散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

焼鳥&カクテル

2005年07月08日 23時41分14秒 | 飲み歩き・すすきの界隈
すすきのの焼鳥屋「T」へ。
モツ、アスパラ、鳥精、豚串とビール、燗酒2を頼んだ。
年季の入った店構え、強力そうな炭火、甕に入ったタレとどれを取っても良い感じだが、食べてみると平凡な焼鳥だった。しかも2本で400円以上、疑問だ。

すすきののバー「B」へ。メニューからして強烈である。目がくらみながら、ペリゴール1978。純粋にリンゴのみで作られた(通常は梨も入っているらしい)カルヴァドスの25年ものである。
次にラフロイグ30年。さすがに高いのでハーフショット。ラフロイグの個性を残しながら、飲み口だけがまろやかになっている。
ちょっと気分を変えてブロンクステラス。マティーニとギムレットが合体したようなカクテルだ。
最後は「ちょっと落ち着いたモルトを」とお願いしてトミントール12年がでてきた。
メニューの品揃えと値段に興奮しすぎた私の心はやっと落ち着いた。

帰りがけにもり蕎麦、一口ビール。

奈良仏像の旅

2005年07月08日 21時38分37秒 | 旅日記
記事が少なくて寂しいので、過去の旅日記を載せる。

初日。
昼頃、伊丹空港から奈良入り。
早速、JR奈良駅前の「T」で昔風ラーメン。今風アジア調の店がまえのせいか、
懐かしい味のラーメンであるが、どことなくアジアンテイストが(ナンプラー風味」? 気のせい?)。皮がカリカリの餃子も旨い。

本日は無理せず、東大寺へ。南大門から大仏殿までのスケール感はさすがである。
南大門の金剛力士像「阿・吽」は暗がり、金網越しのため見辛い。
大仏殿内部では、大仏は勿論迫力があったが、四天王の一人廣目天が迫力があった。
続いて三月堂へ。一部は秘仏のため姿を見せていないが、16体(国宝12、重文4)のお姿はなかなか。
二月堂を経由し、戒壇院へ。ここはほぼ等身大の四天王が堂内におり、廣目天・多聞天の表情が渋い。

先ほどから私はご本尊よりも四天王の話ばかり書いていることにお気づきであろうか。
マンガ・アニメの「男塾死天王」「南斗六聖拳」「ギリシャ十二神」等に脳をやられている世代であるため、仏の姿には全く興味が無く四天王・十二神将等の戦闘グループに興味があるのだ。

夕方になり、市内の居酒屋「K」へ。
大皿料理がカウンターに並ぶ店で、鮎南蛮漬け、煮ナスとビールを頼む。
ひたすら汗を流してきたためビールが旨い。続いて、日本酒、馬刺し、ニシン煮、筑前煮。
料理を作り続ける店主に「酒は何ですか(種類のこと)」と聞くと、「日本のお酒です(ニヤリ)」とされた。顔はコワイが、いい人そうだ。

札幌から来たことを話、いろいろ奈良の飲食事情などを教えてもらう。
奈良は大阪・京都に比べると「旨いもの不毛の地」かもしれない。
しかしこの店は何でも旨く、馬刺しは脂が口どけ良く、筑前煮のこってりした味も疲れた体にはピッタリであった。
追加で焼酎を頼むと、また銘柄は秘密でコップ満タン(一合以上)にしてくれる。
日中の疲労感もあり、だんだん私はやられていくのであった。

しかし、まだ意識を失った訳ではない。
同じビルのバー「O」へ。若い兄ちゃんがやっているが(マスターは別にいるらしい)、カクテルはまあまあ。
ジントニック、マティーニを頼む。入店8時前とかで値段は半額。非常に安く、ホテルへ。
ホテルへ向かう頃に一軒目の酒が効いてきた。撃沈(21616歩)。

