フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2014第3戦、中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。ペア・ショートプログラム(ジャッジスコア)。
ナターシャ・ピューリッチ/アンドリュー・ウォルフ(カナダ) SP:56.14(5)
「Three Hours Past Midnight」♪ ピューリッチは昨季、高橋成美の前パートナーであるマーヴィン・トランと組んで四大陸選手権5位だった。
ムーディーなエレキのメロディにのって、3回転ツイスト、ソロ3回転トウループ、スロー3回転ルッツなど次々要素を決めていく。男性の脚の間を女性がくぐってからデススパイラルなど、工夫もいろいろ。新ペアの好スタート。
王雪涵(Xuehan WANG)/王磊(Lei WANG)(中国) SP:57.27(2)
「ロマンス」♪ 昨季の中国杯では4位。やわらかな楽曲でゆったりした滑り。スロー3回転ループの高さに会場が沸く。リフトの下り方も工夫がある。ソロスピンで男性が転倒したのが惜しい。
アリナ・チェルニャフスカヤ/アントニノ・ソウザ-コルディエル(ロシア) SP:46.74(8)
「ムーン・リバー」♪ 昨季までジュニア、シニアのGPシリーズ初参戦。オードリーのような黒いドレス。アンディ・ウィリアムスの懐かしい歌声にのって、スローをきれいに決めた。ソロジャンプでやや乱れ、ソロスピンでタイミングがずれてしまったが、なかなかいいプログラム。
ヴェラ・バザロワ/アンドレイ・デプタット(ロシア) SP:56.85(4)
「マイ・ウェイ」♪ ユーリ・ラリオノフとのペアでオリンピックを2度経験したバザロワと、昨季世界ジュニア4位のデプタットが新たなペア結成。ソロジャンプで女性が転倒、ソロスピンは途中少しずれたが、高さと距離の出るスロージャンプ、ダンスリフトからそのまま行うツイスト、下り方が複雑なリフトなど見所は多い。
昨季はコミカルな振付にも挑戦していたバザロワだけど、やっぱりこういう感情移入するタイプの曲が好きそう。
ジェシカ・カララン/ジャック・シデュ(アメリカ) SP:54.66(6)
「My One and Only」より♪ ソロジャンプはちょっと乱れたが、ツイストやスローの技術は確か。今まであまり見たことないペアだけど、なかなかいい雰囲気を出せる。
于小雨(Xiaoyu YU)/金楊(Yang JIN)(中国) SP:57.03(3)
「Yulunga (Spirit Dance)」♪ 昨季ジュニアで負けなしのペアがシニアに上がってきた。民族音楽系の曲で、振付も独特。ソロジャンプの3回転トウループが決まり、ステップからツイストと見事。スロージャンプはほぼ下りてたのに結局転倒してもったいなかった。男性が女性をまたいでからポジションに入るデススパイラルなど、細かいところで凝っている。
客席に、金博洋がいた。ジュニア勢が応援に来ていたのかな
ニコーレ・デラモニカ/マテオ・グアリゼ(イタリア) SP:53.48(7)
プロコフィエフ「シンデレラ」♪ ベルトン/ホタレックが突然の解散で、イタリアのペアを引っ張る存在に。ソロジャンプで女性が転倒、スロージャンプもステップアウトとジャンプ系は惜しかったが、ぴったり合わせたソロスピンできれいにしめくくった。
彭程(Cheng PENG)/張昊(Hao ZHANG)(中国) SP:69.11(1)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「アラビアの踊り」♪ 完璧にシンクロしたソロ3回転トウループから入る。スパイラル姿勢でエッジをキャッチしたままデススパイラル。スロー3回転ループ、ツイストも抜群の安定感。ひねりのきいた振付も自信を持ってこなしていた。
中国勢がトップ3を占め、バザロワ/デプタットが4位につけた。2位から7位までが4点差くらいなので、表彰台はみんなにチャンスがあるかも
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2014第3戦、中国杯(カップ・オブ・チャイナ)開幕
最初の種目はアイスダンス・ショートダンス(ジャッジスコア)。パートナー組み換えカップルがどんな滑りをするか?
