魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

イバラヒゲを食べる

2017年05月26日 01時39分09秒 | 魚紹介

先週のことになりますが、またも面白い深海性魚類を入手して美味しく食べました。タラ目・ソコダラ科・ホカケダラ属のイバラヒゲです。

イバラヒゲは分布が広く、北太平洋の緯度が高い地域に多い魚です。日本では土佐湾以北の太平洋岸と北海道オホーツク海の深海に生息しています。大体水深1000mほどの場所に多い魚です。今回は写真のような立派な個体が2匹も届きました。

日本産のホカケダラ属魚類は16種ほどいますが、本種は口がやや大きいこと、第2背鰭起部は臀鰭よりも前にあること、上顎歯は外側のものが大きく内側のものは歯帯状になること、腹鰭は8または9軟条であるなどの点で日本産のホカケダラ属の多くの種と区別することができます。しかしそのためには少なくとも頭部を側面から撮った写真、口腔内の写真、腹鰭の写真がないと同定は困難です。もっとも、ソコダラの仲間はほとんどの種が写真から同定することは困難なのですが・・・。上の写真は口腔内の写真です。歯が意外と強く、取り扱いには注意が必要かもしれません。

ソコダラの仲間の鱗は触ると引っかかるような感じがしますが、これは鱗ひとつひとつに大きく鋭い棘の列があるためです。ソコダラ科の一部の種はこれが同定形質となることがあります。ホカケダラ属の魚は大型になる種が多く、ムネダラは1.4m、ダイコクヒゲも1mを超える大きさになります。ただムネダラはAlbatrossiaという別属にされることもあります。たしかに、耳石の形状などはムネダラはほかのホカケダラ属のものとは違う特徴もあるのですが・・・。

●イバラヒゲを食べる

ソコダラの仲間はいろいろ食してきたのですがイバラヒゲは初めて食べます。ソコダラの仲間は刺身が美味しいのですが、その体形から、あまり大きくない個体は刺身では食べにくいのです。冬は鍋物で美味ですがこんな暑いときに鍋なんて食いたくないよー。昨日は涼しかったけれどこの間ドジョウ採集に行ったときは気温が30℃近くになっていました。

左の小鉢は鰾をゆでたものなのですが溶けていて味もありませんでした。

お刺身。きれいな白身です。脂が多いとおもったのですが脂は意外と少ない感じでした。

胃も食用にします。あらかじめ反転させてよく洗浄します。上が反転させる前の胃、下が反転させて洗った後の胃。

今回のイバラヒゲは雄でした。ということで白子もゆでて胃袋と一緒に。ぽん酢で食べます。

肝臓。ソコダラ類の肝臓は種類により味が若干違うのが面白いです。今回の個体は見た目こそほかのソコダラと似た感じですがかにみそのような味がしていました。作り方は簡単で、肝臓をゆでてっ潰すだけです。

ムニエルはタラの仲間とはよく合います。やわらかくて非常に美味しいものです。今回の魚は神奈川県「さかな人」長谷川大樹さんに送っていただきました。ありがとうございました。


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