散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

秋の東京2011 前回と同じ店でフィニッシュ

2011年09月18日 22時24分21秒 | 飲み歩き・東京
さあ、これで予定の展覧会はすべて終了。水天宮から新橋へ向かう。日曜日の新橋は選択の余地が少ない。まずは、やきとんの店「N」へ。黒ホッピーを注文し、キムチ、かしら、しろ、はらみと80円のやきとんを食べる。疲労にしみるなあ。









続いて、タン、てっぽう。やきとんは良かったが、すっかり出来上がり気味の親父3人がうるさい。どうも私は札幌の酒飲みに厳しいのだが、東京でもダメ親父はダメ親父だな。





この辺で、次の店、立ち飲み「KU」へ移動。

この店は良心的なのであるが、つまみの量が多いのだ。赤ワインを注文し、値段を慎重にみて魚介カクテルを注文。量が少ないと思ってのことだったのだが、かなりのボリューム…。いわし、しめ鯖、ホタテ、白身魚、ホッキ等を土佐酢のジュレで食べるもので、非常に素晴らしいつまみではある。



この魚には尾瀬の雪どけ特別本醸造を合わせよう。他にもあら煮(小)というメニューがあり、隣のチームが頼んだのを見てみたのだが、これが明らかにサイズ大なのである。あれではとても食べ切れん。





残念ではあるが、これにて終了。



浜松町の本屋に立ち寄り、モノレールで羽田空港へ。そういえば隣接しているホテルにバーがあるんだよね。ということで、バーに行き、ギムレット、マンハッタンを飲み、通しの鶏とミックスビーンズのトマト煮を食べた。カクテルはもう少し努力されたし、というところかな。



最後に空港待合室のマッサージチェアを使い、飛行機で札幌へ。さっきまで暑かったのだが、札幌は冷たい雨。これは夏が終わってしまったのだな。まあ、まだ私の夏休みは続くのだ。

秋の東京2011 美術館巡り3日目 ラスト!

2011年09月18日 15時22分41秒 | ART
太田記念美術館の「江戸のパワースポット」へ。昨今のパワースポットブームは余りにも非科学的な感じがして腹立たしいが、当時は皆信じていたのだから仕方がない。どんな所が取り上げられているのか、見ていこう。



最初はやはり富士山だ。
葛飾北斎「富嶽百景」:山肌を杖を頼りに歩く人たち。またある道では頭につけた傘がみっしり。富士登山は人気だった模様。
歌川広重「名所江戸百景 目黒新富士」:目黒に作られた富士塚を詣でる。
葛飾北斎「富嶽三十六景 青山円座松」:原宿村にあったといわれる老松を描いた作品。この美術館にぴったりではあるまいか。

続いて伊勢参り。
歌川広重「伊勢参宮宮川の渡し」:おかげ参りの人で、大混雑。当時の雰囲気がよく分かる。
歌川国貞「二見浦曙の図」:ご来光がレーザービームのように表現されている。

特殊な地形に人気があるようだ。歌川広重の作品が非常に多かった。
「名所江戸百景 王子不動之瀧」:真一文字に水が流れ、静寂さを感じる。
「名所江戸百景 虎の門あふひ坂」:夜のお堀端を歩く人々。屋台の二八そばがあるのも良い。
「相州江之嶋弁才天開帳参詣群衆之図」:江の島の独特の地形が人気があったようだ。何百人も陸繋島への道を歩いている。また、岩の上で魚と酒をやるのが風流だったとか。信仰だけではない、レジャー要素もあったのがいい所だ。

「本朝名所三州鳳来寺行者越」:役行者の苦労したという岩山をはい上がる人たち。
「六十余州名所図会 美濃養老ノ瀧」:幅7メートルの大滝。これが酒に変わったの?

