散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

東京出張ふたたび(17)

2013年04月26日 23時24分16秒 | 食べ歩き
酔った勢いで貿易センタービルの地下食堂街に突入。最後もそばで締めたい気もしたが、目につかなかったのでカレーだ。「K屋」で70円値下げしたと書いてある、からなべカレー(野菜カレー)というのを注文。枝豆の緑がいい感じだ。





さて、この後空港に向かったのだが、またもや着陸が30分遅れの表示。疲れきって23時過ぎに自宅到着。まあ、明日から3連休だから、何とかなるか。

あくまでも出張記、これにて完了。途中で出会った美術作品は別途紹介したい。

東京出張ふたたび(16)

2013年04月26日 18時19分00秒 | 飲み歩き・東京
浜松町に到着。



もう腹一杯であまり食べる気にならないが、この辺にバーはない。飲み中心となると…、そうそう「NC」があった。

店内にぐるりとある冷蔵ケースから好きな酒瓶を持ってきて、ついでもらう。1杯は60mlで、3杯セットだと少し割安になるのだ。いずれも長野県の酒で、「みすず特別純米」「十六代九郎右衛門」「瀧澤純米吟醸」。いずれも旨い。



ちょっとだけと、笹かまぼこをつまみにする。



冷酒一合ということになるのだが、これは結構酔うね。


東京出張ふたたび(15)

2013年04月26日 17時46分20秒 | 飲み歩き・東京
もはや出張とはほとんど関係がなくなっているこの旅、最後は新橋に到着。私のお気に入りの店「KU」に久しぶりに行こう。



この店、魚が旨いのだ。貝刺しセットもあるが、多分、ボリュームが多すぎるはずだ。燗酒といわし、ミル貝の刺身2点盛りを注文。





いわしは新鮮で旨い。ミル貝はツブほど硬すぎず、ちょうど歯が無理なく入るいい硬さだ。そして貝の味わいもしっかりしており、申し分ない。

少し腹が減って、赤ワインにメンチカツハーフ(1個)を注文。





こちらは熱々、肉汁ジュワジュワ。ドミグラスソースもいい感じだ。これにてかなりの満腹となり、浜松町方面へと歩く。


東京出張ふたたび(14)

2013年04月26日 16時43分28秒 | ART
上野に移動し、東京藝術大学美術館「春の名品選 藝大コレクション展」へ。



「絵因果経」:国宝。画が仏画的素朴さにあふれている。
狩野芳崖「不動明王」:妙に痩せた不動明王は目がくりっとした近代的な表情をしている。細かい所の上手さは芳崖ならでは。
下村観山「風」:木がなびき、雲が切れて月が姿を現している。風を描かずして風を描くという所。

五姓田義松「西洋婦人像」:線がシャープで緻密な人物画である。
山本芳翠「猛虎一声」:キラキラした虎。夜の空と雲がまたいい。
藤島武二「造花」:和服の上に白いエプロンをした、近代的女性が描かれている。

吉田博「溶鉱炉」:太古の神殿で火をともしているかのようだ。
橋本平八「花園に遊ぶ天女」:体に蝶や桜の花が彫られている木彫。処女の肌に影ずるらしいが、大丈夫か平八?
平田宗幸「州浜置物」:水面から飛び立つ瞬間の鳥が刻まれた彫金。

金丸峰雄「平象嵌四分一胎器(かたつむり)」:くるりと銅板をまるめたかたつむりが上手い。
五姓田義松「横浜亀橋通」:明治12年の少し都会化した横浜。
大野隆徳「日本橋」:印象派タッチの日本橋である。水の都といった感じだな。

近藤浩一路「京橋」:橋の上を都電が通っている。
一雄斎国輝[三代]「東京浅草公園 凌雲閣」:高さが52mあったのだとか。
前川千帆「有楽町駅」:ひらがなで「いうらくちやう」って書いてあるけど、本当にこんな表示だったのか。

小野忠重「市街・丸の内ビル街にて」:黒い太い線でビルが描かれており、ルオーっぽい印象。
小磯良平「彼の休息」:ラグビー青年の休息シーンだが、妙に精気が無くてどうしたのかと思わせる。

3階でやっている「FENDI — UN ART AUTRE」はパスだ。大学院の美術研究科文化財保存学専攻の学生が修復・摸刻を行った「研究報告発表展」はなかなか面白かった。やっぱり普通の素人が彫ったものとは、ひと味違う。



行く順番を間違えた気がするが、表参道に移動。最後に見るのは根津美術館「琳派の競演 国宝燕子花図屏風」である。

 

