魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

フエカワムキ

2022年06月15日 21時54分00秒 | 魚紹介

昨日のトゲキホウボウ同様に、この魚を紹介するのも久しぶり。フグ目ベニカワムキ科フエカワムキ属のフエカワムキ。2009年以来の登場。

フエカワムキの特徴は非常に長い吻である。この吻は食性に起因するようである。この種は魚の鱗を捕食する「スケールイーター」であり、この長い吻は鱗をこっそり食するのに都合がよいのだろう。フエカワムキ属は日本からニュージーランド、南アフリカに生息する本種のほか、インドネシアから東アフリカ沿岸に生息するもう1種が知られているが、非常によく似ている。ただしこの種は日本には産しない。日本産種ではナガカワムキというものが本種に似ているが、口の幅がフエカワムキよりも狭いことや、背鰭第三棘がフエカワムキよりもかなり小さいことで見分けることができる。フエカワムキは英語ではTrumpetsnoutというが、トランペットのような吻という意味である。まさしく、見た目の通りの名前だ。

フエカワムキは食用にすることもできる。これは塩焼きにしたもの。長い吻がないと、フエカワムキとわかりにくい。尾鰭の部分は焦げてしまった。

ベニカワムキ科ではベニカワムキが比較的浅い場所(70m以深)にも出現し、ごくまれに非常に状態がよい個体が採取され、水族館やアクアリストによる飼育例がある。しかしこのフエカワムキは深海性で水深200~400mほどの場所に生息するため、生かして水上にあげるのは困難であり、水族館でも飼育されたことはないようだ。最も本種は鱗を主に食するので、奇跡的にうまく漁獲されても餌で問題が発生するだろう。

今回の個体も「深海魚ハンター」さんから頂いた個体。いつもありがとうございます。

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