散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

秋の東京2011 銀座で一杯

2011年09月17日 21時13分27秒 | 飲み歩き・東京
何とか今日のスケジュールも終了し、銀座の居酒屋「T」へ。ここは3回目の訪問になるであろうか。土曜日なのでサラリーマン軍団もいないようで、店内は静かだった。あまりの暑さに、久々のビールを飲み(旨かった…)、山形料理を中心に攻める。



通しの川エビ唐揚げ。



もってのほか(菊花の酢の物)には、とんぶりが載せられている。酸っぱくてすっきり。



冷や汁。少し濃いめの出し汁に、青菜、しいたけ、きゅうり、茗荷等が入っているもの、汗をかいたので、塩気が嬉しい。



続いて芋煮。里芋のねっとりした感じ、米沢牛の濃厚味。といってもすき焼き的な甘さではなく、醤油の風味がしっかりしている。



飲み物を日本酒に切り替え、ざっこ煮という小魚の佃煮。甘くコッテリした味だが、少し大きめの魚はハラワタが苦くて個性的だった。



最後に魚フライ。よく分からないが2種類の魚が使われているようで、刺身の余り物を活用したのだろう。鮮度は多分良いから、実に美味しかった。





次はバーだ。こちらも銀座のバー「FS」。久々の来店である。1杯目は華やかなカクテルということで、ニューヨークを出してもらった。通しは北海道のトウモロコシ。



2杯目以降は最近の好みでハードなカクテルを行こう。まずはジン+ラフロイグ10年のスモーキーマティーニ。バーテンダーY氏はあまり作ったことがないというが、酒の一体感が非常に素晴らしい。

3杯目はここならアモンティ(リ)ャードがあるだろうということで、ゴードンを注文。このカクテルは、ほとんどジンなのだが、クオ・ヴァディスというシェリーの濃厚さが飛び出てきて格別な味となった。今調べてみたところ、40年熟成のかなり良さそうなシェリーだった。少し、猫に小判という感じがしないこともない。



さすがに飲みはこの辺にしておこう。コンビニでまたしてもハイボールを購入してしまい、泥酔。

秋の東京2011 美術館巡り2日目 東京駅周辺

2011年09月17日 17時02分58秒 | ART
東京駅に戻ると、土気とは一味違って蒸し暑い。ところで今回、「ぐるっとパス」という、東京の美術館・博物館の入場or割引券を購入してみた。金額は2000円で2カ月有効なのだが、わずか3日間で4400円分も使用して、十分元が取れたことを報告しておきたい。

さて、まずはブリジストン美術館の「くらべてわかる 印象派誕生から20世紀美術まで」を見よう。






→ポスター3連発。

クロード・モネ「水連」→「水連の池」:水連そのものがテーマだったものが、光がテーマに変わっていくのが分かる。
フィンセント・ファン・ゴッホ「モンマルトルの風車」:いわゆるところのゴッホっぽくない。
ロートレック「サーカスの舞台裏」:これはまさに舞台裏の雰囲気が表現されている。

パブロ・ピカソ「生木と枯木のある風景」:妙に正面向きの家と、木のくねり、紫の山が独特の感じを出している。
藤田嗣治「インク壺の静物」:インクの青が、藍染の色に見える。
藤田嗣治「猫のいる静物」:猫だけでなく、ヒラメ・ワタリガニ・オマールといった海産物が描かれているのだが、これが何となく和風出汁を思わせるあっさり表現なのだ。やはりパリで独自の画風を確立した人なのだろう。

ピート・モンドリアン「砂丘」:点描技法を使い、そこそこ風景画になっている。抽象画もやはり実物を見るに限る。
青木繁「天平時代」:意外と明るく楽しげな雰囲気。
古賀春江「涯しなき逃避」:とてもシンプルなシュール画。
牛島憲之「タンクの道」:私にとって、今回の収穫作品。石油タンクだろうか、最小限の要素で表現がされている。くねるような木もチャームポイントだ。

次は日本橋高島屋の「犬塚勉展‐純粋なる静寂‐」。確か新日曜美術館で紹介されており、気になる画風だった人の展覧会だ。ところが、前半は実に期待外れ…。あれこんなんだったっけと疑問を持ちながら見ていくと、途中から豁然と精密な風景画が登場。草むら、切り株、巨石、ブナ林等をモチーフに細かい描写が続く。最後の大作は「暗く深き渓谷の入り口」シリーズ。岩の隙間から水が流れ出し、最初緑で描いていた背景を黒く塗りつぶしてしまったらしい。実はこの作品は未完で、「水を見てくる」と言い残して、作者は山中で亡くなったとのこと(38歳)。惜しい人である。



まだまだ続くよ、次は三井記念美術館で「華麗なる京蒔絵」展である。それほど有名作品が出品されるわけでもなし、時間も残り1時間ということで、軽く流して見ようと思っていたのだが、とてもそんなわけには行かなかった。



「四季蒔絵香合」:6名の作家(湯浅華暁、上島光波、北村春照、竹中微風、山田楽全、一色春甫)による共作。かわいらしく、これは欲しい。
象彦「宝相華文蒔絵二重手箱」:緑色の漆を使った、珍しい色調の作品。
象彦「唐花唐草蒔絵経箱」:ゴージャスな箱で、螺鈿が光っている。

