はいちばんしんどかったんじゃない?

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価格:¥ 1,785(税込)
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