今日はコバンザメ科のコバンザメEcheneis naucrates Linnaeusを食べた話です。コバンザメを食べたのは2回目なのですが、前回はブログの記事にしていませんでしたので、これでようやく書きます。コバンザメ科の魚は何度か記事を書いていましたが、コバンザメは初めてです。
高知県古満目大敷産
コバンザメの仲間は、「サメ」の名がありますが、実際にはサメなどを含む軟骨魚類ではなく、硬骨魚類でスズキ目・スズキ亜目に含まれています。世界で4属が知られ、9種が有効とされます。日本には8種が分布しています。
コバンザメといえば、その名が示すように頭頂部にある小判状の吸盤。吸盤の板状体は18-28と幅がありますが、スジコバンの9-11よりも多いです。それ以外のコバンザメ科の魚類とは、細長い体、胸鰭先端がとがる、臀鰭軟条数が多い、脊椎骨数が多いなどの特徴によって区別されます。
下顎は上顎よりも長いです。
コバンザメの刺身です。体は細長いですが、普通の魚とさばき方は変わりません。肉はご覧のように白身です。
コバンザメによく似た魚にスギ科のスギという魚がいますが、スギは吸盤を持っていません。このスギは沖縄や台湾などでは養殖もされているほどの魚で、肉は脂がよく乗りカンパチの代用品として扱われていたことがあるのです。本種については乾燥させることや水煮にすることにより赤痢・喘息・肺結核・肝臓・滋養強壮の薬に用いられたことがあるといわれますが、本当に効くのか真偽は不明です。
刺身は美味なのですが、写真に見える緑色の部分は臭みがありました。この個体は定置網の中でウルメイワシをよく食べていたようで、その色素やにおいがついてしまったかもしれません。
スギRachycentron canadum (Linnaeus)です。写真の個体はやや小ぶり。大きいものは1.5mに達します。コバンザメ同様に大型魚に付随して泳ぐ習性がある。写真の個体は三重県南伊勢の漁師さんからいただきました。ありがとうございます。
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