河鍋暁斎「東海道名所之内比叡山」:琵琶湖を望む比叡山。金刀比羅宮参りには、天狗の面を背負う風習もあったとか。「水どう」で大泉さんが天狗面をしょっていたのも、あながち的外れではないのかも。

後は温泉風景。これも実効性のあるパワースポットだと言えるだろう。特に箱根の湯を取り上げているものが多かったと思う。
歌川広重・歌川国貞「雙筆七湯巡シリーズ」は、女性(国貞)と風景(広重)がダブルメインで成り立っている作品。

赤坂見附に移動して、ニューオータニ美術館「北斎とリヴィエール 三十六景の共演」を見る。リヴィエールって誰? と思っていたのだが、北斎に触発されて、「エッフェル塔三十六景」を制作した人だそうだ。



あっさりした版画なのだが、構図に北斎由来のものがあり(図版が比較用に展示されていた)、面白かった。

リヴィエールの作品から。
「塔の上部で」:エッフェル塔の工事中を描いた、大胆な構図。
「フレミエの大鹿の後ろより」:手前に大きな鹿の像を入れ、飽きさせない大胆図版である。
「バ・ムードン、古い共同洗濯場」:1センチ強と、きわめて小さなエッフェル塔が描かれている。この無理やり感が、富嶽三十六景に近いものを感じさせる。

エッフェル塔ではないが、以下の2点は「時の魔術」というシリーズらしい。
「虹」:画面いっぱいに雨から晴れに至る壮大な風景。
「にわか雨」:雨が降り、牛3頭と人間が駆け出している。これ、北斎の構図を思わせる。

その他、富嶽三十六景、北斎漫画、東海道五十三次(2点)など。結構面白かった。

最後は水天宮駅に移動し、ミュゼ浜口陽三で「浜口陽三・石川九楊二人展」。



浜口陽三は少し甘すぎるきらいはあるが、メゾチントの効果が好きな版画家である。「朝食」という作品では、パンとみそ汁椀と思われるものがあり、不思議な感じがした。

石川九楊は源氏物語をテーマに、パッと見ると子供の落書きのような作品である。よく見ると、意図的に文字を解体して、再デザイン化したようでもあり、また電波系の文字のようにも見える。しかしもちろんのことながら、ビデオで制作中の映像を見ると、間違いなく「書」であるのだ。

秋の東京2011 美術館巡り3日目 練馬へ

2011年09月18日 12時20分14秒 | ART
9月18日、予想通り二日酔いで起床。今日も少し遠出しなければならないからなあ。おかゆとカレー少量でささやかな朝食。チェックアウトするときに気がついたのだが、ロビーに荻須高徳の油彩が飾ってあった。



今日は有楽町線→西武有楽町線→西武池袋線と乗り継いで練馬区立美術館へ。これまた写実好きにはたまらない「磯江毅=グスタボ・イソエ展」をやっているのである。東京は区立美術館で、このような展覧会をやるから恐ろしい。





この人はスペインで活躍した人なので、向こうで「グスタボ」と呼ばれていたのである。海外の個展や雑誌に取り上げられていた記事を読んだが、実際、高い評価を受けていたような気がする。しかし、惜しくも53歳で2007年に亡くなっているのだ。

「鮭”高橋由一へのオマージュ”」:真正面から鮭を描いた作品。
「鰯」:皿に乗った鰯。その骨の形、皿の光り具合など完成度が高い。絶筆。
「横たわる女(未完)」:女の体に白い布がかかっているのだが、上の方は完成、下の方は未完成ということで、どのようにして作品の完成度が上がっていくのかがよく分かる。

「ラン」:半分は汚れたガラス越しにランの画が描かれている。テクニックの一つである。
「室内習作」:作品のへりに計算式が描かれ、おそらくは扉の縦横比率や、板目の幅を計算したもののように思われる。
「風景」:この人も題材としては人物と静物が多い。そんな中で梅田のビルから見た風景を描いた、珍しい作品。

やはり写実って何なのだ? と問いかけたくなる展覧会であった。割と若くしてお亡くなりになったのを知っているせいもあるのだが、彼の作品には何か「死」を意識させるものが多い。人であれ果物であれ、いずれ死に向かうのだから、当然と言えば当然ではあるのか。