例によってどんでん返しがあることを意識させながら、なおうっちゃる。まるで日本版ディーヴァーですか中山七里は。
この短編集も、「謎解きはディナーのあとで」の亜流のように見せながら(文春はそのあたりをリクエストしたはずだ)、しかしあつかわれているのは冤罪や組織の腐敗、人を裁くことの重みなど、ゴリゴリな内容なのである。
表紙をよーく見ると、ちゃんとどんでん返しに対応しているのがわかってうれしっす。
その80「機龍警察 火宅」はこちら。
たとえば「太陽にほえろ!」的な刑事ドラマなら、セリフなしの音楽だけで処理されそうな聞きこみの場面。この小説はまさにそこにこそ面白さがつまっている。
有能かつ一癖もふた癖もある刑事たちが、それぞれの職業的スキルを全開にして犯人を追う。実は途中で真犯人は想像がつくけれど、捜査の細部がていねいに描かれているものだから(タクシーの領収書でアリバイを確認するなど)、まったく退屈しない。
道警シリーズが活劇に走りすぎたことで生まれたのが「地層捜査」「代官山コールドケース」だと思う。その味わいを衝撃的な事件に当てはめるとこの作品になるわけだ。すばらしい。
その82「警視庁文書捜査官」につづく。
第四回「挑戦」はこちら。
金曜日にPTAの飲みがあり、大河ドラマ好きにとっては夢のようなシチュエーションになった。なんと左隣が山口県出身。右隣が会津在住経験者。まんなかが庄内藩だから戊辰戦争ですか(笑)。でもさすがにあれから幾星霜、「八重の桜」をみんな冷静に見ることができるくらい「歴史」になってます。
「でもうちはほら、総理大臣を何人も出してるし。」
そういうことを言うから長州は(笑)
さて前回の視聴率は17.8%とさらに下降した。ありゃ、草刈正雄と内野聖陽の腹黒合戦があんなに面白かったのに。このまま、いわゆる洗面器型と呼ばれる推移をたどるんだろうか。まあ、これだけ面白いんだからなんでもいいや。あの会長がいるうちはあまりの高視聴率もなんかくやしいし。
さて今回は「窮地」。本能寺の変で織田信長(とその嫡男)が亡くなったことにより、真田家は右往左往。それ以上に徳川家康がまさしく窮地に陥るお話。
今回の特徴は、主役である信繁(堺雅人)がほとんど出てこないことだ。考えてみれば当然ですよね。地方の小勢力にすぎない真田家の帰趨は、例によって昌幸(草刈正雄)の判断にかかっている。で、思い切り惑ったあげく長男の昌幸(大泉洋)にこう語る。
「織田はもうあきらめた。」
すばらしい判断。情報が少なく、真偽も明らかではなかった当時としては最良。でも彼は続いてこう言ってしまう。
「上杉につく!」
そうなるよね。そうなんだけど、上杉は奇矯な人たちだから……うちの食卓は、向かいが北海道民。そして左隣が新潟県人なので
「どうなの?上杉。」
「よくわかんないです」
そりゃそうだ。遠藤憲一に究極の原理主義者を演じさせるアイデアは最高。さて視聴率は、うーん今日も腹黒の回だけど、18%台に復帰と期待します。
第六回「迷走」につづく。
エピソード7特集はこちら。
いい年をしてこんなことをしてはいけない。わかってる。五十を過ぎて、いくら面白かったからといって、Star Warsをもう一回映画館に見に行くようでは人間として……お、おんもしろかったぁ。
二度もつきあったのだから、作り手のたくらみも少しは見えてくる。
エピソード4~6においては、ルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーの父子関係が基本線。
エピソード1~3は、アナキン・スカイウォーカーがそのダース・ベイダーになにゆえに堕ちていくのかの物語(だから最初から気勢があがらなかった)。
ではエピソード7~9はどうなるのか。
エピソード7「フォースの覚醒」が、ほとんど臆面もないエピソード4のリメイクであり、ルーク、ハン・ソロ、レイアがそろい踏みした以上、似た展開になることは容易に想像できる。
大きな違いはオビ・ワン・ケノービの不在だが、オープニングに登場したマックス・フォン・シドーがあのまま退場することはないだろうし、ラストに登場した“あの人”のたたずまいはどう見ても……
ヒントはどかどか仕込まれていました。
・レイの名字は最後まで明かされない
・彼女がどうしてもジャクーに戻りたいと何度も主張するのは、誰かを待っているから
