フィギュアスケート・グランプリシリーズ2018第1戦スケートアメリカ、女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
日本から本田真凛、坂本花織、宮原知子が出場。
<G1>
ソフィア・サモドウロワ(ロシア) SP:64.41(3)
「Nyah(ミッション・インポシブ2)」♪ 黒のスリップドレス、手の甲にバラのペイント。きびきびと動き、スケートはよく伸びる。フリップ・トウ3-3、片手上げのループ、ダブルアクセルと問題なし。降りた瞬間にきれいなポーズを決めるので見栄えがいい。
昨季ジュニアグランプリファイナルに進出して6位、世界ジュニアには出ていない。シニア1年目で早速活躍できるか。
メーガン・ウェッセンバーグ(アメリカ) SP:60.20(6)
「You Don't Own Me」♪ 紺系にストーンたくさん。両手上げ3回転ルッツは片手をついたが、トウ・トウ3-3はスピードに乗って幅のあるジャンプ。後半ウォーレイからダブルアクセル。
決まるたびに笑顔を振りまき、大きなイーグルで盛り上げる。地元の観客をしっかり味方につけた。
アレイン・シャルトラン(カナダ) SP:46.99(11)
「Paint It Black」♪ 黒、スカート部分に白。ダブルアクセルをきれいに決めたが、ルッツが2回転になって無効0点に。3回転ループは少しスピードが落ちたが、頑張って2回転トウループをつけた。ヘアカッターのレイバックスピンでチェンジエッジをしたとき、ややバランスを崩した。
今季カナダ女子は休養や怪我があって、彼女一人なので頑張ってほしい。
スター・アンドリュース(アメリカ) SP:56.03(9)
ジョージ・ガーシュウィン「サマータイム」byエラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング🎵 ピンクベージュにストーンたくさん。きれいなトウ・トウ3-3を決めるが、ダブルアクセルの着氷で弾かれて転倒。単独ループは下りた。
しっとりした曲調と滑りが溶け合って、いい雰囲気を出していた。彼女によく似合っている。
ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア) SP:58.42(8)
「And the Waltz Goes On」アンソニー・ホプキンス♪ ブルー系の透ける生地。ルッツ・トウ3-3は高さも幅も十分、と思ったがトウループは回転不足。ダブルアクセルは大きくターンから、これまた高さと幅が見事。3回転フリップはちょっと両足になってしまった。
柔らかい動きだがしっかりスピードもあって、いい流れ。レイバックスピンはビールマンまでしないのは、あまり体が柔らかくないのかも。
第2グループの選手紹介で、日本勢には大きな歓声。日本から相当な数のファンが駆けつけているようだ。同時に、本田真凛は拠点をアメリカにしたことが知られていているのかな。宮原知子は昨年のチャンピオン、一番声援が大きかった。
<G2>
ロランヌ・ルキャヴァリエ(フランス) SP:59.57(7)
「Maktub」♪ 緑がかった黒、襟元にゴールドの飾り。トウ・トウ3-3をぎりぎり下りたと思ったがセカンドはダウングレード。3回転ルッツを片手上げで鮮やかに下りる。中東風の曲に合わせた振付でほどよくお色気を振りまき、リズムによく乗っているステップ。ダブルアクセルもいい流れで決まった。
新しいコーチのコリ・エイドさんと相性良さそう。
本田真凛 SP:62.74(4)
「Seven Nations Army」♪ 赤、左肩から背中に黒の羽飾り。髪はアップにして。アルトゥニアンコーチと滑りながらタッチして出てきた。のっけからコケットな視線で歓声。スピードにのってループ・トウ3-3を決め、3回転フリップもきれい。ダブルアクセルは下りてすぐキックの振付。
明らかに昨季より体力がついた感じで、一歩がよく伸びている。力強く音とよく合ったステップはレベル4をもらった。
最後まで勢いが落ちないプログラム、終わった瞬間に大きくガッツポーズ。得点には少し思う所あり? 回転不足2つとコンビネーションスピンのV(基本姿勢が2つしかない)判定が今後の課題か。
