キヘリモンガラ Pseudobalistes flavimarginatus (Rüppell)
お笑いでの「ボケとツッコミ」というのは笑ってみていられるのですが、この魚の突っ込みは非常に危険です。
●分布
キヘリモンガラは基本的に熱帯の魚ですが、南日本の太平洋岸にも生息しています。これは流れ藻などの浮遊物につくためです。日本海でも年によっては見られます。
海外では紅海、南アのナタール(Natal)沿岸~中部太平洋トゥアモトゥ諸島に至る地域に分布していますが、これはインド・太平洋熱帯域の広域に分布しているということがいえます。
●生息環境
サンゴ礁域、その周辺の砂底に生息しています。Fishbaseによると、水深50mの場所にまで見られるようです。幼魚は流れ藻やブイなどについています。
●繁殖
卵は付着卵です。親は卵を保護する習性があります。卵を保護するのは基本的に雌で、砂底に作られた巣に近づくものには「突進」攻撃をくらわします。そしてこの魚は歯が強く、突進されると怪我をする恐れもあります。
●分類
フグ目モンガラカワハギ科に属します。フグ目の分類については従来様々な議論がなされてきましたが、2亜科に再編されています(中坊編(2000))。モンガラカワハギ科はカワハギ科、ハコフグ科、フグ科などとともにフグ亜目に含まれています。モンガラカワハギ科は12属、42種類が報告されています。
●仲間
本種はキヘリモンガラ属に含まれます。キヘリモンガラ属は日本から2種類が報告されています。同属のイソモンガラは主に琉球列島に分布し、個体数は本種に比べ少ないです。
太平洋の東部にはストーントリガーフィッシュPseudobalistes naufragium (Jordan and starks) と いう種類が知られています。この種類はモンガラカワハギ科魚類中最も大きくなり、全長1mにも達するようです。こんなのに突っ込まれたら、危ない、危ない。
●飼育
飼育は単独をお勧めします。他の魚との同居は鰭などをかじるためむずかしいです。
流れ藻につくサイズのキヘリモンガラ。
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