二日目。
疲労+酒大盛りのため調子が悪い。朝食もそこそこに、奈良国立博物館へ。
本日は「黄金の国新羅」展というのをやっている。金細工のイヤリング、冠等は見もの。
関西オバチャンの「こんなん(イヤリングのこと)つけたら、耳、千切れてまうわ!」という感想に笑う。
東京の国立博物館で同じ展示をしたら、人多すぎで大変だろうが、奈良は人が少ない。ゆっくり見ることができる。

古地図・仏画展示も見て、博物館内で昼食。
分厚いしいたけを乗せた「しいたけ煮込み麺」は多少チャルメラっぽい安い味がするが、香り良く、細麺の歯ごたえ良く、なかなか。
ミュージアムショップで本・絵葉書・仏像シールなど購入。本館の仏像展示へと向かう。
ど真ん中に立つ唐招提寺の「薬師如来立像」(約4メートル)が目立つ。
ここでは十二神将が目的だったのだが、興福寺の緊那羅立像(阿修羅像の仲間)の悩ましげな顔がステキであった。

さて、その興福寺へ。
コンクリート造りのため、若干興ざめする国宝館へ。ここでは、寄木細工とは思えない金剛力士像の滑らかな筋肉美が素晴らしかったが、やはり阿修羅像の表情には敵わない。もう別格。
続いて、東金堂へ。ずんぐり顔ながら迫力のある四天王と、やる気満々、戦闘モードの十二神将に満足した。

今日は夕方休憩後、街を散策し、居酒屋「G」へ。
すみっこに居るおばちゃんに、うなぎ肝焼、鱧天ぷら、どて焼きを頼む。
どて焼きは温めるだけですぐ出てくるが、満員のせいか料理の出は遅い。
責任を感じてか、おばちゃんが「こちらさん、肝焼と鱧天ぷら」と店主(息子?)に声を上げるが、店主は「順番にやってるから、あれこれ言うたら、訳分からんようになってしまう」と、必死に手を動かしている。

結局、おばちゃんが10回位言ったところで料理が出てきた。
隣に座っていた夫婦の奥さんの方が「そんな言われたら、こっちが料理暗記してまうわ」とポツリというのに、うけて笑ったところ、何となく会話になった。
私の出身を言った所、「やっぱり富良野にはあこがれる」「奈良の人間は仏像なんか見にいかん」「鹿の糞を気にしていたら何もできん」等など。
私からは「札幌の人間は雪祭りなど見に行かない」「過去最低気温はマイナス36度」等など。

結局の所、うなぎ肝焼と鱧天ぷら(関西ならでは。でかい鱧だった)
は大変旨く、店の雰囲気は少々微妙ながらも可笑しく、楽しく飲んだのでした。
店の前でご夫婦と手を振ってお別れ。
昨日の反省から酒をセーブしていたので、続いて、有名なクラシックホテル「N」のバーへ。

どうやら現在はカウンター席が無いようで、暗いバー内をテーブル席へ。
さすがに調度品は古いし落ち着いている。
ウィスキーサワー、サイドカー、マティーニと頼む。オーソドックスなカクテルの味はなかなか。
いつしか時間は過ぎていくのであった。
(19787歩)

三日目。
今日はコンディション良く、朝食もガッチリ食べる。
朝早くから薬師寺へ。東院堂の聖観世音菩薩+四天王がよい。
小柄な菩薩像が重厚さと華麗さを兼ね備える四天王にお守りされている感じが良い。

次に唐招提寺へ。
現在ここでは最も有名な金堂が解体修理されている。工事現場がガラス越しに見えるのだが、土台が残っているのみで金堂はすべて分解されて跡形もない。唖然…
こちらの四天王像は古いせいかお体が硬い感じだ。楽しみにしていた千手観音像は公開されていなかった。

