散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

芸術の秋-東京(9) 名バーで心安らぐ

2014年11月01日 23時46分25秒 | 飲み歩き・東京
さて、今日の2軒目はバーに行きたい。前日バーでちょっと感心しないことがあったので、こういうときの人形町での救いはバー「N」であろう。前回の訪問からそれほどたってはいないので、私の顔も覚えていただいたよう。最初の1杯はオーソドックスに(じゃないか?)アクアビットフィズを注文。アクアビットの香りがいい。

鹿児島や福島に行った話をしつつ、2杯目はアクアビット+マスカット+レモンのカクテル。先日行った札幌のバーでもアクアビットとぶどうの相性が良かったのだが、今日もこの組み合わせはいい。

3杯目は「ブランデーらしいカクテルを」とお願いして、B&Bを頂いた。ごく当たり前のカクテルのようだが、ヘネシーがアートデザインボトルだったため、何だかとても美味しいような気がするのであった。



やっぱり良いバーは心のより所である。昨日のモヤモヤを吹っ飛ばした私は、日中の疲労感からホテルに帰ることにした。時間が早かったので、ホテルではチーカマ、あたりめをつまみに、ウイスキー水割り缶、梅サワーを飲んだ。

 

ちょっと寒い感じがしたので、バスローブを着てみる。ベッドに入るには暑いので、すぐ脱いで就寝。

芸術の秋-東京(8) 牛串

2014年11月01日 17時38分41秒 | 飲み歩き・東京
疲れた体で、一軒目は人形町近くで活気のある「S屋」へ。カウンターに腰を下ろし、今日はホッピー黒で行くことにした。この店は牛串が売りのようなので、食べ物は牛すじ、牛タン、牛しろの焼き物をタレで注文する。疲れたときにはタレ味である。それから合いの手にキムチも頼んでおこう。

 

しばし飲んでいるうちに牛串焼きが到着。皿には辛子が添えられている。さっそくすじから食べると、程よくとろけるところと歯ごたえのあるところが入り混じっている。やっぱり今の体調だとタレが正解だね。脂身の旨いしろ、かなり肉っぽいタンもまたいい。



ホッピーの焼酎をお代わりし、今度は豚のカシラ、シロコロ山椒焼きを注文。この店、もつ煮など一品料理で美味しそうなものもあるのだが、となりに来ていたポテサラ、煮込みの量がとても多いのだ。私の頼んだキムチも結構な量だったので、ここは串焼きだけにしておいたほうが無難な予感がする。





カシラは肉肉しさが堪能できる味。シロコロは山椒タレが効いてはいるものの、私としては少し脂っぽいかなという印象である。

思った以上にホッピーの焼酎が多めで、それゆえホッピーが残ってしまったので、もう一杯焼酎をお代わりする。最後の注文は牛ハツ芯(ちょっといいところなのだろう)、牛タンつくねとしておく。





牛ハツ芯はかなり脂の乗った味。牛タンつくねはつくねでありながらも、牛タンの味わいと歯ごたえも残っているというなかなかの傑作。ちょっと焼き物以外のつまみのボリュームが多すぎるのではないかという心配はあるものの、軽く一杯やるには非常に良い店であった。近くにあったらまた行くに違いあるまい。


芸術の秋-東京(7) パラス様

2014年11月01日 16時29分19秒 | ART
幸いなことにあまり混雑していない「ウフイツィ美術館展」を見ていこう。



■東京都美術館「ウフイツィ美術館展」。感想「パラスに撃沈」。
サン・ミニアートの画家「聖母の幼児キリスト礼拝 磔刑と聖フランチェスコと聖ヒエロニムス」:目の形に少女漫画の趣がある。
ドメニコ・ギルランダイオ「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」:色が鮮やかで気持ちがいい。これはテンペラのいいところだ。
ペルジーノ「哀れみのキリスト(ピエタのキリスト)」:フレスコの枯れた味わい。

ペルジーノと工房「悲しみの聖母」:信じられない生々しさ。これが1500年頃の作品とは。
ボッティチェリ「ロッジャの聖母」:かなり修復加筆されたらしいが、手の形の優雅さは素晴らしい。
ボッティチェリ「聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルとガブリエル」:ボッティチェリの描いた人の魂の無い虚ろな感じは、どうしてなのだろう。

