魚の写真をうまく撮るには、頭を左に置き、魚の全体像がうつるようにするのが一番良い。しかし、どうしてもそれだけでは、種類がわからないものも出てくる。それがトウゴロウイワシの仲間たち。
トウゴロウイワシの仲間 (ギンイソイワシ属) は、日本にはトウゴロウイワシ、ギンイソイワシ、オキナワトウゴロウ、標準和名がないHypoaterina woodwardi の4種が分布しているとされる。しかし、日本など北西太平洋のものはまだ分類学的な検討が必要らしく、種類はさらに増えるかもしれない。この4種のうち本州の沿岸で見るのは、ほぼ前2種なので、とりあえずはこの2種の見分け方を紹介したい。
トウゴロウイワシ
ギンイソイワシ
トウゴロウイワシとギンイソイワシも並べてみたが、写真からは明瞭な違いは見いだせない。魚類検索で示された計数による形質によると、この2種は、形質的にもかなりよく似ており(背鰭棘数のみ若干異なるが、この仲間は細くて小さいので背鰭をたてにくい)、横からの写真からでは同定は困難なのだ。
そこで、腹面を見る必要がある。
トウゴロウイワシ
ギンイソイワシ
トウゴロウイワシの肛門は、腹鰭の後端より前に開孔するが、ギンイソイワシでは腹鰭の後端より後方に開くのが特徴。この仲間は2種とも日本の磯ではよく見られるものなので、ぜひチェックしてみてほしい。今回は、同じトウゴロウイワシ科の別属、ムギイワシを紹介できなかったので、これが採集できれば、また改めて書きたいと思う。ムギイワシの場合、頭部に小棘列があるのが特徴だ。
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