……とくればどうしたってねえ(笑)
わたしが期待するのは、ヨーダのような異形の“師匠”の登場だ。ルピタ・ニョンゴが演じたマズ・カナタのETっぷりもよかったけれど、アクション自体がコミカルであり、そして凄みのあるヨーダの再来をこそ、わたしは願う。
まもなく撮影開始とか。ああ、待ちきれない。
さあそのエピソード8は……
国内興行成績洋画篇はこちら。
「ぼくのわたしの2015」最終回は、恒例の世界興行篇。
1 Star Wars: The Force Awakens BV $1,946.8 54.8%
2 Jurassic World Uni. $1,669.0 60.9%
3 Furious 7 Uni. $1,515.0 76.7%
4 Avengers: Age of Ultron BV $1,405.4 67.3%
5 Minions Uni. $1,157.3 71.0%
6 Spectre Sony $877.5 77.3%
7 Inside Out BV $856.8 58.4%
8 Mission: Impossible - Rogue Nation Par. $682.3 71.4%
9 The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 LGF $651.2 57.0%
10 The Martian Fox $598.2 61.9%
1位と2位が突出しています。とにかく前半はユニバーサルが絶好調で、新記録連発。十数年ぶりにつくられたジュラシックパークの続篇が、アベンジャーズの新作を蹴散らすなど、誰も想像していなかったと思う。まさか半年後にその数字を「フォースの覚醒」がぬき去るとは……あ、こっちは半分ぐらいの人が予想していたかな。
最後についている数字は、総興収における北米以外のシェア。Star Warsの数字はまだ中国で公開される前なので保留するとしても、シリーズものはやはり海外で強く(特に007はイギリスですごかった)、しかし例によってハンガーゲームは、日本だけでなく海外ではさほど受け入れられていないのが理解できます。
にしてもシリーズだらけだなあ。今年にしたってマーベルやDCコミック原作ものが並んでいる。でも、比較的好きなキャプテン・アメリカとバットマン(VSスーパーマン)だから楽しみなんだよなあ……ということで極東ではシリーズものが強くなるわけですよね。
邦画篇はこちら。
つづいて洋画篇。トップテンは以下のとおり。
1位「ジュラシック・ワールド」 東宝東和 95億円
2位「ベイマックス」 ディズニー 91.8億円
3位「シンデレラ」 ディズニー 57.3億円
4位「ミニオンズ」 東宝東和 52.1億円
5位「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」 パラマウント 51.1億円
6位「インサイド・ヘッド」 ディズニー 40.3億円
7位「ワイルド・スピード SKY MISSION」 東宝東和 34.2億円
8位「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」 ディズニー 32億円
9位「ターミネーター:新起動 ジェニシス」 パラマウント 27.3億円
10位「テッド2」 東宝東和 25億円
……2015年最大の特徴は洋画の復調だ。もはや若者は字幕で映画を観たりはしないのか、とまで落ちこんだ洋画のシェアも、ようやく45%まで回復している。
おととしのアナ雪のようなバカヒットが出なかったかわりに、コンスタントに10億を超す作品が登場したのは、だれよりもシネコン経営者たちが喜んだ。ひとつの作品が多くのスクリーンを占拠するより、多様な客が多様な時間帯にひきもきらずに来てくれた方がそりゃあいいに決まってる。
会社別では、東宝東和(ユニバーサル作品を委託されている)とディズニー、そしてパラマウントだけ。SONYとFOXにとっては残念な年。なにしろSONYは、本国でも「スペクター」が封切られるまで1億ドル超えの作品が一本もなかったのだから絶不調である。
