魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ハゲブダイ

2022年06月18日 12時42分08秒 | 魚紹介

以前沖縄で購入した魚のご紹介。スズキ目・ブダイ科・ハゲブダイ属のハゲブダイ。これは雄型で緑色の体が特徴である。この個体の体側には大きな黄色斑があるのだが、本種の場合色彩の変異が激しい。雌も同様で、尾柄に黒色斑がある個体が多いが、そのような模様を持っていない個体も多い。ただし黒色点がない場合は白い点が数個あるため見分けられる、という。幼魚もほかのブダイ同様しましまで、同定が非常に難しいというか、困難である。

ハゲブダイの腹部の特徴はいくつかあるが、一つ目の特徴は腹部に2本前後、細い線が入ることである。これによってシジュウカラなどと見分けることができる。

ハゲブダイ雄の頭部。頭部には眼の前方に両眼をつなぐピンク色の線があるとされるが、この個体では不明瞭である。また、眼の後方には1~2本の短い線が入るのも特徴である。オオモンハゲブダイの雄にみられるような眼後方から伸びるオレンジ色の模様はない。ただし、オオモンハゲブダイの雄にもごくまれにこのオレンジ色の模様を持たないものがいるようである。

日本では駿河湾以南の太平洋岸に分布しているが、本州~九州で見られるのはほぼ幼魚のみであり、死滅回遊魚とされる。成魚が見られるのは屋久島以南のよう。海外ではインドー太平洋域にいるが、インド洋での分布は極東部に限られる。一方ハワイ諸島に分布しており、日本とハワイ両方に分布している唯一のハゲブダイ属魚類である。ハワイにはほかにスペクタクルドパロットフィッシュというハゲブダイ属魚類が知られているが、この種の吻、眼の前には独特の斑紋がありオニハゲブダイにも似ている。なお、従来ハゲブダイの学名はChlorurus sordidusとされていた。しかしこれはインド洋や紅海に生息する種とされている。日本を含む西太平洋産のものはChlorurus spilurusという学名を使うのが正しいようだ。

ハゲブダイは食用魚で、青い色彩が鮮やかな本種の雄は那覇の公設市場ではよく見られる種である。しかし大きさは30cmほどと比較的小型。より大きくなるナンヨウブダイのほうが鮮魚店などではよく見られるようだ。なお八重山諸島ではChlorurus capistratoidesという種類も水揚げされたことがあるがまだ標準和名はついていないようである。


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