PART2はこちら。
ニューヨーク。大型バイクに乗った長髪の男。彼はとっぽいお兄ちゃんとバイクの一騎打ちを。当然、金を賭けている。歩行者すれすれのチキンレース。勝負は長髪の勝ち。
「お前は狂ってる!」
とお兄ちゃんは捨てゼリフ。お決まりですね。長髪のその男は刑事であり、このレースで彼が常識外れの人間であることが提示される。ついでに、金に汚いことも。演ずるはマイケル・ダグラス。「氷の微笑」と同じニックという役名はなんとかならなかったのか。
この頃のダグラスは向かうところ敵なしで、製作者としてはもちろん、俳優としても「ウォール街」でオスカーをとるなど順風満帆。ブラック・レインの脚本も、だから彼がゲットすることになったようだ。
自宅にもどるニック。殺伐とした部屋である。留守電が入っていて
「授業料が三ヶ月もたまってるわ」
別れた妻からのメッセージ。養育費も彼は滞りがち。未納家庭ですか!学校事務職員としては許しませんよ(笑)
弁護士からも
「今日はネクタイをしてこいよ」
どうやら審問が待っている様子。つまりこの刑事は公私ともにトラブルだらけなのであり、そのために体よく日本に追いやられる展開となる。
警察前でニックを待っていたのは後輩のチャーリー(アンディ・ガルシア)。上等のコートを自慢している。そしてこのコートも伏線となる。
「あんたみたいな有能な刑事を審問にかけるなんてどうかしてる」
チャーリーはニックを尊敬し、友情を感じている。ニックにとって、彼の存在は一種の救いだ。以下次号。
2016年2月増刊号「差額の支給日を推理する」はこちら。
明細書を見ろ!と言い続けて100号かあ……記念号のネタはなんにしよう。
マイナンバーと差額は一段落したし(本日=19日、県議会は開会しました)、互助会の補助券の使用期限はまもなくだぞ、というような小ネタで勝負かな。
いやいや、つい先日、初任者相手に「××大先生スピークス」としてかました資料があるじゃないか。使い回しは得意技だし、若手にだけ教えるのももったいない。ということで今日は、山形県職員が正味なところ何人いるのかを説明します。
まず、表1をごらんください(例によって省略)。これが昨年度と今年度のセクション別の人数です。
……知らないセクションもあるんだなあ。それはともかく、いくつか気づく点があります。
・県職員の総数は2万を切った。
・その半数以上は教育委員会に属する
・定員減のほとんどは、教育委員会が“貢献”している。
ここで表2(やっぱり省略)を見てもらいましょう。教育委員会の内訳はこうなっています。
・教育庁とは、県教委本体や教育事務所など。
・教育委員会のうち、7割近くを小中学校の職員が占めている。
……県職員というと、山形市松波にある県庁にいる人間たちを連想しますが、実はセンセイの数の方がずっと多いのです。
もちろん、県職員とは言っても小中学校の場合は市町村立学校に勤務しているので、どうしてもメインストリームから外れているような気になります。しかし数はチカラ。センセイたちのことを、もっともっと松波にいる人たちに考えてもらわなければ。
※正式発表はまだみたいだけれど、あの名古屋のコ×ダ珈琲がスタバにケンカを売るようなロケーションに開店するとの噂。だいじょうぶなのかこの界隈は。
2016年3月差額号「ようやく、差額支給」につづく。
PART1はこちら。
ブラック・レインの監督はリドリー・スコット。「エイリアン」で宇宙船を、まるでゴシック・ホラーの館のように仕立て、「ブレードランナー」で未来を酸性雨と鈍色のネオンで薄汚く(そして魅力的に)描いた才人。特にブレードランナーの画調をそのまま大阪にもってきたことでこの作品は異様な雰囲気に縁取られることになった。
