久しぶりにプロレスを見に、月寒アルファコートドームへ。試合の観戦記を簡単に書いてみたいと思う。プロレスを知らない人にも分かるように、丁寧な説明はできないので、あしからず。
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第8試合 IWGP選手権 ○武藤vs中西×
入場前のビデオは挑戦者中西にかなり期待を持たせるようなつくりになっていた。しかし、入場シーンでは華のある武藤に軍配。場内も武藤支持のムード。 序盤はしばらくグラウンドで手探り状態。中西はアマレス出身だが、こういう時、柔道出身の武藤のグラウンドが意外とうまい。
しばし、手足を取って攻め合うが、中西の怪力ぶりが光る。 プランチャの攻防から、エプロンに立った武藤に中西がマッケンロー(足刈りラリアット)。その後、強引なマフラーホールドで武藤の膝を攻める。古傷を攻められ、武藤の動きが止まる(ま、普通の状態でも歩行困難なわけだが)。
その後、1回目のアルゼンチンバックブリーカーは、全く武藤の腰を攻めていない段階だったため時期尚早。中西、本当に何も考えていない感じ。
途中で左肩を痛めたようにみえた中西に、武藤得意のフルコース開始。場外での首へのドラゴンスクリュー、左肩へのドロップキック、逆十字、三角締めなど、さすがに上手い。
中西は大中西ジャーマンを出すが、満を持してというよりなんとなく流れの中で出してしまい、自分のダメージも大きく、フォールに行けず。中西2回目のアルゼンチンからヘラクレスカッターに行こうとしたところで、武藤がジタバタして逃げる(この攻防予想通り)。
その後は前から後ろからシャイニングウィザード。中西途中までは両腕でブロックするが、攻め手が見つからず防戦一方。もう一度首へのドラゴンスクリュー(エグイ技だ)をはさんで、最終的に武藤のムーンサルト一発で中西撃沈。武藤、動けないなりにワールドを構築し、磐石の防衛。
会場内「大武藤コール」で、会場の連中にお前ら新日ファンかよ! といいたい。私は新日ファンじゃないのだが、「中西の挑戦も最後だろうなあ」と思うと、突然、中西応援に回ったのだが、残念ながら勝つ要素はなかったかなあ。
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第7試合 IWGPタッグ選手権 真壁、○矢野vsバーナード、フーラー×
怪しい風貌の新外国人フーラーだが、体つきは良いし、パワーもある。力では圧倒的に押している外国人組(挑戦者組)だが、真壁がチェーン攻撃でバーナードを流血させ、ペースを握る。
バーナードがリング外で倒れる中、フーラーが孤軍奮闘。バーナードがよみがえって、マジックタワーを出すも、スリーカウント入らず。(確かレフェリーのタイガー服部が倒れてたんだったかな?)
