長い国で、しかも四方を海に囲まれた日本列島。ですからこの国には様々な魚を食する文化があります。有る地域では、雑に扱われていても、またあるところでは高級魚。そんな事例もよくあります。
このゲンゲ科、カンテンゲンゲBothrocara tanakae (Jordan and Hubbs)はそんな魚のひとつでしょう。名古屋ではゲンゲの仲間を食することはあまりないようですが、ゲンゲの仲間の大消費地ともいえる北陸地方(富山湾のノロゲンゲが有名)と距離的に近く、鮮魚として取り扱われています。しかも名古屋では㎏800円と高め。購入は「貝沼商店」さん。名古屋高速高架下すぐにお店をかまえます。ここでは以前にもタラの白子や、シマゾイなどを購入しています。マグロや、ノルウェーのタイセイヨウサケも扱っています。
ゲンゲの仲間にもいろいろいますが、本種はシロゲンゲ属というグループに属します。日本産はノロゲンゲ、カンテンゲンゲ、シロゲンゲの3種。
写真は、肛門周辺の画像です。肛門付近の鱗は、円形で、まばらに配列されます。ノロゲンゲは楕円形で、直角に(!)配置されます。画像がないので、比較してお見せできませんが・・・
シロゲンゲとの簡単な同定方法は胸鰭の形状です。カンテンゲンゲはやや尖り、シロゲンゲは丸みを帯びています。このシロゲンゲの画像もないのですが・・・また、両眼の間隔も見分けるポイントになります。
このカンテンゲンゲは、岩手県宮古産です。3.11震災後、岩手の魚の入荷は途絶えていましたが、先月に市場が復旧したようで、またたくさん入ってくると思われます。どんどん食べて、応援しましょう。
ちなみに鍋で食したところ、味はまあまあ。コラーゲンがたっぷり。ただ市場魚介類図鑑で紹介されていました、「唐揚げ」にしてたべた方が美味しかったかもしれません。次の課題です。