ルーナ・ヘンドリクス(ベルギー) SP:54.13(10)
「It's All Coming Back To Me Now」セリーヌ・ディオン♪ 白からピンクのグラデーション。両手上げの3回転ルッツ、ステップアウトして手をついた。ダブルアクセルはよかったが、3回転フリップでもステップアウトしてコンビネーションにできなかったのが痛い。
一つ一つのポジションをはっきり見せて、最後にI字から片手を離すコンビネーションスピンでは大きな拍手が起こっていた。
ブレイディ・テネル(アメリカ) SP:61.72(5)
「Rebirth」♪ 振付はブノワ・リショー。ブルー系。冒頭のルッツにループを続けようとして1回転に。3回転ルッツはちゃんと下りていただけに、もったいないことになった。ダブルアクセル、フリップはきれいに決めている。
今日も動きがシャープで指先まで丁寧に表現。
坂本花織 SP:71.29(2)
「From My First Moment」♪ 藤色とピンク。髪はおろして。エリック・サティ「ジムノペディ」に女性ボーカルをつけた曲で、大きなフリップ・トウ3-3に“おおっ”という声があがる。ダブルアクセルも雄大に、3回転ループはほぼ予備動作なく跳んでみせた。
力強さの中に女性らしさも滲み出た、素敵なプログラム。終わったときは小さいガッツポーズだったが、高得点に笑顔。プレゼントのクッションで顎の下にタワーを作っておどけていた。
宮原知子 SP:73.86(1)
「Song for the Little Sparrow」♪ ブルーグレー、背中を大きく見せるデザイン。坂本花織の後に見ると、ルッツ・トウ3-3は“小さい”印象になってしまうが、きっちり回っている。スプリットジャンプからのダブルアクセル、3回転フリップとしっかり決めた。
滑っていくうちに、どんどん存在感が大きくなっていくのがわかる。ちょっとした間の取り方、視線の送り方、この曲を1人の女性が生きている感じがする。ステップが美しいと思ったらレベル4。レイバックスピンの姿勢変化が音とピタリと合って、完璧なフィニッシュ
浜田コーチ、リンクサイドで大喜びしていたが、戻ってきたさっとんに軽くダメ出し?! 得点を見たさっとんは軽く頷いて、大喜びではない。理想は高いのだ。
結果、宮原知子が貫禄のトップ、2位に坂本花織。3位サモドゥロワとの差は6点ちょっと。2点弱の差で4位本田真凛、5位テネルも1点差でついてきているので、表彰台争いに入ってきそう。
明日のフリーは日本時間の朝5時から 早起きできたら見よう
フィギュアスケート・グランプリシリーズ2018第1戦スケートアメリカ、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル) SP:69.69(10) FS:127.78(8) 合計:197.47(9)
「Bram Stoker's Dracula」♪ 白フリルシャツ。ルッツ・トウ3-3、トリプルアクセル+2回転トウループと序盤は良かったが、ループはダブルに。2本目のアクセルでステップアウト、オイラーを挟むジャンプもダブルだった。
激しい動きのステップやコレオは悪くない。
ケヴィン・レイノルズ(カナダ) SP:61.62(12) FS:124.01(10) 合計:185.63(11)
黒系。4回転サルコウ転倒、次の4回転予定らしいトウループは2回転に。トリプルアクセルには2回転トウループをつけられた。ただその後にも4回転を狙ったトウループが2回転になってしまい、3回目で0点に
フリップ・ループ3-3はカッコよかったが、ジャンプはやや不調だったか。スローパートのステップは引き込まれる。
モリシ・キヴィテラシヴィリ(ジョージア) SP:68.58(11) FS:136.54(7) 合計:205.12(8)
「Mozart L'Opera Rock」♪ 白シャツに黒ベスト。4回転予定のサルコウ、トウループが2回転に。トリプルアクセルはしっかり決めてイーグルにつなげる。後半に4回転サルコウにチャレンジ、惜しい転倒。
モーツァルトに扮したプログラム、