ビアージョ・ダントニオ・トゥッチ「正義の寓意」:少女マンガに登場しそうな人物が象徴的に描かれている。やはり純真であってこそ「正義」を体現できるのだろう。
ボッティチェリ「パラスとケンタウロス」:今回の最高傑作はこの作品。隅々までの気合の入り方は他の作品とは一線を画している。しかし、何と言ったらいいのか、やはりこの「SM感」というか、パラスがスゴイ。逆らったら、顔色一つ変えずに往復ビンタされそうだ。



ボッティチェリ「十字架の道行」:罪人? を追いたてる男の鎧姿が非常に美しい。

ロッソ・フィオレンティーノ「男性の肖像」:黒服と帽子の男に、妙なリアリティあり。
ギルランダイオ「聖家族と洗礼者聖ヨハネ」:急にグレコ調になってきた。
ヴァザーリ「無原罪の御宿りの寓意」:内側から絵が光っているかのようだ。

「ウフイツィ美術館展」はそれほど混雑しておらず、割と順番にすっきりと見ることができた。これを見終わって16時。まだ時間があるともいえるが、もう体も脳も限界だ。ぐったりしつつ、人形町へ移動。早くも一杯やっていこう。


→この顔ハメはちょっと嫌だ。

芸術の秋-東京(6) 国宝地獄

2014年11月01日 15時00分53秒 | ART
ここから上野に移動して、国立博物館へ。チケットを購入するところで「日本国宝展は入場制限があり、10分ほどお待ちいただいています」というアナウンスがあったが、10分待ちならやむをえないだろう。チケットを購入して突入し、平成館の前で並んでいるうちに、雨が強くなってきた。



かなりの雨をしのいで、何とか入場。会場は込んでいるといえば込んでいるが、過去最悪の事態にはまだ遠い展覧会を見ていこう。



■東京国立博物館「日本国宝展」。国宝78点、正倉院宝物11点。感想は「これ教科書にでてる!」。
延暦寺「金銅宝相華唐草文経箱」:これは繊細な名品だ。
大和文華館「一字蓮台法華経 普賢菩薩勧発品」:一文字一文字の下にすべて蓮が描かれているという、恐るべき手の込んだ作品。
光明寺「当麻曼荼羅縁起絵巻」:字に力がある。25体の阿弥陀仏が繰り出してくるところがすごい。

東博「普賢菩薩像」:おお、見たかったやつだ。
京博「日本書紀」:おお! 日本書紀とあって、さすがに皆の足が止まっていた。平安時代に書写されたもので、文中に聖徳太子、冠位十二階、十七条憲法などの文字が見られるというまさに歴史そのもの。
大和文華館「寝覚物語絵巻」:フルカラー、綺麗だ。

来迎院「日本霊異記」:カニの命を救った人の話が書いてあった。カタカナで小さく「カニ」とあるのが可愛らしい。
雪舟等楊「秋冬山水図」:これ、意外に小さいんだよね。世界がひび割れつつあるというシュール作品にも見える。
厳島神社「金銅密教法具」:完璧に金ピカなまま残されている。

仙台市博物館「支倉常長像」:これ見たかったんだよね。仙台まで行こうかと思っていた。
相国寺「玳玻天目」:色合いよし。
法隆寺「広目天立像」:見るからに独自のお姿。邪鬼まで異国風である。

三千院「観音菩薩坐像、勢至菩薩坐像」:もし立ちあがったなら3~4メートルくらいの身長であろうか。中途半端な大きさが不気味な感じを醸し出している。
安陪文殊院「善財童子立像」:昨年国宝に指定されたもの。走り回りそうな軽快な感じが良く出ている。
正倉院「鳥毛立女屏風」:いやあ、これ本物だよ。驚きの出品。

ざっと駆け足で何点か紹介したが、とにかく出品されているものがすごい。他にも法隆寺「玉虫厨子」、東博「地獄草子」、平等院「雲中供養菩薩像」、「縄文のビーナス」、「合掌土偶」、「藤の木古墳出土品」などがある。

また、今日は出品されていないものとしては、「縄文の女神」「仮面の女神」「中空土偶」の土偶3連発と、志賀島「金印」(見たい)、朝護孫子寺「信貴山縁起絵巻」、藤原為家「土佐日記」、雪舟「天橋立図」(見たい)などがあるのだ。東京にいたら何回か行くのであろう。