趙悦(Yue ZHAO)/鄭汛(Xun ZHENG)(中国) SD:41.88(8)
「Torero」「Farrucas」♪ 黄欣彤(Xintong HUANG)と組んで2度オリンピックに出場した鄭汛が、昨季までジュニアの趙悦と新たなカップルを結成。冒頭のツイズルがきれいに合って波にのれた。すごく迫力があるというわけではないが、わりとバランスのいいカップルになりそう。
エレーナ・イリニフ/ルスラン・ジガンシン(ロシア) SD:60.48(4)
「カルメン」♪ オリンピック銅メダルのイリニフ/カツァラポフと世界選手権7位のシニツィナ/ジガンシンがパートナーを交換する形で新カップル結成。長いスカートを持って翻しながら、情熱的に演じた。カップルとして息が合っていくのはこれからだけど、相性は悪くなさそう。ノータッチステップやリフトはなかなかよかった。
王詩玥(Shiyue WANG)/柳鑫宇(Xinyu LIU)(中国) SD:49.50(6)
「A Bad Kitty」「Farewell to San Ricardo」「Diablo Rojo」♪ 今年20歳のカップルがシニアGPシリーズ初登場。イリニフ/ジガンシンほどスピードはないが、丁寧な滑りでシャープな動き。途中交差するノータッチステップがわりとよかった。振付はパスクワーレ・カメレンゴ氏。
張伊伊(Yiyi ZHANG)/呉楠(Nan WU)(中国) SD:44.90(7)
「Un Amor」「Cancion Triste」「Patio」♪ 女性が大柄なカップル。今季は課題がスパニッシュリズムなので、赤や黒の衣装が多いが、このカップルはブルー系。わりと洗練された動きだった。
アレクサンドラ・ポール/ミッチェル・イスラム(カナダ) SD:56.46(5)
「Nocturno」「Farruca」♪ ツイズルのシリーズ間にステップのような動きがあるのが面白い。安定した技術という感じ。振付はこちらもカメレンゴ氏。
ガブリエラ・パパダキス/ギョーム・シゼロン(フランス) SD:62.12(3)
「Escobilla」「Farruca」♪ つなぎの振付が凝っている。前半は比較的ゆったりと、後半テンポが上がっていくリズムでノータッチステップ。今年19歳と20歳、まだ若いけどすごく大人っぽい。
マイア・シブタニ/アレックス・シブタニ(アメリカ) SD:65.20(1)
「アストゥリアス変奏曲」「The Last Corrida」♪ ギターが中心のクラシック系の音楽が二人によく合っている。高速ツイズルがぴたりとはまり、腕一本でさっと背中に持ち上げるリフトがカッコいい。
アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ(イタリア) SD:62.70(2)
リムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」♪ 世界チャンピオン登場。こちらもクラシックの曲で、今季の課題としては端正な振付。ツイズルはシブタニ組ほどぴったりシンクロではなかったが、プログラムとしては見ごたえがある。
結果、シブタニ兄妹がトップに立ち、カッペリーニ/ラノッテが2位、3位にパパダキス/シゼロン。組み換えカップルではイリニフ/ジガンシンが4位と好発進。
シブタニ組は2011年NHK杯以来のGPシリーズ優勝なるか? フリーも楽しみ
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2014第3戦、中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
羽生結弦の今季初戦、田中刑事のシニアGPデビューはいかに?
