『彼は新宿2丁目に養子に行った。』
週末のんべんだらりんと本を読んでいた。
江藤淳の夏目漱石に関するあれこれ。その本に漱石の年譜が掲載されていたので、見ていると、どきっとした。
慶応四年 (明治元年)(一八六八)二歳、*新宿二丁目の名主塩原昌之助(妻やす)の養子となる。(強調、おいら)
お~、御一新の時、わずか2歳で、「"あっち"」の世界に送られちゃった漱石!
で、気付いたよ。養子という江藤の脳内イメージ。そのイメージに基づく江藤の有名な吉田茂論。『吉田茂と養子政治』。
一方、『喪失と成熟』とは、実親の無条件の愛を喪失した者が、養父母の価値観の鋳型におのれを押し込むこと(成熟)にほかならない。すなわち、養子論なのだ。そして、何より、ぬっぽんずんが西洋近代への養子に他ならない。それが江藤の文明論のαであり、ωである。
これまた江藤が好きな福沢諭吉の「一身にして二世を経る」ということに通じる。二世とは、実親の無条件の愛の世界と養父母の価値観の世界である。
(←知らねぇーよなぁ、"今"の人は)
わずか2歳で! 15になって。 すっかり大人になって。
肩書き;文豪 女王 涅槃でwait-er
椎名林檎 歌舞伎町の女王