さすがに展示物が全て国宝+正倉院御物とあって、さすがの私も疲れた。

会場内はかなりの混雑だったが、少し気を長く持てば見られない作品はない。また、私が見終わった後の頃は、入場待ち時間は無しのようであった。しかし、ぷんぷん怒っている人が何名かいたのは意外だった。東京の人は、せっかくこういうのを見る機会に恵まれているんだから、気を長く持たなきゃ。

■東京国立博物館「東アジアの華 陶磁名品展」。国宝1点。
渥美「秋草文壺」:こちらも国宝。
仁清「色絵月梅図茶壷」:派手すぎないすれすれの線。仁清らしい。
「緑釉女子俑」:中国の3級文物。緑の服にほんわかやさしい女性の顔。味がある。

「青磁竹櫛文水注」:竹の文様に瓜のような形。可愛らしい。
「青磁亀形水注」:韓国の国宝。怪獣をそのまま壺の形に丸めたような造形。青磁が濃いところと薄いところがあり、これもまたいい。
「青磁象嵌梅竹鶴文瓶」:細い竹の描写が繊細。淡い色もいい。



■東京国立博物館「常設展」。国宝4点(もっとあったけど)
「千手観音菩薩坐像」「四天王立像」:いいねえ~。



そのほか国宝は「江田船山古墳出土品」「片輪車螺鈿手箱」「寛平御時后宮歌合」「十六羅漢像」等があった。

とりあえず、本館の常設展と「東アジアの華陶磁名品展」も見て、体はぐったり。しかし東京都美術館に行かなくてはならない。


芸術の秋-東京(5) 古典的洋食店

2014年11月01日 11時32分27秒 | 食べ歩き
少し早いが、ここで昼食を取っておこう。最近、人形町から三越前まで歩くことが多いのだが、その途中で気になっていた洋食店「K」へ。11時過ぎとあって、先客はない模様。ハンバーグ・エビフライ・ハムカツがセットになった日替わり定食を注文する。

しばし待つと、日替わり定食が到着。ご飯、味噌汁、漬物にメインの料理が付いてくる。早速、ハンバーグを食べるとソースは美味しいが、ちょっとつなぎが多い感じ。だけど、そうがたがた言うことはないんじゃないか?



エビフライの揚げ具合と中の海老の感じも良く、ハムカツは昔ながらのペラペラな感じ(そこがいい)で、オーソドックスな洋食味に満足である。お店のおばちゃんがちょっと調子はずれな感じ(キッチンに「うち、スパゲッティできるんだっけ?」と聞いていたり、一度注文した人に「そちら何でしたっけ」と再度たずねていた)であったのだが、それは言いますまい。


芸術の秋-東京(4) 「東山御物の美」

2014年11月01日 10時53分01秒 | ART
6時起床。今日の東京の天気は良くないようだが、現時点では雨は降っていないようだ。



サービスの新聞を読み、少しぼんやり。腹が減ってきたところで、カップのピリカラちゃんぽんを食べる。少し辛さが表に出すぎている感あり。

 

美術館の開館にあわせ、9時過ぎにホテルを出発する。幸い雨は降っていない。



ちなみに今回の宿泊場所は水天宮前なのだが、水天宮自体は建て替え工事中なのだそうだ。

 

徒歩で三越前に到着し、最初に見るのは三井記念美術館「東山御物の美」である。幸い開館の10時頃にはそれほど客がおらず、第一グループとしてエレベーターで美術館に移動する。



■三井記念美術館「東山御物の美」。国宝5点。
「玳被盞鸞天目」:鳥や蝶の文様が入った名品。青とオレンジの色彩が、一見3D写真の模様のような色合いになっている。
「青磁中蕪花瓶 銘吉野山」:名前の通りの緑色。
「青磁輪花茶碗 銘馬蝗絆」:ほんのりと優雅で柔らかい花びら型。

「油滴天目」:ふちが金ぴかなのである。国宝。
伝胡直夫「夏景山水図」:うねった木と強い風の前にひとり立つ高師。空気を描こうとしている作品。
牧谿「老子図」:通称「鼻毛の老師」と言うだけあって、スゴイ。

伝呉道子「水月観音図」:カラフルでち密。これは素晴らしい作品。
伝周文、横川景三賛「芙蓉図」:この淡い感じは日本人好みだ。

他に国宝は伝趙昌「秋野牧牛図」、梁楷「出山釈迦・雪景山水図」、伝馬遠「風雨山水図」。

開館と共に入場し、約10名ほどが同時に入ったが、私は2室以降を先に見たので、まったく誰もいない状態で展示を堪能できた。何となく地味な感じがするからだろうか。