魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アヤメエビスとクロオビエビス

2022年12月27日 14時29分48秒 | 魚紹介

こんにちは。もう年末に近い12月27日。元AKB48メンバーであり実業家(焼肉店経営)、内田眞由美さんの29回目のお誕生日です。おめでとうございます。クリスマスはとうに過ぎたにも拘わらず、クリスマスカラーの魚。キンメダイ目ないしイットウダイ目・イットウダイ科・イットウダイ属のアヤメエビスという魚。そして、このアヤメエビスにはそっくりさんがいる。同じ属の近縁種、クロオビエビスである。

アヤメエビスとクロオビエビスの2種は、以前このぶろぐでも取り上げてきたが、近縁種同士で非常によく似ている。一応、アヤメエビスは体背側面に1~2本、クロオビエビスは体背側面に4~5本の暗色帯を有しているのが特徴とされている。しかし、最近、クロオビエビスの色彩の特徴を持つ種が関東以南の太平洋岸で採集されている。関東近辺ではイットウダイの仲間は少ないとされるがそれでもテリエビスやナミマツカサなどは毎年見られるようである。

四国南部で採集されたもの。体背側麺に複数の暗色帯があり、クロオビエビスのほうになりそうである。背鰭も魚類検索で図示されているクロオビエビスによく似ている。一方、四国海域で大量にみられるアヤメエビスは成魚が多々見られるものの、幼魚はまだ見たことがない。逆にアヤメエビスは成魚を見るのに、クロオビエビスの大きいのは見ない(もっとも、17cmほどの種らしい)。もしかして、この2種はこのくらいのサイズ、もう少し大きいサイズでは見分けがつかない可能性もあると思われる。さらに西洋でも混乱があるらしく、地中海でクロオビエビスが発見されているというが、クロオビエビスはインドー太平洋に広くいるものの、インド洋と地中海の間にある裂け目、紅海には生息していないという。ただ、本当に「アヤメエビス=クロオビエビス説」を主張するならば、全世界のアヤメエビスとされるものとクロオビエビスとされるものを分子分類のレベルで研究するべきである。もちろん、その中に日本の千葉などで見られるアヤメエビスorクロオビエビスも含められるべきだ。一方別種である場合、よく似た模様を示すのはコミュニケーションをとるためといえるかもしれない。この仲間は赤い色が美しいが、水中では青に吸収されてしまう。だから幼魚のころはアヤメエビスもクロオビエビスのような色をしているのかもしれない。この仲間は単独で見られることも多いのだが、色が近いと何かと有利になると思われる。

もう一つ頬の鱗の列数でも見分けられるという。「魚類検索」ではアヤメエビスで5、クロオビエビスで4である。ただこの鱗列については「ダブり」もある可能性があるため、確実ではないかもしれない。いずれにせよ、この2種の関係は今後も詳しく調べられるべきだろう。なお、イットウダイ科は従来キンメダイ目とされたが、Nelsonは2016年版の「Fishes of the world」内ではキンメダイ上目のイットウダイ目としている。

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