さあオープニング。日本を象徴するライジング・サン。なにしろ日出ずる国ですから。赤い地に白文字でBLACK RAINと出る。
まずここでタイトルにつまずく人もいると思う。
黒い雨、とくればどうしたって井伏鱒二だし、映画化された今村昌平作品を想起する。原爆のお話。亡き田中好子がお風呂の中で、抜けていく自分の黒髪を見て薄笑いをうかべたシーンは今も鮮烈。
ヒロシマとナガサキは、アメリカが他国に対して行った最大の虐殺であり、それをわざわざこのサスペンス映画の題名にした意味はなんなのか。あとで(大俳優によって)解説はされるものの、少しわたしも考えこんだ。
しかしそんなとまどいをハードな音楽が押し流す。書いたのはハンス・ジマーです。他国を舞台にした作品のときは、その国の楽器を使用することにしているとDVDの特典映像で語っています。それでも、ジマー節なんですけどね。
製作はシェリー・ランシング。このお姉さんはFOXの社長に抜擢されるも、確か業績不振で解雇され、しかしプロデューサーとしての手腕は誰しもが認めていた。
そして肝心の撮影はヤン・デ・ボン。のちに「スピード」を監督して名を上げ、「ゴジラ」で評判を落としたあの人です。すごいスタッフ。そしてキャストがまたとんでもないのだった。以下次号。
「霧の旗」「砂の器」「八つ墓村」「チャイナタウン」「氷の微笑」「ゼロの焦点」につづいて「ブラック・レイン」を“わからない”シリーズの新作としてお届けします。
これ、びっくりするくらい人気企画なんですよ。ブログでもこのシリーズが、古畑任三郎と刑事コロンボの“全部観る”シリーズに次いでヒット数が多いの。
で、なぜ「ブラック・レイン」なのかというと、久しぶりに観たら本当に傑作だったことに驚いたから。アメリカの刑事が日本にやってきて、ある人物と死闘を繰り広げ、同時に日本の刑事と心が通じ合う……という展開だから、おそらくは日本人がいちばん楽しめたこととは思う。あるいは、ふざけんじゃねーと激昂したか。
欧米人が描く日本人って、とにかく変だったじゃないですか。さすがにメガネをかけてカメラを首から下げ、ペコペコとお辞儀をくりかえすってステロタイプな日本人は見かけなくなったけれども。
おそらくは「ダイハード」あたりからちゃんとしてきたというのが持論です。ナカトミビルにおけるジョン・マクレーンの孤高の闘いは、日本の企業においてアメリカ人女性がキャリアアップするために夫(マクレーン)の存在を隠していたことがうまく使われていたからね。
円高の影響もあって、日本を市場としてハリウッドが強く意識していたのはこの「ブラック・レイン」も「ダイハード」もいっしょ。近年、中国がその地位を完全に奪い、商売人として敏感なトム・クルーズが、ミッション・インポッシブルにおいて中国を舞台にしていたのがその代表。それは仕方のないことでしょ。なにしろ人口が違いすぎるんだから。「カンフー・パンダ」の新作は、本国よりも中国の方が興行収入が大きいとか。そこまで来たかあ。
まあそれはともかく、ブラック・レインにおいては、これまでとまったく違う日本が描かれていたのは確か。日本人が見ても、これのどこが日本なんだと驚く画面の連続。それは、あまりに珍妙だからではなく、あまりに美しかったからなのだ。以下次号。
2016年1月号PART2「だから差額はいつ出るんだ?」はこちら。
さあお立ち会い。問い合わせが多いので、差額がいつ出るのか予想しておきます。まあ、競馬場のまわりで赤青鉛筆を使っている親父レベルの確度でしょうから、はずれても怒らないでね。
他県の話を聞くと、もう支給済みのところ(総務省のいうことなんか聞いていられなかった県)や、財政事情でベースアップがないところ(西の方)など、さまざま。