フーラーがムーンサルトのポーズでコーナーに登ろうとするところを、真壁がまたもチェーンで一撃。矢野がすかさずパワーボム(鬼殺し)。フォールの体制に入るとタイガー服部が、とつぜんリングに滑り込んで、怪しいスリーカウントでチャンピオン組の防衛。
反則でペースに巻き込むところは上手いが、試合としては凡戦。
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第6試合 IWGPJrタッグ選手権 獣神サンダーライガー、×AKIRA vs 稔、プリンス・デヴィット○
試合開始から、終始チャンピオンチームの流れで防衛は揺るがない雰囲気。稔、デヴィットの攻めは単発で、勝てる感じがしない。後半、AKIRAのムササビプレスが華麗に炸裂(さすがにフォームがいい)。さらにライガーが肩車した相手に、AKIRAのムササビダイビングアタック。さすがに俳優経験のあるAKIRAは、たたずまい、技の綺麗さが光る。
ところが最後にダッシュしたライガーの足を稔がひっぱり、一人飛び出したAKIRAに対して、デヴィットが飛びつき前方回転えび固めでフォール。ライガーのいつもの小芝居「スリーカウント入ってないだろ」「俺はまだ余裕だった。負けてない」がひとしきり行われるが、新チャンピオン誕生。
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第5試合 ○天山、蝶野vs石井、カール・アンダーソン×
入場時、「お、天山のテーマ曲だ」と思ったら、その後蝶野は自分のテーマ曲で別々に登場。蝶野の方が圧倒的に歓声多い。パートナーが新日内にいないため蝶野と組まざるを得ない天山。悲しいことに蝶野リングインの時に、小さく拍手してしまう。蝶野に媚びてる場合じゃないだろ、天山。
なんとなく組まれたタッグ戦なので、試合はグダグダ。天山は調子悪いせいか、全然技がでない。蝶野はケンカキック、シャイニングケンカキック、STF、ダイビングショルダーと一通りの技をそつなくこなす。 石井は態度は生意気で悪ぶっているが、しっかりした基本に忠実なレスラー。どちらかというと天山がおされ気味。会場は同情モードで天山を応援。かろうじて、アンダーソンにTTDを決め、どさくさ紛れのフィニッシュ。これまた凡戦。
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第4試合 永田、長州、×平沢vs中邑○、後藤、ミラノコレクションA.T.
この中では、永田が動きのメリハリのよさで際立っている。対するのは中邑か。後藤は弱いやつには強いが、もうひとつな感じだ。
それぞれある程度の見せ場を作った後(ヘビー級の中では、ミラノの見せ場が少なく残念だ)、平沢に対して唐突に後藤が牛殺し(もっと技を大事に使ってはどうか)。すかさず中邑のランドスライドでフォール。
まあ、この試合順なら、こんな内容かな。長州力のテーマ曲でもあまり長州コールは起きず。もう試合に無理に出なくてもよいと思う。
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第3試合 ×飯塚vs井上○
飯塚は入場時から手にギプスのようなものを付け、凶器を持っての入場。しかもレフェリーチェックを受けず、試合が始まってもリングに入ろうとせず、もやもやした感じ。
やっとリングインするも、飯塚自身は目立った攻撃なし。ヒールというより、体の調子が悪いのではと心配になるほどだ。途中で凶器(鉄の爪)を出すが、井上に叩き落されて、レフェリーに拾われるという無様な状態。そこをついて井上の足決めトライアングルランサーが出て、こりゃ勝てるかもという雰囲気になったところで、GBHの邪道・外道が乱入し、飯塚反則負け。
飯塚のヒールは凄くもなければ、悪くもないというダメダメヒール。井上がもう少しで飯塚に勝ちそうだった、というイメージ底上げだけかな?
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第2試合 越中、S・S・マシン、田口vs邪道・外道・本間
越中登場時から、「越中コール」爆発。さすがに会場人気があるなあ。平成維新軍のテーマ曲を聴くと、何だか胸が熱くなってくる。 試合は越中のヒップアタックを中心に展開。
マシンのラリアット、セントーンといつもの技もでて、「よし魔神風車固めだ」と会場も盛り上がったところで、本間がマシンの頭部にイス攻撃。すかさずダイビングボディープレスでマシンをフォール。マシン弱くなったなあ。
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第1試合 タイガー、○石狩、吉橋vs裕次郎、内藤、岡田×
若手中心の中で、タイガーの動きは別格。石狩太一も昔に比べると落ち着いて、安定感が出てきたなあ。その他の新日メンバーは特にこれといった見所もなく、石狩のシュバイン?(何か違う名前らしい)からフォール。CIMAの技というイメージが強いので、ちょっとどうかなあ。
会場は予想より若い世代(10代、20代)も多く、まだ見る人いるじゃんという感じ。しかし、ちびっ子の姿はなく、プロレス界の将来は危うい気がする。帰りに知人2人と南郷13丁目の居酒屋で感想戦。そこでも今日の興行自体の感想より、プロレスの将来の話になり、暗いムードが漂った。