魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ツノダルマオコゼ

2011年07月16日 15時54分45秒 | 魚紹介

オニオコゼ科の魚のツノダルマオコゼSynanceia horrida (Linnaeus)です。ツノダルマオコゼは日本では2種のみが知られている、オニダルマオコゼ属のうちの1種です。写真の個体はフィリピン・サマール島で漁獲された個体で、「鈴鹿」さんに頂きました。体長は69mmでした。

ツノダルマオコゼは、オニダルマオコゼと非常によく似ています。ただし、いくつかの特徴で区別することができます。

まず、眼の上にツノ状の突起があります。オニダルマオコゼも頭部の上方がやや高くなっている場合がありますが、ツノ状にはなりません。また、第2・第3背鰭棘の間に鰭膜がなく、深く切れ込む点も特徴です(オニダルマオコゼでは、鰭膜があります)。他、胸鰭軟条数が16軟条で、オニダルマオコゼよりも少ないものです。

生時はオニダルマオコゼと同じく薄い皮をかぶります(写真では、除去済み)。体色はオニダルマオコゼ同様に変異があり、あてになりません。

オニダルマオコゼと同じく、背鰭棘、臀鰭棘、腹鰭棘にたいへん強い毒があります。日本では体長160.4mmの標本(1990年に八重山諸島で漁獲された個体)に基づき記録されていますが、大きいものでは50cmを超えるそうです。

日本からの報告について、詳しくは吉野ほか(1997)を参照してください。日本魚類学会のページからも、PDFファイルでダウンロードできます。

吉野哲夫・昆 健志・桜井 雄. 1997. 日本初記録のオニダルマオコゼ亜科魚類 Synanceia horrida ツノダルマオコゼ  (新称) . 魚類学雑誌. 44(2); 97-100.

コメント (2)
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