象彦「忍草蒔絵高杯」:「多」「礼」と縁起の良い字を螺鈿で象眼しているもの。
象彦「八橋蒔絵料紙硯箱」:杜若がすべて螺鈿で表現されている、細やかな作品。
象彦「両替年代記蒔絵硯箱」:本物の小判などを埋め込んで、三井家(両替商)ならではのオーダーメイド作品。

象彦「有職文蒔絵たばこセット」:これを持っている人ならば、喫煙を許して良いくらいだ。
象彦「遊鯉蒔絵手箱」:生々しい鯉とスマートなアメンボが表現されている。
象彦「時代祭蒔絵屏風」:京都の祭り行列を表現した、超大作。これって凄いのでは。

ちなみに象彦というのは、京都の老舗漆商で、旧財閥や皇室に品物を納めていた人らしい(代々、象彦の名前を継いでいるようだ)。全く知らなかったのだが、これは恐るべき作品が勢ぞろいしたものだと思う。

最後に日本橋三越のロビー彫刻、佐藤玄々の「天女(まごころ)像」を見る。これは「美の巨人たち」で取り上げられた、高さ11m、総重量6750キロ、鉄骨の基礎を用いた史上最大級の木彫なのだ。

これに関しては解説を加えるまい。拙い写真で恐るべきその威容を見てほしいと思う。















デパートの中に、こんなものがあるのだよ!



今日の美術館巡りはこれで終了。ふー、疲れた。

秋の東京2011 田舎の寿司屋さんで昼食

2011年09月17日 13時01分52秒 | 食べ歩き
この旅行の昼食は4回中3回がナポリタンなのだが(偏執的だ)、ぜひ見知らぬ田舎町の食堂でご飯を食べたいという気持ちも非常にあったのだ。土気の駅前を散策していたところ、あまり気取らない感じの寿司屋「M」を発見(定食などもいろいろある模様)。ちょうど時間も良いので、入ってみることにした。

各種のセットの中から、ちらし寿司(茶碗蒸し、サラダ、コーヒー付き)を注文。



ちらしのネタはカツオ、サーモン、鯛?、イカ、エビ、ホッキ、マグロ、タコ、玉子に生姜、奈良漬。正直、サーモンやホッキ、エビは北海道で食べる方が勝っているだろうが、何となく昼下がりに、座敷で食べるちらしが嬉しい。



ボリュームたっぷりで、最後にコーヒーまで飲んで終了。少し、ここでひと眠りしたいくらいの気分だが、そうは行くまい。もう2度と来ることがないかもしれない街の雰囲気を味わいながら、東京へ戻る。




→土気駅は少しおしゃれ。

秋の東京2011 美術館巡り2日目 千葉へ

2011年09月17日 11時59分30秒 | ART
9月17日、昨日飲みすぎたため、おかゆの朝食。しかし、おかずはそこそこ食べる。中華風スープとグレープフルーツジュースが体にしみる。



今日は8時過ぎから、有楽町線→京葉線→内房線と乗り継いで、千葉県の土気へ。



一体こんな場所まで何をしに来たのか…。そう、ご存知の方もいるだろう。(多分)話題の写実絵画専門美術館「ホキ美術館」があるのだ。

バスの時間までしばらくあったので、距離感がよくわからないままに歩いて美術館へ。炎天下の歩きで失敗だったが、約20分で到着。すでに結構な人が車に乗って訪れているようだ。





早速、展覧会場へ。ここは地上1階→地下1階→地下2階にギャラリーがあり、かなり充実した展示が見られる。

石黒賢一郎「VISTA DE NAJERA」:セピア色の風景で、写真っぽい感じ。
安彦文平「自然への感謝」:野菜が捧げられ、その向こうには壮大な風景。
五味文彦「銀器とガラス器」:写実絵画では、光の効果がよくわかる銀やガラス器が映える。

松田一聡「蛇」:どうも人物や静物がテーマ的に多すぎるような気がするのだが、これは枯れ木に這う蛇を描いており、少々異色な感じ。もっとテーマを工夫すれば、新しい発見が生まれると思う。
木原和敏「静かな森」:人の内面まで描き出すような人物画。しかし、人物画の好き嫌いは描かれている人が、好みのタイプかどうかに寄ってしまうような…(邪念が多くてすみません)

山本大貴「FORTUNE KEEPER」:ド派手なオウムとフルーツを描いた作品。
Dario Campanile「Outlow」:スイカを英字新聞で包んだもの。おそらく写実絵画でフルーツを描くときは、持ちのいい果物を使うのが一般的なのだろうが、そんなことは関係なし。何か斬新に感じられる。
Adolf Sehring「Man From Appalachia」:顔に苦労の浮かんでいる老人。

石黒賢一郎「SHAFT TOWER(赤平)」:炭坑跡を描いたもので、これも他にはあまりないメカっぽさが良い。
島村信之「西窓」:好みのタイプシリーズ2番目。
生島浩「5:55」:好みのタイプシリーズ3番目。菅野美穂みたいな女性の画。館長が「私の代表作」というテーマで制作を依頼したものの一つ。皆さん、力作が流石に多い。

さらに館長のコレクションとして、板谷波山、富本憲吉の作品が展示されていた。これがなかなか趣味の良い作品が多いのである。

写実絵画が好きな人は、ぜひ一度は行ってみるべきだと思う。お勧め。さすがにバスで駅へと戻る。