お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

出口のない海

2015年07月06日 | 本紹介


娘が言いました。
「お母さん、太平洋戦争時の、海軍の人間魚雷「回天」のこと知ってた

戦後生まれの私ですが、「回天」のことは知っていました。
 娘(30代前半)は、神風特攻隊のことは、知っていても、「回天」のことは、この本を読むまで知らなかったそうです。

 人がやっと一人乗るスペース、脱出口はなく、爆弾と一体となって潜水、操縦し、敵艦に体当たりする、海の特攻です。

 横山秀夫さんの「出口のない海」は、「回天」にまつわるお話です。

 主人公が恋人に宛てた手紙に涙が出ます。最後の部分をご紹介します。

 「幸せになってほしい。
  幸せになると約束してほしい。
  君には、生きて、生きて、もう嫌だというまで生きてほしい。
  幸せに、どうか幸せに」

 若くして特攻で死なねばならなかった若者たちは、皆、愛する家族、恋人、友人に対して、こういう思いで亡くなって逝かれたのだと思います。

 たった70年前の厳しい現実です。
 
生きたくても生きられなかった方々によって、今「しあわせを願われている」私たちです。

 その思いを受けたら、毎日をおろそかには、生きられません。

 
コメント (2)
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