今日は5月28日。ブログ6周年の記念日です。
今日のフィリピン魚はタンザクテグリAnaora tentaculata Grayです。タンザクテグリはネズッポ科の魚で、サンゴ礁域に生息する小型の種類です。
ネズッポ科といえば、釣り人におなじみの「外道」であるヤリヌメリやハタタテヌメリ、大きくなり天ぷらにして喜ばれる「ヨメゴチ」「ネズミゴチ」などの魚があります。これらの種類はおもに日本の沿岸に生息しているものですが、サンゴ礁域にもさまざまな種類のネズッポが生息しています。このほか、水深200mの深海に生息するもの、亜寒帯の寒い海にすむものまでおります。分布域も南日本、三大洋から地中海まで、世界中の温帯から熱帯までの広範囲におよびます。
タンザクテグリは西部太平洋の浅いサンゴ礁域に生息するものです。日本でも沖縄に分布しています。水深30m以浅のサンゴ礁域や、その周辺の藻場、海草場などにみられます。成魚でも全長6㎝ほどの小型種。
腹面には大きな斑点があり、ヒョウのような雰囲気もあります。大阪のおばちゃんは好きかな?
ネズッポの仲間は間鰓蓋の棘に特徴があります。本種では内側の突起が1本のみなのが特徴です。
ネズッポ科の魚は背鰭棘が「ぴん」と張っている、あるいは伸びるものが多いのですが、本種の背鰭は丸く、鰭が伸びたりすることはないようです。
フィリピンには30種近くのネズッポ科魚類が生息していますが、このタンザクテグリ属は本種のみの1属1種です。