本日は芸森→趣味の郷→市民→道新→時計台→たぴお→大同→プラニスホール→JR-ARTBOX→エッセ→大丸→紀伊国屋→大通→富士フイルム→CAI02→さいとう→ivory→安田侃野外彫刻展→NEW STARの19か所。
どうも、郊外型ギャラリーへの足が遠のいている。
■芸術の森美術館「森と芸術」。ここで午前中の時間を使い切ってしまった。
アンドレ・ボーシャン「楽園」:小樽の「アンリ・ルソーと素朴な画家たち展」で見た画家だ。楽園というとアダムとイブという感じもするが、これは人が不在の楽園。確かに人がいると楽園ではなくなるのかも。
ヘンリー・フューズリ「森:「真夏の夜の夢」第四幕第一場」:奇怪な小人たちも登場する不思議な画。どんな話かしらなかったのだが、今調べてみると妖精なんかも登場するんだね。
ギュスターヴ・ドレ「ウェルギリウスとダンテ」:木と岩山が非常にシャープに描かれている(木口木版だから)。
クロード・ロラン「小川のある森の風景」:ヨーロッパの香りのする大きな風景画。
ヤコブ・ファン・ロイスダール「小川と森の風景」:これもロマンあふれる風景画だ。
ペーテル・パウル・ルーベンス「ぬかるみに嵌まった荷馬車のある風景」:黒々とした版画。パンチ力ある。
ルドルフ・ブレスダン「善きサマリア人」:ちょっと空想の入った、夢想的風景。
エドワード・バーン-ジョーンズ「春の鍵」:バーン-ジョーンズが出品されているとは! まあ、あまりそれらしい作風ではないのだが、ふんわり浮かんだ女性(春の化身?)が面白い。
エミール・ガレ「草花文花器」:草花の赤と、蝶の羽の青の対比が良い。
エミール・ガレ「キノコ文花器」:キノコとクモの巣がガラスの中にサンドイッチされた構造。中から光を当てると美しいらしい。
続いて、通称「怪物公園」と呼ばれる「聖なる森」の石像写真。撮影は川田喜久治で、巨女、ケルベロス、ニンフ、巨人等の像がぼこぼこ置かれているようだ。
その次のコーナー「メルヘンと絵本の森」。普通なら全く興味の持てないコーナーなのだが、実に面白かった。
ギュスターブ・ドレ「赤ずきんちゃん」:実にりりしい目をした赤ずきんが描かれている。
アーサー・ラッカム「ラインの黄金 ワルキューレ」:黒髪が特徴。これを見ると、天野喜孝は影響受けたんじゃないかなあと思う。
カイ・ニールセン「太陽の東 月の西:北の国のむかし話」:真っ直ぐな巨木の森で顔を伏せる女。
エドモン・デュラック「雪の女王」:氷の台座に座る真っ白な女王。北欧の雰囲気。しかし、デュラックの画風は素晴らしいね。
マックス・エルンスト「灰色の森」:森には全然見えない、黄色い岩山?
ルネ・マグリット「再開」:版画は相当見ているが、原画を見るのはあまり無いかも。
レオノーラ・キャリントン「狩猟」:今まで聞いたことのない、女性シュール画家。奇妙な味わいを持っている。
岡本太郎「森の家族」:かなり大きな作品。生命の炎という感じがする。
砂澤ビッキ「風に聴く」:森の精たちの集会にまぎれ込んでしまったかのようだ。
男鹿和雄「もののけ姫背景画」:神木と水辺、そこに木洩れ日が見える風景。
町田市立国際版画美術館、山梨・福井・広島・宮崎県立美術館、黒壁美術館、富士美術館、後藤美術館、ポーラ美術館、国立国際美術館、岡本太郎美術館などの美術館から出品されており、開催への苦労と見ることのありがたみがある展覧会だった。
→会場近辺はテーマにピッタリの風景。
市民ギャラリー前で、久しぶりにギャラリー巡りのMさんにお会いする。日に焼けてお元気そうでなにより。またぜひ、ブログを再開して下さい。
■市民ギャラリー「第56回新北海道美術協会展」。3.11を直接的にテーマにした作品や、死を暗示する作品も多かったような気がする。とはいっても、海岸風景があるだけで、そこに何かの意味を見出してしまいそうになる訳だが。
山形弘枝「宙 mame-spring-」:豆の中に緑のつぶ、そして赤と黄色のザリガニ。色彩の強烈さがある。
市川正勝「海辺を飾るハマナス」:タイトルから受ける印象をはるかに超える、緑とピンクの強い印象。
久保千鶴子「目指す光の先にあるもの」:色彩はほぼ青緑のみ。子供が4人、思い思いに飛んでいる様子。妙に面白い。
長尾美紀「黙」:枯れて首を落とすひまわり。夕焼の赤に染まっているのが印象的。
和嶋和子「ひまわり2」:これも種のみとなったひまわり。花の画には全く興味が持てなかったのだが、今回はなぜか気になった。美しさというよりはグロテスクさに目を向けている人もいるのだなと思えた。
■時計台ギャラリー「萩原勇雄油絵個展」。堅実な風景画に心和む。
■JR ARTBOX「Sound Mirror/音の鏡」。わりと見ての通りで、音によって鏡の表面が振動して見えるのだ。
■ギャラリーエッセ「吾展」。
古田萠「海底園」:サンゴがえらのように生えている女性。いつものように繊細にして危険な作風である。
佐藤綾香「木馬」:そら豆型のキャンバスに木馬と少女が描かれている。なんとなくクリスマス調(赤色は無いが)。
佐藤綾香「ALTER」:楕円のキャンバスに貝などの小物と共に、女性が描かれている。
以前より佐藤綾香の作品が好きなので、非常に期待していた展覧会。新作に加え、過去の作品のファイルがあったので、それを見ることができたのも収穫であった。佐藤のどこが気になるのか考えてみた。
思えば、私が子供のころにはSFやファンタジーというのは一般化されてなく、成長するにつれて発見して、後天的に獲得するものであった。しかし、今の20代であれば、生まれた時からゲームはあるし、SFアニメやファンタジー映画もあるし、ほぼそのままに吸収しつつ成長したのではないだろうか。
彼女の作品は油彩画であると共に、SFやファンタジー、当然マンガやアニメの要素を感じるのだが、それが無理なく共存し、非常にこなれた感じがするのである。そういう世代の作品に、驚きや羨ましさを感じているのかもしれない。今後も猛烈に期待。
年輩の人のSF要素の入っている作品には、「今どき、ノストラダムスかよ!」って思ったりするのだよ。
■大丸「江戸・明治美術工芸名品展」。素晴らしい工芸には、ため息をつかざるを得ない。
■富士フイルムフォトサロン「上原 稔写真展「まちの肖像 -東北へ捧ぐ-」」。東北の風景は何とも田舎力がある。震災前と後の風景。簡単に言葉を発することができない。
■安田侃野外彫刻展。以前、地下歩行空間の作品写真をアップしたが、今回は大通と狸小路の展示。
最近ドニチカキップの形式が変わった。乗車駅が印字されないので、面白くない。