関宇航(Yuhang GUAN)(中国) SP:63.69(8)
チャイコフスキー「バイオリン協奏曲ニ長調」♪ 曲名がこれでいいかどうか不明^^; 冒頭に4回転トウループ+2回転トウループを決め、3回転ルッツ、後半にダブルアクセル。ステップの動きも悪くない。スピンはちょっと回転遅い感じだったけど^^; 持ってる力は出せた。
王一(Yi WANG)(中国) SP:57.29(10)
ショスタコービッチ「ワルツ第2番」♪ 軍服風の衣装。4回転予定が2回転になり、トリプルアクセル転倒。3-3コンビネーションは頑張った。振付はカメレンゴ氏。
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル) SP:76.96(5)
ヴェルディ「椿姫」♪ 冒頭に距離のあるトリプルアクセルを決め、4回転トウループも下りた。自己ベストを7点も更新
田中刑事 SP:56.82(11)
「Instinct Rhapsody」♪ シニアGP初登場。4回転予定のサルコウが3回転に、アクセルがシングルになり、コンビネーションは少し着氷で乱れた。大きく動くエネルギッシュなステップには拍手も。
キム・ジンソ(韓国) SP:62.46(9)
「Beat For Beatniks」「The Girl With Sun In Her Hair」「Green Onion」♪ 腕白坊主!って感じの17歳。膝をやわらかく曲げて着氷するトリプルアクセルは高さがあった。ルッツが2回転になったが、コンビネーションはこれも深く膝を曲げてこらえる。元気のいいステップ、なかなかいい。
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン) SP:69.46(7)
「アヴェ・マリア」♪ 何かロビン・フッドの時代?みたいな衣装。トリプルアクセル、3回転ルッツ+3回転トウループ、3回転フリップとジャンプにミスなし。ゆったりしたボーカルの中で、激しい動きのステップを心をこめて演じた。達成感にガッツポーズ。
キス&クライで「謝謝、大家」。
ナム・グエン(カナダ) SP:72.85(6)
「シナーマン」♪ 男性ボーカルにのって、軸の細いトリプルアクセルから。ルッツのコンビネーション、フリップもしっかり決める。ストンプの細かい音にあわせていく軽妙なステップ、折々に見せる決め顔もいい。
閻涵(Han YAN)(中国) SP:79.21(3)
「If I Were a Rich Man」♪ コメディ系ミュージカルのシーンのような味。はるか遠くまで跳んでいくトリプルアクセル、ちょっと軸がはずれた。4回転はぎりぎり? 3回転ルッツのコンビネーションも若干乱れた。テンポアップする終盤のステップ、だら~んとするポーズなども入って面白い。
リチャード・ドーンブッシュ(アメリカ) SP:77.23(4)
「The Sons of Italy」♪ 4回転サルコウから、ちょっと片手をついた。トリプルアクセルはきれいに入り、コンビネーションはセカンドが2回転に。しかし軽やかで音とぴったりシンクロするステップ、イナバウアーからのフライングキャメルは姿勢がきれい。
マクシム・コフトゥン(ロシア) SP:85.96(1)
ラベル「ボレロ」♪ 全身黒でシャープに見せている。4回転サルコウ+3回転トウループ、4回転トウループを決める。アクセルがダブルになったが、ステップの動きもシャープになっていた。
羽生結弦 SP:82.95(2)
ショパン「バラード第1番」♪ 静かに音を聴いてから滑り出す。イーグルからトリプルアクセル、下りてまたイーグルの流れ。ブレードにのっていく一つ一つの動き、美しい。後半4回転トウループが3回転に。3回転ルッツでステップアウトしてコンビネーションにできず。
・・・どうしちゃったんでしょう、、、 「いつもより少しだけジャンプを跳ぶタイミングが早かった」(解説・佐野稔氏談)。
ステップとシットスピンがレベル3止まり。このあたりも修正したいところ。とはいえ、演技構成点はトップ。
結果、コフトゥンがトップに立ち、羽生が2位、3位に閻涵、4位ドーンブッシュ。自己ベスト更新のビチェンコが5位、ナム・グエンが6位。人気者のミーシャ・ジーはフリー後半に入るにはちょっとだけ足りずに7位。
GPデビューの田中刑事が11位、、、一番下ってことは、あとは上がるだけ!