次に西大寺へ。
寂れているとは言え、未だに敷地は一万坪あるらしい。四王堂の十一面観音像はデカく、1メートル位まで近寄って見られるため印象的。周囲の四天王は黒く、武張っているが、何と踏みつけている邪鬼が一番古く、創建当初のものらしい。
踏まれている邪鬼の方が心なしか余裕綽々に見える(かも)。

ホテル近くに戻り、蕎麦屋「Z」でスタミナ重視でカツ丼。
ボリューム大、こってりした味が疲れに効きそうだ。がつがつ食べて、バスに乗り新薬師寺へ。
人影も少ない新薬師寺には本堂しか残っていないのだが、これが意外に良かった。
吹く風に天平の昔に思いを馳せつつ、本堂内の十二神将をじっくり見る。
やはりご本尊の薬師如来を守るように周囲に円形に立つ配置が最高だ。
博物館の中で守るものも無く、ただ並んで立っているのとは大違いである。やはりこうでなくては!

本日も疲れた。しかしそれにも負けず居酒屋へ。
「K」は木造の、コの字カウンターが昔風の居酒屋を思わせる。
冷奴、鳥モツハーフ、鯛カブト煮、ナス田楽。
鳥モツはコッテリしていながら山椒が効いており、いろいろな部分が煮込まれており食べやすい。
なす田楽も柚子味噌風味でいい味だ。
しかし、魚好きの私は鯛カブト煮が一番旨かった。カブト+中骨周辺がてんこ盛りでボリュームあり、味良しである。
とにかく一品一品のボリュームが多いのだが、周囲の人たちはそれを目的に来ているのであろう。
串かつ+鳥モツ+寿司+…と若い人のみならず、年配客もモリモリ食べているのであった。
(私が一番小食かも…)

続いて、クラシックなバー「H」へ。
どことなく、仕事を引退したルパン三世に似たマスターと、同じく不二子ちゃん風(ウソ)の
お二人が(後で気づいたのだがウイスキーソーダを飲みながら)迎えてくれた。
ジントニック、ギムレット、マティーニ、アレキサンダー。
もの凄いシェークの仕方だが、カクテルは旨い。

マスターはかつて北海道を旅した話をしてくれたのだが、「夏なのにつららがあった」「テントが野犬の集団に襲われた」等ととても信用できないような話を真顔で言う。
私は関西人じゃないので、つっ込んで良いのか、笑って良いのか分からんよ…
あっという間に楽しく、夜も更けてきた。また奈良に来ることがあったら、この店には必ず立ち寄るであろう。
気分の良い、奈良最終夜となった。(27541歩)

四日目。
最終日はあっという間だ。奈良県立美術館で「子供と遊ぶ現代美術展」、昼食は蕎麦屋「K」でもりそば+柿の葉寿司。

思い起こせば、今回の旅では四天王×8組、十二神将×2.5組を見ることができ、また飲み屋は連日連夜の変な店(褒め言葉)に出合った。
思いっきり観光都市であるのだが、奈良は良い。
いつかまた来たいなあと言うのが正直な感想である。

最近読んだ本

2005年07月08日 21時23分14秒 | 読書
「老人とカメラ」赤瀬川原平
ちょっと変な写真とその説明。疲れずに読める。

「’92ムンク展」
札幌でやったムンク展の図録。「叫び」こそ来ていないが、何となく見ているだけで不安感のある
ムンクの画は好きだ。

「奈良大和路の仏像」
昨年の奈良旅行を振り返って。また仏像見に行きてえなあ。

「江戸東京の古寺を歩く」
今年、東京に行く予定なので、良い仏像がないか事前調査のつもりで購入。
あくまで寺の本で、仏像情報は少なし。別途調べるしかないか。

「大いなる聴衆」永井するみ
芸術家が主人公になる作品は、その芸術の凄みをどこまで文章表現できるかどうかが肝心な気がするのだが、その点では感心する所無し。
ただ、主人公のワガママさ(無邪気さ?)が表現された最後のセリフは面白い。