山形では手がかりは既にさらされています。クミアイとの1月26日の交渉で総務部長は
・人事委員会勧告を完全実施する
・2月議会に提案し、可決され次第、支給する準備にかかる
・前年度は可決から6日間で支給できたが、今年度はもう少しかかる
と言明しています。つまり、いつもなら4月から12月までの差額を計算すればよかったけれども、年を越したために昇給というファクターがからんでくる。×島でいえばへき地手当、行政職なら時間外手当にも反映しなければならず、事務量が大きい、というわけ。まあ、実際にはもう計算は終わっているでしょうし、残るは金融との折衝ぐらいかな。
で、その2月議会は19日の午前10時に開会し、知事が議案の説明をすることになっています。どの時点で給与条例が可決されるのかは判然としませんが、総務部長の
「2月中はむずかしいけれども、3月の上旬には可能です」
という言葉を信用すれば、おそらくは3月3日(木)、あるいは4日(金)というあたりになるのではないでしょうか。ちなみに、県議会の閉会は3月17日(木)。ということは人事の内示は……
画像は「月」
昨年秋の「優勝軒」の閉店につづき、今月末で、あの「隆月」も店を閉めるんだとか(閉店まで全メニュー50円引き。年末で閉店という噂だったのに、まだ営業していたので楽観していたわたしがバカだった)。なんてこったー。
でも、7号線沿いには回転寿司の函太郎酒田店が開店するというし「さらしな」には裏メニューがあるという。まだまだ、知らないことっていっぱいある。がんばるぞ(なにを)。
2016年2月100号到達記念号「山形県職員の“定員”」につづく。
第五回「窮地」はこちら。
うちの読者には歴史好きが多いんだろうか。城マニアにつづいて別の読者からもレスが。
今の真田丸のおもしろいところは、もはや戦国の後始末の部分を描いているのに、直載にそれを描かないところで、徐々に盛り上げて……
うんうん、まったくだ。
ひょうげた草刈正雄もなかなかよいですが、丹波哲郎の昌幸に今のところ軍配ですね~。学生ではありましたが、「真田太平記」にはもうもう夢中でしたから!長澤まさみももちろんかわいくてよいですが、やはり往年の遥くららがよかったです(笑)お江の「わかりまいた!」には「おっ!」と思ったし、なんかかわいらしかったんですね!上田の方言なんでしょうか?
しまった、「真田太平記」ファンだった(笑)。そりゃまあ、遥くららに童貞切ってもらえる展開にはわたしも……あわわわ。
前回の視聴率は予想よりもあがって19.0%。でもこれ、19時26分の茨城南部地震の影響もあるだろうから(おかげで19時半開始の「ダーウィンが来た!」も高視聴率)割り引いて考えないと。
さて今回は「迷走」。まさしく、誰につくかで真田家の帰趨が決する……と誰もが思う回。
北条氏政(高嶋政伸。汁かけ飯の食べ方に計画性がないだけで北条家消滅の汚名を着せられた人ね。そのシーンが最初にちゃんとありました)につくか、ストレートに織田になびいて明智に反撃するか……
わたしが真田昌幸なら、どうしたって後者にする。だってそれがいちばん楽でしょう?平成の人間ならみんなそうするはずだ。その計画が破れても誰も文句言えないし。
でも昌幸はそうしないんだなあ。彼の名が今でも名将として残っているのだから正解だとするか、長男の尽力によるものだったと判断するか、そのあたりはこの一年で語られるんでしょう。今回の名ゼリフは信繁の発したもの。
「兄よりも、才があると思っていた」
このセリフは重い。この重い言葉が、姉を守れなかった自分を慰めてほしくて、初恋の相手(黒木華)に向けて出たあたりが若くていい。ドラマとして弾んでいる。今回の視聴率は、堅調に18%台と読みました。みなさんわかりまいたか?
