魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

オニヒラアジ

2022年09月03日 22時16分44秒 | 魚紹介

この間のイトウオニヒラアジに続いて、またすごいアジが届きました。スズキ目・アジ科・ギンガメアジ属のオニヒラアジ。オニヒラアジは琉球列島では決して珍しいものではないのかもしれないが、私は初めて入手した種類である。

体側には小さな斑点が散らばっている。しかし幼魚や若魚にはこの模様がないことがある。この斑紋はカスミアジにも似ているが、カスミアジの体には青い輝く斑点があるのに対し、このオニヒラアジには輝く斑点がない。また体色もカスミアジのようなブルーというよりは、金色に近い色彩であることが多い。

もう一つオニヒラアジの重要な特徴としては鰓蓋上部に白い三角形の斑紋があること。ギンガメアジにはこれがないことや稜鱗の色彩(ギンガメアジでは明瞭に黒色、オニヒラアジは明瞭な黒色ではない)などの点で区別できる。イトウオニヒラアジもこの斑紋がなく、オニヒラアジと区別できる。

幼魚はギンガメアジやロウニンアジ、カスミアジなどと同じく本州の太平洋岸にも姿をあらわすことがあるが、数はギンガメアジやカスミアジなどと比べると少ないのか、残念ながら私はまだ見たことはない。もしかすると、ギンガメアジやカスミアジと異なり、河川汽水域にはあまり入ってこないのかもしれない。沖縄では内湾やサンゴ礁域でのルアー釣りでよく本種が釣れるようである。もっとも私はこの手の釣りはしないので、オニヒラアジには出会えないのかもしれない。「門川の魚図鑑」では、オニヒラアジは水揚げされているのをほとんど見ない、とあるから、九州以北では少ないのかもしれない。「沖縄さかな図鑑」では岸から釣れる中型の「がーら」は3㎏前後のオニヒラアジであることが多い、とあり、やはり沖縄のほうに多いのだろうか。

今回のオニヒラアジは刺身でいただいた。市場でも見られるが、釣り人が出会うことのほうが多いのかもしれない。思えば2020年の秋以降、色々なギンガメアジ属魚類を食している。2020年秋までカスミアジ、ギンガメアジの幼魚しか食したことはなかったが、同年の秋にミナミギンガメアジの若魚、2021年1月にミナミギンガメアジの超大型個体、6月にギンガメアジの成魚、今年は7月にイトウオニヒラアジ、そして8月に本種をついに食することになった。日本産ギンガメアジ属魚類は、ほかにロウニンアジとカッポレがおり、これらを食するのが楽しみである。今回の個体は鹿児島の田中水産 田中積さんより。ありがとうございました。

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