1位と2位は、それぞれある程度破綻した作品。だからこそ100億近く稼ぐことができたのだろうと思う。問題は2016年で、とてつもなく出来もよかったSTAR WARSの新作が、はたしてどれくらいの数字を見せるかに注目でしょうか。うわ。もう100億超えてんのか。
世界興行成績篇につづく。
読者篇PART3はこちら。
2014年版はこちら。
映連(日本映画製作者連盟)の記者発表会が行われ、2015年の興行動向が明らかに。この記者発表会は映連にとって大きな事業で、各映画会社のトップが勢ぞろい。興行収入(2171億円)、動員(1億6663万人)ともに好成績だったので、おだやかな会となったようだ。
さあ2015年の興収トップテン。まずは邦画篇。
1位「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」 東宝 78億円
2位「バケモノの子」 東宝 58.5億円
3位「HERO」 東宝 46.7億円
4位「名探偵コナン 業火の向日葵」 東宝 44.8億円
5位「映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)」 東宝 39.3億円
6位「ドラゴンボールZ 復活の「F」」 東映 37.4億円
7位「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」 東宝 32.5億円
8位「映画 ビリギャル」 東宝 28.4億円
9位「ラブライブ!The School Idol Movie」 松竹 28億円
10位「映画 暗殺教室」 東宝 27.7億円
……東宝強し、アニメ強しなのはあいかわらず。邦画トップテンのうち、わたしが観たのは「バケモノの子」だけ。怠惰ですわたし。
にしても、「妖怪ウォッチ」人気はすごかった。会社にとっては、入場料収入と同時にグッズが飛ぶように売れたはずなので、うまい商売になっている。シネコンのロビーは大混雑だったろうな。
定番がしっかり稼いだ東宝だけれど、だからこそラインナップにおいて、テレビに頼らないヒット作がもうひとつふたつあるべきだったと思う。この10作品が、歴然と中高年向けではなかったこともさみしい。
子どもを連れてきた親たちが、今度は夫婦で観に来ようと思えるような作品のポスターが映画館に貼っていなければ、映連の悲願である年間観客数2億人などとてもとても……
洋画篇につづく。
Starship - Sara
PART2はこちら。
昨年は、コストコ、コメダ珈琲、スタバ山形白山店など、近くで出店がありました。わが家は冷凍庫がいつも満室のため、コストコを活用できないため会員になってません。冷凍ピザ、冷凍パンがおすすめのようです。
コメダ珈琲は名古屋のチェーン店。落ち着ける良いお店です。学生協の会議の際、少し寄り道にいいですよ。
スタバは最近、通勤に使っている道路沿いにできたのでそのうち行きます。
というわけで新しいお店を活用しきれてませんが、落ち着くお店が増えたのは嬉しいニュースでした。
コストコですが、会員でなくても行ける方法がいくつかあり、1回だけ中に入ったことがあります。
お彼岸の時期だからって、仏花まで売ってたのには驚きました。
映画は『バクマン』がベストワンです(^^)
……バクマンのベストはうなずける結果。それはともかくコストコなんだけど、みはらしの丘に東北初出店したのは大ニュースだったみたい。
みたい、というのは、わたしはこの倉庫型店舗のことを聞いたことも見たこともなかったから。なにがいったいすごいのだろう……え、会員制?ダース売り?小売業者も買っていく?うーん、よくわからん。
この不景気に、そんなアメリカンなビジネスモデルが受け入れられる要素がわからない。よほど安いか、あるいはコストコでなければ買えない商品があるかなんだろうか。画像を見ると、通路の広いドンキのようなものかとすら。
でもきっとわたしも行くことはないんだと思います。仙台のアウトレットとかに酒田からもどかどか客が訪れているようだけれど、いったい、みんななにが欲しいんですか。地元のスーパー、ト一屋(といちや)でおつまみを買ってればいいじゃん……どわああああ、ト一屋もコストコから仕入れてセールやってるぅ!
本日の一曲は、スターシップのセーラ。いいんだ、みんなから批判されようとも。おれはこの曲が好きなんだー!
国内興行成績邦画篇につづく。