久し振りに京都のシーフーズ大谷さんでまた魚を購入しました。クサアジVelifer hypselopterus Bleeker, 1879という魚です。クサアジは「アジ」と名前がついていますがアジ科の魚ではなく、アカマンボウ目の魚になります。
我が家には鰭をたたんだ状態でやってきました。この魚が・・・
こうなります。背鰭や臀鰭の基部に鱗鞘があり、これがあるから鰭をたためるのでしょうか。熱帯性のツバメウオの仲間のように鰭を広げた姿が大変美しい種類で、鰭膜にも斑点が入るなど姿だけでなく色彩的にも大変美しい魚です。
しかも今回は我が家に2匹もやってきたのでした。30cmを少し超えるくらいのサイズのものと、40cmオーバーのもの。40cmオーバーのものは雌で卵を持っていました。
さらにクサアジは口をのばすことができます。口を進出させる魚にはアジやヒイラギの仲間、クロサギの仲間、マトウダイの仲間、アカマンボウなどがありますが、本種はその中でも口をのばす方法がアカマンボウに近いタイプで、それでアカマンボウの仲間に入れられているのでしょうか。
●クサアジを頂く
クサアジの刺身。小骨は少なく脂ののりはとても良いものでした。美味なものです。
卵は風味に欠ける。
●クサアジの仲間
クサアジ科の魚種は世界で2種。どちらの種類も日本に生息しています。
こちらは一昨年に頂いたヒメクサアジMetavelifer mutiradiatus (Regan, 1907)という魚です。昭和水産の宮本さんに送っていただきました。この種は背鰭の鰭条の1本がとくに長く伸長するなどの特徴があり、今回食べたクサアジと区別できます。
クサアジとヒメクサアジはそれぞれ別の属の魚です。一方でクサアジと呼ばれるものの中には2つのタイプがあり、研究が必要とされております。背鰭と臀鰭の鰭条数が異なるようですが今回の個体の背鰭は2棘32軟条、臀鰭は棘条・軟条トータル24条でした(いずれの値も小さい方のものを計測、大きいのの計測は忘れてしまいました・・・)。ちなみに今回の2個体、ヒメクサアジ、いずれも鹿児島県近海で漁獲された個体です。鹿児島では多くみられるのでしょうか。
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