第七回「奪回」につづく。
2月の港座上映会(2月20日です)の夜の部は特別企画。劇団onelive(ワンライブ)とのコラボによる「朗読ライブin港座」。
酒田出身で、建築家として活躍しながら小説を書き始め、その才能から将来を嘱望された北重人氏の「海上神火(かいじょうしんか。「汐のなごり」所収。直木賞候補作)」を、朗読、音楽、映像をミックスしてお送りします。
酒田を舞台にした、遊女と船頭の三十年にわたる恋物語。開場18時半、開演は19:00となっています。料金は500円(学生300円)です。
2009年、胃がんのために惜しくも亡くなった北氏(享年61才)の世界を、ぜひご堪能ください。
……なんかもう凄いことになっているみたい。みなさんぜひぜひ。にしても北重人さんの早すぎる死は悔やまれる。わたし、母親が末期ガンのときに病院のベッドのそばで彼の作品を読んでました。いやもうこれが泣ける泣ける。港座の近辺は、まさしくこの作品のモデルとなった遊郭街。遊女の悲恋がうかがわれる街。
きっとその時代その時代によって、受け入れられるヒーロー像は違うはず。ひたすら明るい長嶋茂雄は、確かに高度成長期にぴったりだったろうけれど、いまは少しクールですね者のイチローや本田の方がうけるはず。
歴史上の人物でいえば、自己犠牲の権化で、天皇にあくまで臣従した楠木正成が、はたして現代で受け入れられるだろうか。おのれの欲望に忠実で、バサラとよばれた佐々木道誉の方が今は人気があるんじゃないか。わたし、彼のことを教科書で学んだこともなく(日本史は未履修ですけど!)、大河ドラマ「太平記」で初めてその存在を知ったくらいだ(演じたのは陣内孝則)。それがいまやすっかりメジャーだからなあ。
同じことが悪役にも言えるだろう。
さっきの例でいえば、天皇に反旗を翻した(ことになっている)足利尊氏のように、あるいは民に愛された秀吉から権利を奪い取った(ことになっている)徳川家康のように、権力を握ったからこそ憎まれた存在は昔からよくいた。
でもいま、それ以上の悪役が出てきたのだ。
その名を宇喜多直家(あ、「軍師官兵衛」ではこちらも陣内孝則がやってます!)。戦国時代でも、勢力争いが複雑だった中国地方において、暗殺、毒殺、誅殺、裏切り、なんでもありの権謀術数で、とにかく国をまとめた男。
まわりからは当然のごとく嫌われ、どうせ裏切るだろうと思われているのにやっぱり裏切る。純粋悪というか。
「宇喜多の捨て嫁」は、彼を中心にさまざまな人物の視点で語られる連作集だ。まわりに自分を嫌うように仕向け、娘たちを捨て駒にして、腫瘍のために血膿を流しながら傲然と生きる。いやはや。
そしてこの純粋悪、絶対悪の男を描いた小説が高校生たちの圧倒的な支持を集めているんだとか(高校生直木賞受賞)。これも、時代なのかなあ。
2015年10月児童手当号「少子高齢化とはいうけれど……」はこちら。
児童手当法施行令の一部を改正する政令をここに公布する
御 名 御 璽
平成二十七年十二月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三
……行政職員にはおなじみの「官報」に、例によって大仰に載っています。内容は、マイナンバーを児童手当の手続きに取り入れるからちゃんとしろよ、ぐらいの話。
認定請求の様式に、個人番号記入欄をもうけるなど、これからいろいろとマイナンバーが必要になる……でも、この内容が内閣府→県の子育て推進部→教育庁福利課→福利課庶務係→教育事務所と流れるにつれてニュアンスが変わってくる。
というのも、税金関係と同じようにマイナンバーを使用することをぶちあげても、その収集、利用のルールがまだ未整備なので、当面はこれまでと同じような取扱いとする、住民票をとるときもマイナンバーが記載されていないのをとれ、もしもマイナンバーが記載されていたらマスキングするか切り取って提出しろ!という具合。
ほんとに、この制度はだいじょうぶなんでしょうか。
それはともかく本日のあなたの支給額は0,000円です。
画像は「真田丸」脚本:三谷幸喜
見てますか大河ドラマ。いやー何年ぶりだろう“本当に面白い大河”って。堺雅人が演じる真田信繁(幸村)は、戦国時代の常でけっこう艶福家。たくさんの子ども(と側室)にめぐまれていたみたい。
するとあいつはこれから長澤まさみや黒木華だけじゃなく、さぞやいろんな女優といろんなことに。うちに帰れば菅野美穂がいるじゃないか!
いかん、熱中しすぎてドラマと現実の境い目が……
2016年6月児童手当号「年に一度のおつとめを。」につづく。