昨日はサケビクニンについていろいろ書いた。一方で近縁種のザラビクニンの話もした。ザラビクニンの画像を探したところ、なんとか出てきた。2010年と古い写真ではあるのだが。昨日の記事の論文によれば、dark morphotypeになるだろう。生鮮時は桃色を帯びた褐色である、というが、一度冷凍したらこのように濃い茶色で、背鰭・臀鰭の後方と尾鰭は真っ黒である。
一様に茶色の個体だが、腹膜だけは灰色っぽい色、わずかに色素があるように見える。
胸鰭には大きな欠刻があり、オグロコンニャクウオなどと区別することは可能。胸鰭下方の軟条は糸状に伸びる。アラスカビクニンにも似ているが、この種類とは鰭膜の色が違うようだ。検索図鑑では胸鰭も後縁が黒い、となっているが、後縁というよりは、全体的に暗色のように見える。
この個体は兵庫県産の個体だという。この手の魚は北の冷たい海にいる、というイメージが強いが、深い海なら西日本にも出現する。分布域は大体島根県近海まで。コンニャクウオ属の魚はほかにもバラビクニン、アラスカビクニンなどが山陰の日本海岸で漁獲されている。全長30cmを超えるが、ほとんど食用にされることはない。
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