ナム・ニュエン(カナダ) SP:69.86(9) FS:143.13(6) 合計:212.99(6)
「La La Land」♪ ブルーのシャツ。きれいなサルコウ・トウ4-2、単独4回転サルコウと続けて決める。ステップの後にトリプルアクセルも入ったが、2本目はパンク。フリップ・オイラー・サルコウ3-1-3も入る。
伸びやかなコレオで盛り上げて、最後にループで締めるところが2回転になったが、それなりにまとまった演技。
ジミー・マー(アメリカ) SP:71.53(7) FS:113.53(12) 合計:185.06(12)
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」♪ 黒から赤のグラデーション。4回転で転倒、アクセルのパンクもあったが、力強い滑りと勢いに何か不思議な魅力の選手。
本人は出来に納得できず、キス&クライではしばらく俯いていたが、拍手には笑顔でこたえた。
ロマン・ポンサール(フランス) SP:71.48(8) FS:116.44(11) 合計:187.92(10)
「カルメン」♪ 黒系。明らかに4回転予定のトウループが2回転、トリプルアクセル2本とも転倒。ルッツ・トウ3-2など3回転は安定していた。
コレオシークエンスやステップがちょっと大人しすぎる?! カルメンの色気がほしいかも
<G2>
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア) SP:78.18(4) FS:148.26(4) 合計:226.44(3)
「Way Down We Go」♪ グレーとワインカラー。トウ・トウ4-3、ばっちり決まった! 4回転ループに挑戦、着氷は乱れたが下りる。トリプルアクセル+2回転トウループも入ったが、2本目の転倒が惜しい。
この人らしい硬質なイメージの曲、最後は体力きつそうだったが、頑張った。
ヴィンセント・ジョウ(アメリカ) SP:76.38(6) FS:149.37(3) 合計:225.75(5)
「グリーン・デスティニー」「Rising Sun」♪ 白に墨絵風。得意の4回転ルッツ、両手上げの3回転トウループにつなげる フリップは2回転になったが、単独4回転ルッツも下りた。トリプルアクセル+2回転トウループ、ルッツ・オイラー・フリップ3-1-3など、よく跳んだ。
流れのきれいな中盤のコレオ、いい感じ。ステップはレベル1止まり、こちらはまだまだ。
キス&クライでプレゼントのクッション、「2022北京見(北京で会おう)」と書いてあった。得点は、、、4つの回転不足で、速報値より大幅に技術点が下がる。これを克服しないと今後厳しいかも。
マッテオ・リッツォ(イタリア) SP:78.09(5) FS:147.72(5) 合計:225.81(4)
ローリングストーンズ・メドレー♪ 黒、腰にチェーン。4回転トウループは両足着氷になったが、トリプルアクセル+2回転トウループ、3-3などしっかり。
ビートを全身で刻むステップは観客もノリノリ、ワイルドに踊っても品があるのがいい。
ネイサン・チェン(アメリカ) SP:90.58(1) FS:189.99(1) 合計:280.57
「Land of All」♪ グレー系のカットソー。さりげない3回転ループから入り、4回転はまずルッツ。フリップ・トウ4-2、単独でトリプルアクセル。後半トウ・トウ4-3とトウ・トウ・ループ4-2-2と怒涛のジャンプ。
音楽性豊かなコレオでは高いGOEをもらった。さすがのプログラム。
ジュリアン・ジージエ・イー(マレーシア) SP:81.52(3) FS:125.99(9) 合計:207.51(7)
「Seven Nations Army」「Highway to Hell」「Kings & Queens」♪ 黒系。アクセルがパンクし、4回転サルコウ転倒、、、めげずにトリプルアクセルを下り、フリップ・オイラー・サルコウ3-1-2やフリップ・トウ3-3と頑張る。最後のルッツを3回転で決められれば、かなり印象がよかったんだけど^^;
ネイサン・チェンの直後とあって、粗さが目立ってしまったかも。しかし観客を煽りながらエネルギッシュに踊った。
