北京五輪フィギュアスケート、男子フリー。オンラインで仕事だったので、ライブでまともに見られたのは第4グループだけだった。
仕事が終わってテレビの前に来た時、羽生結弦の滑走の中盤あたり。表示されている技術点と要素の状況(加点の緑・審議の黄色・減点の赤)を見て、これは、、、と思いながら、、、
Leaderの技術点(この時点ではダニエル・グラッスル)が100点を越えているが、そこには届かない。それでもトップには立った。
次の滑走者、SP7位のセメネンコには抜かれない。第4グループが始まっても、すぐには抜かれない。これなら?と思っていたら、宇野昌磨はしっかり攻めたから、上に立った。さらに鍵山優真が勢いで抜いていった。
ネイサン・チェンは、普通にできたら誰も勝てないと、みんながわかっていた。そのとおりになった。
羽生結弦の演技を初めから見なくちゃ、と思いながら、なんだかすぐに録画を見る気持ちになれなくて、ドラマの録画なんか見ていた。どうしてか、、、
思ったより、優勝できなかった、メダルが取れなかったという結果に、がっかりしているんだろうか。
たぶん、4アクセルを曲がりなりにも下りていたら、下りていなくても大きなミスなく終えていたら。順位が同じでもそんなに落ち込まなかったと思う。「報われない努力だったかも」なんてコメントが出ていたが、報われたと感じる演技だったら、きっと「順位は惜しかったけど、良かったよね~」と思えたんだろう。
ネットでショートプログラム後の羽生結弦の発言に反発するコメントを見てしまって、それも少し刺さっている。「ほかの選手の穴に、じゃなくて、穴に、だけでいいのに」「アスリートらしくない」「騒ぎになったんだから、それだけ影響力があることを自覚して」「上から目線」「そういうところが応援できない」等々。
穴うんぬんの説明は、以前自分が6分間練習のときにつけた溝にはまって失敗したことがあるので、それは避けたけど別口があった、という話。選手同士ではお互い様で、滅多にないけどたまに起こってしまうこと、不運としか言いようがなく誰のせいでもない、とわかっているのだろう。前に滑った選手たちは羽生に責められているとは思っていないだろうし、もちろん羽生自身は責めるつもりなどないだろう。
しかし、ミスを人のせいにして言い訳していると感じる人もいるわけで、、、。感じ方、受け取り方は人それぞれだし、好きになれない部分があるのは仕方ないことだ。
かく言う私も、なんとなく好きになれない選手は、プログラムも演技内容も、言動も顔もいちいち気に入らなくなってしまう。坊主憎けりゃ袈裟まで、みたいでよろしくないな~と思うが
もう少し時間が経ったら、第1グループからじっくり見て、その流れの中で見ることにしよう。
北京オリンピック・フィギュアスケート、男子フリー(ジャッジスコア)。仕事だったので、ここから見る。第1~第3グループは後でまた。
<G4>
ジェイソン・ブラウン(アメリカ) SP:97.24(6) FS:184.00(6) 合計:281.24(6)
「シンドラーのリスト」♪ グレーに炎のような模様。4サルコウは回避して3フリップに。3アクセル+片手上げ2トウ、単独3アクセルは高さが出た。3ループを跳ぶ前にはスプリットジャンプ。3ルッツ+オイラーの後が2サルコウになったのはやや残念だったか。
スピンに織り込むレイバック姿勢や、かつて女子の必須要素だったスパイラルでも高得点が取れそう。美しいキャメルスピンで余韻を持って終わる。
やりきった笑顔、ベスト更新の笑顔
モリシ・クヴィテラシヴィリ(ジョージア) SP:97.98(5) FS:170.64(11) 合計:268.62(10)
「Fly Me to the Moon」「My Way」「I'm gonna live till I die」フランク・シナトラ♪ 白シャツにグレーのベスト。4サルコウ+2トウ、3アクセルと入る。4トウは着氷が乱れたが、後半に4トウ+3トウを決めた フリップが2回転になっても、オイラー+3サルコウをつける。
1曲目は洒脱に、2曲目はしっとりと、3曲目はアップテンポで勢いよく。この選曲はうまくいっている。指さしたり手をひらひらさせたり、振付ももうこなれている。
終わって、まあまあかな、という顔。
チャ・ジュンファン(韓国) SP:99.51(4) FS:182.87(7) 合計:282.38(5)
プッチーニ「トゥーランドット」♪ 黒に金。冒頭の4トウで氷にうつ伏せになる痛そうな転倒 しかし得意の4サルコウで立て直す。代名詞になりつつある3ルッツ+3ループ、高い 3アクセル++2トウ、3ルッツ+オイラー+3サルコウもしっかり跳んだ。
「誰も寝てはならぬ」で一歩一歩を丁寧に、よく伸ばしてステップ。コレオのリンク半周するレイバック・イナバウアーが最高のハイライト
宇野昌磨 SP:105.90(3) FS:187.10(5) 合計:293.00(3)
ラヴェル「ボレロ」♪ 黒に金のストーン。4ループ、見事に決まった 平昌五輪のときとは違う意味で笑っていい! 4サルコウはあまり高さが出ず「両足着氷ですね」と解説・本田武史さん。4トウでステップアウトして両手をつく。
4フリップ+2トウ、4トウはオーバーターン気味でこらえる。3アクセル+オイラーの後が1フリップとなってしまった。
スピンが一つ無効の表示、全く同じものを2つやってしまったか。と思ったがジャッジスコアでは大丈夫だった。ラストのステップ、力強く激しく、最後まで頑張りぬいた
メダル確定
鍵山優真 SP:108.12(2) FS:201.93(2) 合計:310.05(2)
「グラディエーター」♪ 黒にゴールド。きりりとした顔で滑り出し、4サルコウを鮮やかに決める。4ループはステップアウトで手をつく。前半の3アクセルには2トウをつけた。
ステップでは誰よりもスケートが滑っている。ボーカルの一音一音をその一歩で表現するかのよう。4トウ、3フリップ+3ループ、3アクセルまで迷いなく跳んだ。
ぐいぐいとスピードを増していくコレオの勢い、きっちりとスピンをこなして、充実のフィニッシュ。
得点にまた踊りだしそう、父は少し顔が赤くなっている。銀メダル以上確定
ネイサン・チェン(アメリカ) SP:113.97(1) FS:218.63(1) 合計:332.60(1)
「ロケットマン」エルトン・ジョン♪ オレンジ系。最初の4フリップ+3トウ、単独4フリップと見事。4トウはわずかにふらついたがミスのうちに入らない。4トウ+オイラーのあとが1フリップになったのはミスと言えるか。
昔やや苦手だった3アクセルも問題なく、気持ちよく笑顔を浮かべながら踊りまくるコレオ。強さを見せつけた。
自身の持つ世界最高得点に迫る得点で、堂々のオリンピックチャンピオンとなった
結果、優勝はネイサン・チェン、2位鍵山優真、3位宇野昌磨。鍵山は初出場で銀メダル、宇野は平昌の銀と2大会連続のメダル獲得。羽生が4位となった。5位チャ・ジュンファン、6位ジェイソン・ブラウン、7位ダニエル・グラッスル、8位エフゲニー・セメネンコ。地元中国の金博洋は9位。
チェンの得点を待つ間、グリーンルーム(その時点での1位から3位が待つところ)に日本の選手が3人座っていたのが嬉しかった
またあとで。