雰囲気のあるエントランスを歩く。





野々村仁清「色絵山寺図茶壺」:今まで見たことのない細やかさだ。
尾形光琳「燕子花図屏風」:テレビや本で見て、「プリントみたい」と思っていたのだが、その印象はそれほど変わらない。しかし、じゃあつまらないのかというと、そんなことはない。リズム感に目を奪われてしまい、類似の文様があることなど気にならないのだ。非常に良くできた、「名作デザインパターン」とでも言うべきものなのかもしれない。じっくり見るより、いすに腰掛けて何気なく見ると、庭の景色を眺めているかのようで、実はMOMAで見たモネの「睡蓮」を思いだした。
尾形乾山「色絵絵替角皿」:全て違う画が書いてあり、どれが当たるのか楽しみになりそう。

鈴木其一「夏秋渓流図屏風」:金地に山の緑、川の青、白い百合(右隻)と紅葉(左隻)が描かれたにぎやかな作品。
「弥勒菩薩立像」:3世紀の作品でまさしくインド顔。手りゅう弾のような薬壺が面白い。
宝慶寺「十一面観音立像龕」:この顔と衣の美しさは誰にでも分かる。頭部の11面はほぼ顔が壊されているのが不思議。
「地蔵菩薩立像」:すっくと立つ地蔵菩薩。唇の赤さが印象的。

「毘沙門天立像」:大らかでむっちりとした顔立ち。踏んでいた邪鬼は失われてしまったらしい。
「双羊尊」:両側が羊の頭部になっている珍し入れ物。
「饕餮文方盉」:変身ロボのように見える3個セットの非常に貴重なもの。殷王の所有品だった可能性が高いとか。

「饕餮文方彜」:神に供えるための酒、食べ物を盛る器だったらしい。ここには恐ろしい程いいものがある。東京国立博物館東洋館以上かも。
野々村仁清「色絵結文文茶碗」:シンプルにして抜群。

閉館が迫り、ちょっとかけ足で見ることになってしまったが、この美術館には仏教彫刻、中国青銅器、仁清・乾山、茶道具と見るものが多い。庭も立派らしいのだが、時間が無くて手前の方をちょろちょろ見ただけである。

「石像浮屠」朝鮮高麗時代 10世紀。こんなの庭に置いておいていいのか。



「金銅八角燈籠」。東大寺大仏殿の前にあるもののレプリカ。



「石造阿弥陀三尊像」。日本鎌倉時代、1310年のもの。



「石塔」(詳細発見できず)。



何だかもう凄いわ…。疲れきって美術館巡りは終了。

東京出張ふたたび(13)

2013年04月26日 14時53分43秒 | ART
私に似合わない六本木に来ているのは、サントリー美術館「「もののあはれ」と日本の美」のためである。

「豊明絵草子」:屋根が無く、上から描かれた源氏物語スタイルが、どこかマンガのカット割りのように見える。
「源氏物語図屏風」:今回は源氏づいているなあ。
松岡映丘模写「枕草子絵詞」:大雪が降ったので、人の背丈くらいの雪山を庭に作る場面。清少納言が帷子の隙間から見ているのだが「冬はつとめて」とか言っているのだろうか。

「西行物語絵巻」:妻を捨て、子をけり落として出家したそうなのだが、それでいいのか西行!
鈴木其一「四季歌意図巻」:縦10cm、横に細長い巻物。ミニチュア的な楽しさがある。
「新月蒔絵硯箱」:新月と言っても三日月くらいになって初めて良く見えるので、その頃の月らしい。水面にも全く同じ月があり、斬新。

田中訥言「若竹鶺鴒図屏風」:銀地の余白をたっぷり取った作品。
「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」:国宝。高さ20cmくらいとたっぷりのサイズ。螺鈿の埋め込み文様が綺麗だ。
「時雨螺鈿鞍」:国宝。螺鈿で葛の葉、松、文字などの文様を埋め込んだ鞍。曲面や角にも滑らかに螺鈿が入っていて凄い。

「宇治川蛍蒔絵文台・硯箱」:ホタルってあまり多いと怖いね。
「秋草蒔絵提重」:薄の葉のデザイン化が見事だ。
鏑木清方「桜もみぢ」:道中、いい所の娘さんと付き人(女)が休憩している所だろうか。ほんわかした作品。

国宝は4点出品されるのだが、同時に見られるのは最大2点なんだよね。まあ、しょうがないか。

サントリー美術館前の吹き抜け。バルーンが浮かんでいる。



三越前に移動して、三井記念美術館「特別展 河鍋暁斎の能・狂言画」。段々疲れてきた。



河鍋暁斎「猿楽図式」:1907年の作品か(訂正:1907年の出版です。河鍋暁斎はこの年には既にお亡くなりだそうです)。結構最近の人だったんだな。色がそりゃ綺麗に残っている。
河鍋暁斎「唐人相撲図」:唐の皇帝と相撲を取ることになった話。皇帝のポーズが愉快だ。
河鍋暁斎「能・狂言画聚」:舞台の様子と、時代・場所等の背景説明の場面をセットにした16面の図。色鮮やか。

