魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

イチモンジブダイ

2022年06月27日 15時59分25秒 | 魚紹介

今回も沖縄の魚。以前ご紹介した、ヒトスジモチノウオと同じハコに入っていたブダイ科魚類の一種。イチモンジブダイという魚である。

イチモンジブダイの若い雄

イチモンジブダイはアオブダイ属のもので、雄は眼の下に、口から伸びる青い線を有しているのが特徴である。また尾鰭はピンク色の線があり、成長するとこのピンク色の周辺が長くのびていくが、この個体は標準体長202mmと小型であるためか尾鰭は伸びていない。もう少しすると体がもっと青くなり、頭部に大きな暗色域が入るが、この個体はまだ小さく性転換してすぐのようで、まだそのような頭部の色彩にはなっていない。成魚では全長40cmを超える。

イチモンジブダイの雌

イチモンジブダイの雌。雌は赤みを帯びた色彩で、体側に広い暗色域がある。また生きているときなどは暗色域が薄く、青っぽい模様が入ることがある。このため、雌の同定が難しいものが多いアオブダイ属の中にあって、本種は比較的雌でもほかのブダイ類との同定はしやすい。同様にヒブダイ、カワリブダイ、ヒメブダイ、アミメブダイ、オグロブダイ、ナガブダイなどは比較的雌雄の区別は容易である。また幼魚は体側の横帯が薄いことや尾鰭が黄色っぽいことなどにより、ほかの同属魚類の幼魚と識別可能とされる。

分布域は西-中央太平洋域で、インド洋ではクリスマス島(オーストラリア)など東部に限られ、西インド洋には産しない。またハワイ諸島にも生息していない。

近縁種にはトリカラーパロットフィッシュというのがいる。この種の雌は全身が黒っぽく尾鰭と臀鰭が赤~橙色、眼が黄色という色彩で鱗が黒く縁どられるなどスゴイ色をしていてほかのブダイとの見分けができるが、雄はイチモンジブダイに似る。しかしトリカラーパロットフィッシュの場合眼の上にも線が入るので見分けることができる。トリカラーパロットフィッシュは南アフリカ~ポリネシアにまで広く分布しているが、日本からの報告はないよう。しかしフィリピンにはいるので日本に出現するかもである。もしかしたらイチモンジブダイと混獲されて気が付いていないだけかもしれない。

石垣島で水揚げされたイチモンジブダイの雄

こちらは石垣島の魚市場でみられた個体。海の中では青い美しい色彩であるが陸にあげると黄色が目立つようになる。本種は全長40cmを超えるため食用としてよく漁獲されており、刺身などで美味である。藻類を食するほか甲殻類も食べるようである。

コメント
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