ミハル・ブレジナ(チェコ) SP:82.09(2) FS:157.42(2) 合計:239.51(2)
「I'm a Man」「Thunderstruck」♪ 白Tの上に透ける黒。サルコウ・トウ4-2、トリプルアクセル+2回転トウループと決めて波に乗る。2本目のアクセルで軽くステップアウトした以外ミスなく、ロックで踊れば会場が一つに。久々に彼の小気味いい演技 ステップはただ一人レベル4を獲得。
結果、ぶっちぎりの優勝はネイサン・チェン、2位にGPシリーズ4年ぶりの表彰台となったブレジナ、3位ヴォロノフ、僅差の4位にリッツォ、0.06の差で5位にヴィンセント・ジョウ。ナム・ニュエンが順位を上げて6位、SP3位のジュリアン・ジージエ・イーは7位、初めてのGPシリーズはちょっとほろ苦かった
9位のビチェンコ、11位のレイノルズ、ちょっと心配 2人とも2戦目があるので、巻き返せるといいんだけど。
このあとは女子SPが始まる。真凛ちゃん、花織ちゃん、さっとん、頑張れ~
フィギュアスケート・アイスダンスの日本代表として活躍していた深瀬理香子/立野在組。今季はまだ大会に出てきていなかった。立野選手に怪我があるという話で、GPシリーズNHK杯の開催国枠にエントリーもされなかった。
数日前、日本スケート連盟の強化選手一覧を見てたら、アイスダンスは小松原美里/ティム・コレトしか出ていなかった。これは、、、と危惧していたら、、、
立野在選手が、自身のインスタグラムでライブ配信、自分の言葉で深瀬/立野組のチーム解散と、競技からの引退を発表した。こちらのブログで文字起こししてくださっている。
解散の理由は、怪我から復帰できる目途が立たないこと。深瀬選手をずっと待たせるわけにはいかないということだった。引退も怪我が理由。
去年の5月に肩の関節唇損傷と診断され、手術が必要だがリハビリしながら続けるのも可能ということで、痛み止めを使いながらシニア1年目のシーズンを頑張ったそうな。今年の2月に手術、リハビリを経て8月にカナダに戻って練習を開始したが、すぐにまた肩が外れる怪我。今度は関節唇剥離という診断で、さらに6週間のリハビリ計画を組んだが、3週間目にまた肩が外れた・・・
元々関節が緩い体質らしいということで、治すには手術しかなく、手術をすると可動域が狭くなり、競技にも日常生活にも支障が出るのだとか。「それには耐えられない」と引退を決断したそうな。
おそらく21日(日)14時ごろまで、インスタグラムのストーリーでこの配信を見ることができる(パソコンではダメだったが、スマホで見られるという情報があったのでタブレットで試したら見られた)。淡々と落ち着いて語っていた。じっくり考えた上での結論、もう気持ちの整理はついているのかな。
自室と思われる背景、棚の上にJ SPORTS 4のマスコットらしき鳥のぬいぐるみ大小があった。「フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋」に出演してたから、そのときもらったのかな
「KENJIの部屋」では、ゲスト全員にする質問に「ダブルアクセルが跳べたのはいつ?」がある。シングルがある程度長かった深瀬選手は答えていたが、小さい頃からスケーティングが大好きで、早くにアイスダンスに絞った立野選手は「跳べたことがない」と断言していた。
実は日本の男子には一時期アイスダンスに挑戦しても、何らかの理由でシングルに戻っていく選手がけっこういる。パートナーがやめることになったりすると次のパートナーを探すのが難しく、スケートを続けるにはシングルに戻るしかないのが日本の現状だ。まあ、やってみたけどアイスダンスが向いてなかった、というケースもあるだろうけど
立野選手はいいパートナーにめぐりあって、長く続けていけると思っていただろうに、、、口惜しいだろう
フレッシュで若さ溢れる、爽やかなプログラムを見せてくれるカップルだった。一昨年のジュニアグランプリシリーズ日本大会を、横浜に見に行ったのを思い出す。初々しかったな
深瀬選手のパートナーが見つかるように、立野くんの今後が明るいものになるように、祈る