昨日に続き、以前購入した魚のご紹介。フエフキダイ科のヨコシマフエフキである。ヨコシマフエフキはキツネフエフキに似ているが、吻がやや短い。また背鰭棘条中央下における側線上方鱗数(TRac)が5(キツネフエフキは6)であることにより見分けることができる。
ヨコシマフエフキの胸鰭。黄色っぽいが、上縁と中央部が青緑色できれい。キツネフエフキも似たような模様を持っているが、色彩の変異は多いようだ。ムネアカクチビにあるような胸鰭基部付近に赤色斑はない。
しかし胸鰭をめくるとこのように、赤い模様が出現する。なお、胸鰭基部に鱗はなく、キツネフエフキなどと近縁種であることをうかがわせる。この特徴はほかにシモフリフエフキ、アミフエフキ、ミンサーフエフキ、フエフキダイなどと共通である。
ヨコシマフエフキはアミフエフキなどと異なり、あまり水中写真では見たことがない。おそらく他種と混同されているのだろう。分布域は西太平洋~中央太平洋であるが、ハワイ諸島には生息していない。国内では高知県柏島からも幼魚の記録はあるが、成魚は鹿児島県以南に分布している。釣りなどで漁獲され、食用となり市場にもでる。今回は鹿児島の田中水産 田中積さんより。ありがとうございました。