昨日マトイシモチをこのぶろぐで書いたばかり。でも、この種も紹介できていなかったのであった。
スズキ目・テンジクダイ科・ツマグロイシモチ属の、テンジクダイ。
このテンジクダイも前回のマトイシモチと同様に宇和島沖の小型底曳網漁業で多数が採集された。生時体はピカピカに光っていて、透明感もあるというなんとも言いにくい色。体側には何本かの細かい横帯があるので、日本に分布するこの属のほかのものと区別できる。海外にはよく似たjaydia smithiというのがいるが、これは体側の横帯の数が少ないようだ。ただし、同定は難しいよう。
死後の様子。死後は灰褐色になり地味ではあるが、体側の横帯は残るので他種と区別できる。第2背鰭には目玉模様がないのでマトイシモチとの区別は容易。本種の第」2背鰭には点列状の縦帯が入る。
先ほども述べたようにこれらはいずれも小型底曳網で漁獲されたもの。小型底曳網はエビやタイ、アマダイなどを狙うのだが、このようなテンジクダイの仲間も3種ほどは採集されるのである。昨日のマトイシモチは水深50mほどの海底に多く生息しているが、本種はこのようなやや深い海底のほかに、水深数mしかない浅場にも見られる。私も5月に水深3~4mほどの場所(漁港)で本種を釣っている。分布域もかなり広く、北海道~九州までのほとんどの場所に見られ、瀬戸内海や日本海にも多く分布する。全国的にメジャーとはいえないが、本種がよく獲れる地域では食用にされている。
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