河鍋暁斎・河鍋暁翠「十二ヶ月年中行事図」:暁斎が1~6月、娘の暁翠が7~12月を担当。暁翠は少し背景が淡白ながらも、なかなかどうして見劣りしない画を描いている。
河鍋暁斎「山姥図」:金太郎の母として描かれることがあったそうだ。着物の文様が細かい。
河鍋暁斎「閻魔と鵜飼図」:生前の所業を写す「浄玻璃の鏡」というのがあるそうだ。「ジョハリの窓」との偶然の類似性を感じる。

河鍋暁斎「道成寺図(鐘の中)」:舞台中なので、鐘の中に道具入れはあるわ、役者は鏡で姿を確認するわと面白い場面。
河鍋暁斎「狂言づくし」:楽屋がゴタゴタして楽しそう。練習中の人や、ふざけ合っている人、火鉢にあたる人などが登場。

もっと教養が深いとさらに楽しめるのだろう。

東京出張ふたたび(11)

2013年04月26日 10時54分19秒 | ART
昨日は仕事がらみの懇親会があったために帰られなかったのだ。従って、今日は移動日になってしまい、慌てて帰って仕事をするのも何だからという理由で休暇にしてしまったのも、私のせいではないのだ。

ということで代わりばえのしない朝食。新聞サービスなのは嬉しい。



まずは神谷町に移動して大倉集古館「大倉コレクションの精華1-中世・近世の絵画-」を見る。いや、その前に大倉集古館の建物と門前が既に凄い。

 

 



 

 



大倉さん、どうもありがとうございます。



冷泉為恭「山越阿弥陀図」:山河の上からのほほーんと阿弥陀がお出まし。おめでたい図だ。
「随身庭騎絵巻」:国宝。武芸に秀で、容貌・立ち居振舞の美しい者たちの絵巻。しかし、どうもヒゲ・出歯・デブ(特定の容姿を否定するものではありません)の男たちが目につく…
「酒飯論絵巻断簡」:酒好き、下戸で飯好き、両方好きな3人が酒と飯のどちらが上かを議論しているバカバカしい図。厨房内の料理シーンも描かれているのがいい。

「名将肖像図帖」:北条早雲、豊臣秀吉、太田道灌、山本勘介(片目だ)、織田信長(目がキツイ)、伊達正宗(片目だ)等
「一の谷合戦絵巻」:逆落としの図。弁慶が長刀を持って描かれている。
「虫太平記絵巻」:頭に蛇、ゲジゲジ、トンボ、クモ、カタツムリ等を付けた虫人間たちが登場。歌を歌う女は鈴虫だったりする。

安藤広重「飛鳥山・隅田川・佃島図」:かなり淡い色彩で描かれた作品で、浮世絵では、赤や青がきりっと目立つ印象だが、かなり違う雰囲気。
「如来立像」:5~6世紀の中国北魏時代の石仏。古典的な中国顔が特徴。いつ頃伝わったのだろう。
「普賢菩薩騎象像」:国宝。12世紀の作品で、思ったより大きい。象の頭からしっぽまで1m弱はあるだろうか。普賢菩薩の整った顔で一心に祈る姿がいい。これ、見たかったんだよね。

2階のテラスから。





歩いて泉谷博古館分館へ。六本木近くとあって、巨大なビルが立ち並ぶ。





テーマ的にはそれほど興味のない「特別展 住友グループ秘蔵名画展-花-」だが、歩いてすぐなのだ。見ない手はあるまい。



岡鹿之助「捧げもの」:花が顔のようにこちらを向いている。不思議な感性だ。
小倉遊亀「紫キャベツの静物」:キャベツを入れた鉢の外と内がクラインの壺のように連続して見える。
速水御舟「茄子」:葉っぱにも紫色が混じり、光のあたる陽の部分と陰の部分が対象的だ。

岸田劉生「冬瓜之図」:冬瓜の周りの完全な空白が目につく。
福沢一郎「花」:色彩を情熱的にぶつけた作品。彼にしては珍しいのでは。
小磯良平「牡丹」:緑の葉を背景に、ポーンと真っ赤な花を描いた作品。いつも思うが、上手いわ。

中川一政「椿」:だって俺の眼にはこう見えるんだもん派。
林武「花」:花以外の壁、花瓶、花瓶を置いてある台、葉っぱが全て緑。難しい技である。
毛利武彦「薔薇」:現代の作品とあって、エッジの効いた花だ。
アンドレ・ボーシャン「野花」:一瞬、ルソーかと。いやいやボーシャンだよね。

同一テーマで違う作家の作品を見ると、眼力がアップするような気がする。ここでも冷たいお茶で休憩。お茶サーバーは嬉しいな。



ここから六本木交差点の方向へと向かう。