羽生も田中刑事も、フリーで力が出せますように
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2014第3戦、中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
アンネ・リーネ・イェルセム(ノルウェー) SP:41.93(10)
「Fly」♪ 水色の爽やかな衣装。語りかけるような女性ボーカルにのって、まずダブルアクセルがきれいに入った。コンビネーションは第1ジャンプでステップアウト、3回転はオーバーターンしたが、初めてのGPシリーズ、頑張った。
アシュリー・ケイン(アメリカ) SP:39.80(11)
「ミッション・インポシブル」♪ 官能的な黒のつなぎスタイル。ジャンプがどれもクリーンに下りられず、コンビネーションにできなかった。ビールマンやI字スピンはきれいだったんだけど。
キム・ヘジン(韓国) SP:44.72(9)
「ポーギーとべス」より「サマータイム」「It Ain't Necessarily So」♪ GPシリーズ2週連続出場。3回転ルッツ+2回転トウループ、3回転フリップと着氷したが、アクセルが1回転で痛そうな転び方してしまった。全体ではよかっただけに、キス&クライで口惜しそう。
ポリーナ・エドマンズ(アメリカ) SP:50.32(7)
「Buleria」「Tango Serenata」「Introduction to Buleria」♪ ブルーの衣装でラテンのリズムを刻む。3回転ルッツで転倒、次のフリップと後半のダブルアクセルは決めた。きれいな姿勢のキャメルスピンでは拍手。スピンの入り方もターンからそのままと工夫している。
ガブリエラ・デールマン(カナダ) SP:58.49(4)
ヴィヴァルディ「冬」「アート・オン・アイス」♪ 雪の結晶のような白の衣装。元気よくスピードにのって滑り出し、ダイナミックにコンビネーションジャンプを決める。ウィンドミルを入れるスピンや、キレのいいステップもよかった。
李子君(Zijun LI)(中国) SP:53.66(5)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「花のワルツ」♪ 地元期待の選手、ローズピンクの衣装で登場。冒頭のコンビネーションは素晴らしい出来だったが、3回転ループでステンと尻餅。片手ビールマンやI字スピンは美しい。指先や首の動きなど、細かいところも気を配ることができるようになっている。
クリスティーナ・ガオ(アメリカ) SP:47.15(8)
「リバー」♪ 大人っぽい紺の衣装。やさしい女性ボーカルで、しっとりと滑る。トウループの3-3はセカンドジャンプが両足、3回転ループも両足着氷。素敵なプログラムではある。
ヴィクトリア・ヘルゲション(スウェーデン) SP:52.00(6)
ケイト・ブッシュ「This Woman's Work」♪ こちらも女性ボーカル。3回転ループは片手をついてこらえ、トウループの3-2はOK、ダブルアクセルは少しオーバーターン。片手をつくスパイラルが印象的なステップは素敵。
村上佳菜子 SP:60.44(3)
「オペラ座の怪人」より「Think of Me」♪ この人には珍しい、パステルオレンジの衣装。目の覚めるようなトウループの3-3 フリップはちょっとステップアウトしたが、ダブルアクセルはきっちり。スパイラルがいいアクセントになり、ソプラノの声にぴったり合わせた動きからレイバックスピンで盛り上るフィニッシュ。このプログラム、いいものになりそう。
エリザヴェータ・トゥクタミシェワ(ロシア) SP:67.99(2)
ラベル「ボレロ」♪ コストナーとはぜんぜん違う、トゥクタミシェワのボレロ。スムーズなトウループの3-3、ルッツも軽やか。盛り上がっていく音楽の勢いそのまま、緩急のあるステップ。後半のダブルアクセルはスパイラル姿勢の後に片手上げで。パーフェクトに決めた。
ユリア・リプニツカヤ(ロシア) SP:69.56(1)
「Megapolis」♪ 赤白ボーダーシャツに真っ赤なスカート、昨季より可愛い系かも トウループ3-3、フリップ、後半のダブルアクセルとジャンプ完璧。ステップも体がよく動いていて、キャンドルスピンや超絶I字スピンもいつもどおり。
リプニツカヤが首位に立ち、1.57差でトゥクタミシェワが2位、村上佳菜子が3位につけた。デールマンが4位、地元の李子君が5位、ヘルゲションが6位。アメリカ勢が3人とも7位以下でフリーは前半グループとは、意外
佳菜子ちゃん、フリーもこの調子で